【その10】 新緑の山登りの巻き

食い意地マンダン
 
 
【その10】 新緑の山登りの巻き
   
ヤッホー  やはり山はいいなあ。見て見て、この新緑の美しさ!
ホント。空気も美味しいネ。
自然に包まれると、元気になるね。あああ、来て良かった。
ってさ。ここはまだ駅でっせ。着いたところ。これからあの山に登るんです。
エッ? これから? ウソ。もうしんどい。
電車の中で、ビール飲みすぎ!
だって、リュックが重くってさ。軽くしないと歩けなあい。
大体、リュックに缶ビール1ダースも入れてくるのが間違いです。
うぷっ  げぷっ。 眠たい。
・・・・・・さあ、行きますよ。大丈夫、山といっても800メ-トルくらいだから。
どのくらいかかる?
2時間くらいかな。
ゲッ 生きて帰れんかもしれん。
大丈夫だって。ボクが手を引いてあげるから。
   
 
ということで、しぶしぶ山登りを始めたココちゃん。ずっとアルくんはココちゃんの手を引いたまま。ココちゃんは時々歩きながら眠ったりして、やっと頂上へ
   
やっと着いた。わあ,見晴らし最高。一生懸命、登って良かったねえ。
・・・・・・・( アルくん、息も絶え絶えで声が出ません)
さあ、お昼にするか。
元気回復。楽しみだな。ココちゃんの手作り弁当!
あれ? 確か、朝早く起きて、おにぎりと卵焼きなどを作ったはずが。
ど、どうしたの?
ありゃ、無い。そうだそうだ。缶ビールをリュックの底に入れるために、いったん、弁当を出して、、、、。入れなおすの忘れた・・・かな?
・・・・・・・(アルくん、ぶっ倒れた)
缶ビールとスルメは残ってるヨ。
・・・・・・・(意識、回復せず)
こうなりゃ、さっさと山を降りて駅前にあった鰻屋で、美味しい蒲焼でも食べよ。特上おごるからさ。さあ行くよ!
   
 
体力を使い果たしてヘトヘトになってたどりついた鰻屋さんで、無心に蒲焼をほうばるココちゃんとアルくん。アルくんのうつろな目に、やっと光がもどってきましたとさ。
  by M・M
   
【つづく…】

 

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