顧客満足の複雑さ」カテゴリーアーカイブ

 顧客満足の複雑さ148「作られる世論」

     顧客満足の複雑さ148「作られる世論」

  久々に胸のすくような文に出会った。産経新聞に掲載されたスポーツジャーナリスト増田明美さんのコラムだ。東京五輪の開閉会式のクリエーティブディレクター辞任に関して、女性タレントの容姿を侮辱したという根拠がいかに理不尽であるかを、理詰めで主張されている。詳しい説明は避けるが、要は1年前のしかも色々な意見が出されるべき会議での発言について、今、糾弾しようという卑しさに怒りを感じるというものだ。極めて正論だろう。ディレクターが出した案はその場で没になったもので、本人もすぐに謝罪して撤回されたという。会議では様々な意見が交わされ、時には極端な案も出るものだが、おおむね常識範囲内の結論に収束していく。その場で取り上げられなかった意見ひとつひとつが後になって糾弾されるとするなら、誰も何も言わなくなる。会議は成立しない。的外れな告げ口によって辞任に追い込まれたと一喝されている。この一連の問題の根は、卑怯な告げ口を仰々しく取りあげた、大衆ご注進メディアの劣化としか言いようがない。しかし、そのメディアに大きく影響を受ける人たちは存在する。ある日の飲食店での昼食時、嫌でも耳に入ってくるほどの大声の客がいたが、その人の話はテレビの某番組コメンテーターの主張と全く同じ口調と内容であった。誤解を恐れずに言えば、その内容は無見識かつ一方的に、ある人を糾弾するもので、せっかくの料理がまずくなってしまった記憶がある。 

 さて、最近は家の固定電話を殆ど使用しなくなった。大体が携帯電話で事足りる。むしろ携帯電話の方が受信送信いずれにおいても便利だ。だから固定電話のベルは殆ど鳴らない。鳴ったとすれば10数年前の電話の持ち主あてにかかってくるか、 営業の電話なのだが、たまに世論調査なる電話もある。すべて自動音声で、答えを促すメッセージが流れるとすぐに切ってしまう。自動音声の世論調査に付き合うほど、暇ではない。新聞社ごとに定期的に世論調査の結果が公表されるが、あのような方法で、つまり自動音声による電話での調査に真摯に答えてくれる人たちがどれほどいるのかを考えるとき、調査結果はにわかに信じがたいものになってしまう。世論調査結果を盾に、自社の主張を正当化しようとしているのではないか、などと穿った見方もしてしまいそうになる。世論をリードするのが、メディアの役割ではないのだ。彼らは勘違いをしている。たまにメディアの扇動が政局を動かすこともあるが、重なる選挙によって、やがて良識ある結果に落ち着いてくるように思う。 その選挙結果をも、民意を反映していないと主張するメディアは、民主主義を理解していない。                     2021年4月1日

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 顧客満足の複雑さ147「金科玉条の公平と平等」

     顧客満足の複雑さ147「金科玉条の公平と平等」 

やはりというべきか、何故というべきか、日本でのワクチン接種スケジュールは当初の発表から大幅に遅れる見通しとなった。ま、想定通りの成り行きではある。ワクチンそのものの生産数が世界の需要に追いつかないのに加え、コロナワクチンの管理の難しさがスムーズな工程を阻んでいるようだ。止むを得まい。ただ率直に不思議に思うのは、GDP規模世界第三位であり、ノーベル賞輩出でも好レベルにいる日本が何故、コロナワクチン製造では完全に後れを取っているか、ということだ。

自然科学分野での日本人ノーベル賞受賞者は24名で、これは世界5位に当たり、米国、英国、ドイツ、仏、日本の順となるが、2001年からに限ると18名で、アメリカに次ぐ堂々の2位である。ただその内訳は物理学賞8名、化学賞6名と比べ、医学・生理学賞は4名ともっとも少ない。ちなみに米国の医学・生理学賞受賞者はノーベル賞発足から総数105名にのぼる。英国31名、ドイツ16名、仏10名、そして日本は5名。自然科学分野など、まるっきり無知な自分ではあるが、この数字をみて浮かび上がったものはある。医学・生理学を実際に生きたものにするのは、厚労省の役目ということだ。日本にはかつて、ペスト菌を発見し、破傷風の治療法を開発した北里柴三郎博士がいた。諸事情でノーベル賞は取れなかったが、まさに日本の誇る医学界の巨星だ。今もし、博士が生きておられたなら、などとかなわぬ夢を抱いてしまいそうになる。コロナ収束後は、官民あげて医学界の危機管理の見直しと、柔軟で才能を伸ばす土壌の養成に真剣に取り組む必要があろう。いざというときに役に立たない技術は、技術とはいえない。

さて最近、日本はつくづく公平と平等が好きな国民だと思う事案に遭遇する。公平と平等は追い求めるべきではあるが、あまりにそれに執着すると、社会は全体主義ないし共産主義にならざるを得ない。現実は日本は指折りの公平かつ平等社会である。だれでも自由に生きることが出来るし、勉学の道も閉ざされてはいない。国民皆保険は世界に類を見ない公平かつ平等な卓越したシステムだ。そして日本国民は贔屓目に見なくても、勤勉かつ優秀で真面目だ。結局、日本人の優秀さをミスリードしているのは、まるで全体主義思考に陥ったメディアであり、臆病な政治であり、頭でっかちな官僚なのではないかと思う。その中で、メディアは見ない、聞かないという権利が国民に残されているし、政治は一応、選挙という選択の権利が国民に与えられているが、国民にとっての官僚は?となる。とりわけ優秀な人達が集まっているはずの行政が、世界経済第三位の果実を国民に実感させられないでいるのだとすれば、どういう解決策があるのだろう。                       2021年3月1日

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 顧客満足の複雑さ146「この国で生きるということ」

   顧客満足の複雑さ146「この国で生きるということ」 

昨年1月の食事会で、“コロナなる未知のウイルス感染者が中国武漢で出ているらしい”との話題が俎上に乗り、コロナがまだ他人事であったときから丸一年が経った。対策の違いはあれど、今や、コロナ禍で無傷の国はないほどに、その猛威は衰える気配はない。一筋の光明はやはりワクチンだろうか。すでに各国で接種が始まっているが、ここでも国風の違いが出ている。イスラエルは国民の30%以上の摂取が終わり、全国民に行きわたるのも時間の問題らしい。また国民に安心感を与えるためか、首脳陣が一足早く接種している国もある。中国、インドネシア、アメリカ、イギリスなどもすでに一般国民への投与が始まっている。そして日本は2月下旬からまずは1万人の医療関係者へのワクチン投与が始まり、その結果を注視して後、3月には高齢者や医療従事者へと徐々に枠を広げていき、6月頃までには接種を希望する全国民にまで浸透できる予定だという。然しながら、これまでの様々な対策の経緯と、世界でのワクチン争奪戦をみるに、接種予定時期の筋書が大幅に狂う可能性も高い。ただこれは、どちらの方策が優れているかという問題でも無さそうで、お国柄の違いなのだろう。日本は、良く言えば一人一人の命の重さに敏感ともいえるし、悪く言えばだれも責任を出来るだけ取りたくないがゆえに、慎重な判断を積み重ねるということにもなろう。いずれにしても日本国民なのだから国の方針に沿わざるをえない。かなりのもどかしさはあるが止むを得まい。お国柄なのだ。イギリス在住の日本人女性の投稿を読んだ。“欧州のコロナ対策や医療体制は見習わなくて良い“と断言していた。昨年のイギリスにおける死者数は、過去5年間の平均死者数の14%増で、この70年間で最大の死者数を記録した。かたや日本は2020年1月~10月の死者数は同年同期比で1万4000人も減少している。現実の数字だが、これをもってコロナは恐れずにあたらず、とは言い切れないのも確かだ。

さて、コロナ禍の影響は確実に経済や個々人に及び、閉店ラッシュや痛ましい自殺の増加となってあらわれている。ただ意外だったのは、令和2年の倒産件数(負債総額1000万円以上)は2063件で、前年比5%減で過去30年間では最少件数だった。一方、廃業と解散は令和2年の1月から10月で、前年同期比38%アップの5983件を数えたという。これは何を意味するのか。つまり、売り上げ不振による金詰りに陥り、売掛金を支払えず、負債を抱えたまま、やむを得ず倒産してしまった企業は減った。その反面、きちんと精算をして自ら店・事業仕舞いをしたところが増えた、ということだ。給付金がやはり役には立って、周りに多くの迷惑を及ぼす倒産を少しでも抑えられたのかもしれない。はからずも、映画、寅さんで有名な柴又の鰻老舗店がこのほど閉店した際、店主の“余力のあるうちに閉めることにした”の言葉は、“債務を抱えての倒産はかろうじて回避できた”の裏返しなのだろう。勿論、いずれにしてもプラスマイナスでは撤退した企業数が増えている現状なので、経済的かつ失業問題はこれから大きな国政課題となるに違いない。日本ならではの緻密できめの細かい政策でもって、戦後最大ともいえる危機を乗り切ってほしい。                          2021年2月1日

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 顧客満足の複雑さ145「多種多様な救済措置は国力」

   顧客満足の複雑さ145「多種多様な救済措置は国力」

あけましておめでとうございます。今年が希望の光のともる一年でありますよう、願わずにはおれません。 

昨年は、2月から何もかもがほぼコロナで埋め尽くされた。特にメディアの過熱ぶりはすさまじく、ありとあらゆるジャンルからのコメンテーターが、様々な意見を交わす日々が続いた。夏ごろからはテレビのワイドショー的ニュース番組を一切、見なくなったので、今はだれがどんなことを言っているのか知らない。無駄なストレスから解放された。ただ国や行政の動きと、数字的情報は入手しているつもりだ。それで充分だと思う。つまるところ、このコロナ禍においては、必用最低限の外出に加え、大人数での会食・会合を控え、マスク着用、手洗いを励行する。それ以外に出来ることは少ないということだ。今のところ、友人知人、近隣で発症した人はいない。これからもそうであることを切に望んでいる。 

昨年末、旧知の友人と昼食を共にした。このような時期なので中止も考えたが、いたって呑気そうな相手の態度に合わせて実施することにした。友人曰く、小さな会社を長年一人で、細々と経営しているのだが、今回のコロナ禍にあって持続化給付金をもらったと喜んでいた。申請後すぐに上限額の200万円に加え、50万円の家賃補助金が振り込まれたという。当分は充分やっていけるらしい。一体、国の補正予算はどの程度の規模にまで膨らむのだろうと、一瞬、複雑な思いにかられた。これは諸外国、とくに米国や英国などの先進国でも同様だ。緊急の巨額な財政出動を実現している。調べてみたが、両国とも日本を凌ぐほどの金額が救済措置の名の元で市場にまかれている。市場に金があふれ、株式市場が活況を呈している。儲けどころということか。米国では4兆ドルに迫るすさまじい額だ。経済を殺すわけにはいかないし、働く人達を救済しなくてはいけないのは国としての責務だろう。ただコロナが収まった後の世界経済がどうなるのか、経済音痴の身としては、恐ろしくて考えたくもないのも事実だ。 

やはり、今回のような世界規模の感染症のもとでは、救済措置は国の力が大きく左右する。発展途上国のケースはあまり表面化しないので、その内実も明確ではないが、少なくとも先進国の非ではないだろう。同じ災厄にあっても、どの国の国民かによって、大きな差が生じる。国の批判しかせず、他国のケースをほめそやす一部の日本のメディアの声を聞くと、一回、他国で仕事をしてみればよいのにと思う。状況を的確に把握し、一人一人の努力が結局は国の力となり得るという真実を、もっと認識すべきだろう。国とは、国民の総体なのだ。 

                  2021年1月5日

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 顧客満足の複雑さ144「正確な情報解析を」

      顧客満足の複雑さ144「正確な情報解析を」 

コロナ感染者数が増大している。1日当たりで過去最大数を記録した地域も多い。それを受けて、Go To キャンペーンが見直されることになった。地域別対応となるが、かなり見直されることは確かだ。10月に利用させてもらったホテルの、涙ぐましいまでのコロナ対策を思い出すにつけ、やるせない気持ちになる。検温は勿論のこと、シールド式のチェックイン・チェックアウト、什器備品の消毒の徹底、等々、出来うる限りの予防策は取っていたように思う。キャンペーン効果で利用者が増え、宿泊施設も一息つけたGo To トラベルが一部中止に追い込まれるのは残念なことだ。コロナはどういったケースがもっとも危険なのか、考えれば分かる。要するにマスク無しで大声で何人かが会話をして、手などで接触するのが最も危険なのであって、それはもう、個々人の行動様式による。リスクの高い大人数による会食やカラオケ、密な接客などを避けるのは当然の使命だと思う。 

欧米すべてとは言わないが、画像で見る限り、大勢の人達がマスクもつけずに集合している。観光地などは特に人が集まっている。もとより声の大きい元気な人達だ。リスキーなのは見ていても分かる。反面、日本ではほどほどに大人しい。先の利用したホテルでも、一様に客は静かであった。そもそも、一体、どういう傾向のもとで感染が広まっているのかの情報が不足している。飲食店での感染が多くなっているといっても、全体の何%になるのか、まして宿泊での感染はどの程度になるのか、外国人の感染割合はどう動いているのか、道を歩いているだけで感染するのか。また感染した人達の中での死亡者の生活環境はどうだったのか、等々、プライバシーをそこねなくても情報として細かく分析することはできるはずだ。それが、まだ感染していない人達への行動アドバイスと、安心感になろう。でないと、飲食店や宿泊施設、鉄道、航空などが、苦しむだけの政策になってしまう。そしてまたまた補助金の出番だ。徹底的に感染者を減らしたいなら法律を変えて、とにかく行動規制を厳しく取ってみることも不可能ではないが、現在の感染者発生状況では、現実的ではない。欧米や南米の状態をみると恐怖を覚えるのも無理はないが、どれだけ重症者数と死亡者数を減らせるかが要で、いまのところ日本はそれらの国と比べても、桁違いに少ない。 

今冬は、インフルエンザ患者が例年と比べ、圧倒的に少ない。ちなみに2019年12月23日から12月29日の一週間でのインフルエンザ感染者数は88万人だったが、2020年11月9日から15日の一週間のインフルエンザ感染者数は全国で23人しか出ていない。同月同日比ではないので単純に比較しにくいものの、激減しているのは疑いようがない。今、政府がやるべきことは、コロナを指定感染症としての2類相当の位置付けから、新型インフルエンザに分類することだと思う。そうなれば、入院は肺疾患が出た人が対象となるだろう。中程度の症状の人までが入院する必要は無くなることで、随分と医療施設のひっ迫は緩和される。今は医療の崩壊と風評被害が一番怖い。                          2020年12月8日

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 顧客満足の複雑さ143「出来る限りの支援対策」

   顧客満足の複雑さ143「出来る限りの支援対策」

 コロナ禍で苦戦する宿泊施設及び飲食・小売り店等の支援対策として、7月22日から国が実施しているGo Toキャンペーン事業は、発足当初メディアで必要性の是非やら効果度合いなどを揶揄する皮肉的論調が目立ったが、ここにきて大きくトーンダウンしている。それもそのはず、Go Toトラベルに至っては事業を利用した宿泊者は9月末時点で延べ2518万人に達し、使った割引支援額は1099億円となった。政府は、今後も需要喚起の効果が見込まれるとして、来年1月末までの実施期間をさらに延長する方向で検討しているという。かくいう自分も、墓参りに乗じての一泊旅行にGo Toトラベルを利用させてもらったが、そのお得感に驚いた。同時に発行された地域共通クーポンと合わせると、総額から50%もの値引きで利用できたことになる。宿泊先ホテルは満室状態で、多くの家族連れで賑わっていた。破格の優遇措置は素直に有難いことだと思ったが、少々複雑な思いもあった。対策資金の原資は結局のところ国民の税金だ。周りには、すでに何度もGo Toトラベルを利用して国内旅行を楽しんでいるつわものもいる。観光施設にも非常に役立つ対策であったということか。施設によっては恩恵が少ないといった批判もあるが、平時にあっても施設の集客力は魅力度合いによって差があるのだから、すべてに平等の成果というわけにもいくまい。

さて、各企業の業績悪化状況が毎日のように新聞誌面を埋めている。JAL・ANA等の航空会社は軒並み、過去最悪の赤字となり、JR東海もJR西も9月中間決算で、共に1000億円を遙かに超える赤字を計上した。人が動かない、さらに海外からの人の動きも止まると、これら運輸をつかさどる業態は致命的な打撃を受ける。一方で、業績を上方修正した上場企業は186社にのぼる。主に、巣ごもり消費、リモート関連、コロナ対策に関連する3業種で、代表的なところでは、スーパーマーケット、ホームセンター各社、日用衛生品販売会社、食品会社、ゲーム機器関連会社などだろうか。持ち帰り主体の日本KFCホールディングスも過去最高益を更新した。しかし、下方修正した上場会社は1176社で圧倒的に多い。こうなると防ぐべきは失業者の増加、それに尽きる。失業者を増やさないことが、日本経済にとって第一義だと思う。JALやANAでは人員の他企業への出向に力を入れだした。自社から失業者を出さないための苦肉の策だろう。ここは政府も業種間の就業斡旋を臨時的にでもバックアップし、失業する人を一人でも減らすことに力を入れてほしい。業績の良い会社が、半年~一年間限定で、大きな危機にある会社からの人材を受け入れるのだ。日本には、持ちつ持たれつ、お互いさま、という精神がしっかりとある。コロナ禍で業績を伸ばした企業は、大きな使命を感じてほしい。

GAFAのうち、アップルを除くグーグル、アマゾン、フェイスブックの3社は200年7月~9月の決算で過去最高益を更新したという。さて、どのような具体的支援策で、この3社はコロナ禍にあえぐ世界に貢献するだろうか。

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 顧客満足の複雑さ142「飲食店の試練と構造」

長引くコロナ禍で諸企業や店舗などが大きな影響を受けていると思われるが、中でも人の動きによって成り立っている飲食店の深刻度は高い。7月30日の時点で、大手外食主要会社の来年度に向けての閉店計画が1200店舗を超えたという。出店計画が600店舗だから、明らかに縮小する。ロイヤルホストや天丼てんやを展開するロイヤルホールディングスは2021年末までに不採算店70店舗を閉店すると発表した。ジョイフルは2020年7月より、総店舗数767店の内、26%にあたる200店舗を順次閉店する。吉野家ホールディングスも年内の150店舗閉店を決めた。甘太郎などを展開するコロワイドが196店舗、ワタミが年内に65店舗を閉店するという。これほどの事態は今まで聞いたことは無い。大手外食チェーン店のスクラップ&ビルド、いわゆる不採算店のクローズと新規開店によって結果的に売り上げを効率的に伸ばしていく図式とは、全くあてはまらない現状がここにある。 

もともと日本での飲食店は、新規開店の内70%が3年以内に閉店するといわれる。1年以内ですでに30%が撤退し、10年後の営業率は10%前後に過ぎない。産業の中ではNO1の廃業率だ。ちなみに2位は情報通信業で、3位は小売業となる。何故それほどに飲食店の廃業率が高いのかの理由としては、参入障壁の低いビジネスではあるが、実際の運営は厳しい、ということがあげられよう。開店はだれでも比較的簡単に出来るが、家賃や人件費、原価に光熱費の負担は他ビジネスに比べて非常に厳しく、徐々に持ちこたえられなくなり閉店を余儀なくされる。それが前述の3年以内に70%が廃業するという事実に表れている。また、とても手のかかる商売だと思う。それら弱点を効率化し企業化したのが、ファミレスでありチェーン店なのだが、彼らの思い切りは早い。生き残るためには大ナタを振るうことを厭わない。雇用の受け皿とも言われる外食産業の立ち直りを祈りたいが、かなりの時間を要するかもしれない。 

ちなみに、世界の主要都市の飲食店数は、東京が14万582店のダントツ1位で、2位以下を大きく引き離している。人口では東京より550万人も多いニューヨークの飲食店数は2万6697店で7位。バーの数でも東京は2万9358店で1位。パブ人気のロンドンは3615店で8位となっている。何だか妙な気分になってきた。賑やかで華やかで便利なのは利用者としては素直に歓迎できるが、このコロナ禍でどれほどの店がもちこたえられるのだろう。それ以前に、果たしてこれほどの店舗数が日本の産業構造の中で必要なのだろうか、とも思える。消耗戦のような業態だ。一方、日常に利用させてもらっている近隣の数店舗の飲食店は、コロナ禍でも皆、元気そうに見える。昼食時は満席状態の時が多い。やはり地元密着型で、なおかつ家族経営の店は強い。                           2020年10月1日

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 顧客満足の複雑さ141「レジ袋有料化の矛盾と功罪」

2020年7月1日から、全国の小売店で一律にレジ袋有料化が始まった。担当の経済産業省によれば、正式には“プラスチック製買物袋有料化”となるが、巷間では“レジ袋有料化”が一般的な名称となっている。海洋プラスチックごみ問題や廃棄物・資源制約、地球温暖化などの課題を受けての施行だという。環境省なども動いての新制度に違いない。“プラスチック買物袋の過剰な使用の抑制“が目的で、対象は多岐にわたる。スーパーやコンビニはもとより、衣服、医薬品、化粧品、文具、タバコ、自動車部品等々、ほとんどすべての小売り事業者が対象となる。ただ、レジ袋の使用を禁止するのではなく、必要ならば買ってくださいね、というところが笑える。そういえば、ナショナルチェーンの超大手スーパーでは随分と前からレジ袋有料化を実施していた。国民の意識を高める目的というが、そもそもレジ袋は各家庭でゴミ出しに再利用する場合が殆どで、その他でも有効利用されている。過剰に使用している人など、いるのだろうか。

実際の現場でもコンビニでプリン1個、パン3個、ジュースなどを買うと、それら商品がそのままに置かれて困惑する人を、よく見かけるようになった。若い客は手ぶら状態が多く、仕方なくレジ袋を購入するか、ポケットにねじ込むかのいずれかで、万引きに間違われそうな状態だ。また、失笑を禁じ得ないのは、スーパー用レジ袋仕様のポリ袋の売り切れ状態が続いていることだ。マイバッグに拒否感を持つ人は多い。野菜も肉もお菓子も洗剤も靴も下着も詰め込むには、衛生上からも4~5枚のマイバッグは必要になるし、頻繁に洗わねばならない。それを嫌う人達が、せっせとレジ袋仕様のポリ袋を買って、買い物時に利用している。一体、何のための制度かと聞きたくもなる。

時折利用する地域型スーパーでは、今でも充分な枚数のレジ袋を付けてくれるので重宝しているが、制度に背いていいのかと案じていたら、その理由が分かった。その店のレジ袋は、バイオマス素材配合率が25%以上なので、有料化の対象外なのだ。植物性プラスチックを25%使用することで、CO2削減に寄与するらしい。今回のレジ袋有料化は、1、厚手(フィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの)2、生分解性プラ(海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの)3、バイオマス(植物由来のバイオマス素材の配合率が25%以上のもの)の3点のどれかひとつの条件を満たせば対象外となるのだ。一地方のチェーン店が、バイオマスレジ袋に転換して、客に無料で提供している一方で、大手コンビニや大型スーパーでは有料化を遵守し、なおかつレジ袋仕様の従来型プラスチック商品を品切れ状態になるほど売りまくっている。しかし、精算時に客が購入するレジ袋は、有料化対象外となるバイオマスクリアのものなのだ。これをレジ袋として使うと有料化の対象とはならないのに、経費がかかりすぎて無理ということか。つまり、すべてが利用者の負担において対処すべきであって、当社はきちんと環境に優しいレジ袋を採用していますからね、というわけだ。国民の意識を高めるという、上から目線の制度は、やはり供給側の事情を優先したものだと思われても止むを得まい。各小売店に、上記3種の条件に入るレジ袋提供を義務づければいいだけの話だ。                                2020年9月1日

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 顧客満足の複雑さ140「再度の生活活動停止は難しい 」

 顧客満足の複雑さ140「再度の生活活動停止は難しい」 

 数的には、日本でのコロナ感染者数は第二波に入っていると思うのだが、国民の緊張感が第一波時期と比べて比較的穏やかになっている気がする。覚悟していたからかもしれないが、これ以上の防衛策は取れないという諦念も確かにある。ただメディアは相変わらず、増加する感染者数の報道に明け暮れる。8月1日現在で3万7859人が感染し、1013人が亡くなられている。確かに感染者数はこの二週間、うなぎのぼりの傾向にあり、歯止めがいつかかるのか読めない不安感はある。全世 界でも1703万人が感染し、66万人を超える死者数を出したと聞けば、コロナへの不気味さに震撼せざるを得ない。ただ例年、インフルエンザにはそれほど恐れを抱く人はいない。ワクチンや治療薬タミフルの存在に安堵感を覚えるせいなのかもしれないが、数字的には、コロナを遙かに上回る。2019年の12月30日から1月5日までの一週間での日本におけるインフルエンザ感染者数は39万2000人で、前週は88万人を数えた。2019年1月だけで、インフルエンザが原因と医者が認めた死者数は1685人にのぼる。一日約54人だ。治療薬があっても、身体の弱っている人が感染するとあっけなく命が奪われてしまう。コロナと同じメカニズムなのだ。しかしながら、いくらインフルエンザが流行しようと、学級閉鎖はあっても、経済活動がストップしたという話は記憶にない。こうなると、今の騒ぎに頭を抱え込んでしまう。 

 さて、旅行業界や宿泊業界への業績の一助とすべく、GO To キャンペーンは予定通り施行されている。一部内容の変更がある中でスタートした。賛否両論はあるが、施行された以上、供給側、使用者側双方が、スムーズにその効果を受けるべきであって、これもまた一定の期間を経て、真の是非が評価されるものだろう。特に今、宿泊業界で盛り上がりを見せるのが、地元客誘致戦略だ。遠方客の利用に対する感染不安が一層、地元客に期待を寄せる一因となっている。ただ考えれば、何故今まで、地元客をターゲットとする戦略が出てこなかったのだろうと疑問を感じる。 以前に“地元客は宝の山なのに”という疑問を呈したことがある。温泉と料理と宿、この3点セットは、家事を預かる女性にとって何よりの解放であるのは勿論のこと、年齢性別問わず命の洗濯となるだろう。近くにその提供場所があるのは大きなメリットになる。移動に疲れないし、満足すれば確実にリピート率もアップする。遠方からの客を期待するより、はるかに上客となり得るのだ。コロナ禍をきっかけとして、宿泊意義の変化が供給・利用双方共に定着してほしいと思う。一方、飲食店はその多様性と店舗数の多さゆえに、なかなかに業績援助活動は難しい。接客の度合 いも、規模も異なる中で、会食は避けてほしいとの行政からの一律的なメッセージは、まさに死の宣告に等しいだろう。やはりここはターゲットを絞っての、ピンポイント行政指導しかない。  間島万梨子

 

 

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 顧客満足の複雑さ139「国による違いは明白 」

     顧客満足の複雑さ139「国による違いは明白」

 6月中旬以降、日本のコロナ感染者数は首都圏で二ケタ台後半が続く中、その他地 域ではゼロ乃至一ケタ台を維持している。痛ましくも亡くなった人は26日時点で 969人。今後の展開がどのようになるのかは分からないが、徐々に人が動き出し、経済が動き出している。一部の店を除いては、徹底した感染予防策が取られ、道行 く人々も100%近くマスクをつけている。いつ来るかもしれない第二波への怯え や備えは、ワクチンや治療薬の出現までは消えることは無いだろう。正しい怯えは 必要なのだと思う。それが日本での感染爆発を押えている理由のひとつに違いない。

 一方、死亡者数12万人を超えたアメリカのある郊外での日常の映像を見て、驚き を通り越して妙に感心してしまった。皆、一様にマスクもせず、密の状態で楽しそ うに歩き、談笑し、リゾートで遊んでいる。この楽観主義は、どこからくるのだろう。圧倒的感染者数の中で、自分だけは大丈夫と信じて疑わない国民性と個人主義 は、良い悪いの問題でかたずけられない違いを感じる。他国は異質だ。集団免疫戦 略、つまり放置政策を取ったスウェーデンが、米国に次ぐ100万人当たりの死亡 者数の多さ、という惨状に、今あえいでいる。大きな間違いを起こしたのだ。ただ 国民からは政府への非難も少なく、相変わらずマイペースな生活を続けているよう だ。ことほどさように、今回のコロナは、各国の政策の違いと国民性を見事に浮か び上がらせた。日本は誇って良い。死亡者数の低さが確固たる証拠として、裏付け られる。コロナ対策に関しては、お手本とすべき国は見当たらない。あるとすれば、ごく早期に中国からの入国禁止に踏み切り、個人へのマスク安定平等供給を迅速に 果たした台湾か、日本と同じく死者数が圧倒的に少ないニュージーランドあたりか。 それとても法律や環境の異なる条件下の成果であって、台湾のICカード式保険証 を使用してのマスク平等購入システムも、そもそも国民全部を把握できるICカー ドシステムをプライバシー保護の反対で導入できない日本では実施は難しい。 

 さて、コロナ自粛期間でもテレビは元気だ。過去の配信映像をうまく組み合わせて、 時間枠を埋めたものが多い。よくこれでスポンサーがつくものだと感心するが、裏 ではどのような取引があるのだろう。ニュース番組にしても、新たなコメンテータ ーを呼んで、日々侃々諤々の意見がはきだされて活気づいている。その形は、外国 のニュース番組とかなり異なる。最近、コロナ関連もあって海外ニュースを見る機 会が増えたのだが、どの国も一人のキャスターが自分の意見をことさらに述べるこ となく、事実や事件を映像を取り入れながら淡々と報道している。考えるのはテレ ビの前の視聴者の役目というわけだ。先日、朝8時からの一応はニュース報道らし い日本のテレビ番組の頭が、若い芸人が芸能事務所を出るとか出ないとかの話題だったのには、心底驚いた。外国にも芸能関連を扱う番組はあるが、ニュース番組と のすみわけは出来ている。日本のテレビはまるで、そこで生きる人達の互助会のよ うだ。テレビを生活の糧にする人の数が多すぎるのか、視聴者が芸人が多く集まる 賑やかさを望んでいるのかどうかは、分からない。                 間島万梨子

 

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