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食文化の豆知識203 食文化の現状182(あふれる情報の取捨選択)

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食文化の豆知識203 食文化の現状182(あふれる情報の取捨選択) 

料理に関する情報を欲しい時に、専門料理本を見ることより、ネットからの入手の方が多くなりました。そもそも、立派な料理本を持っていないので当然ですが、それでも何冊かは手元にあります。すべて頂き物で、中には有名ホテルシェフによる家庭料理本や中華料理本などもあって、目の保養になる料理が歴然と並んでいます。ただ総じて立派すぎて、重く大きい。料理をしながらちらちらと見て、参考にできるものではありません。で、もっぱら、iPadなどで簡単にアクセスできる料理サイトを参考にさせていただいています。なにより手軽で軽く、片手間に見ることができるし、欲しい情報も簡単に見つかります。ただ、料理サイトは数が多く、選択に苦労するという、贅沢な悩みに突き当ります。一度見て、使いやすいサイトはアプリを残しておけば良いのでしょうが、ちょっと情報が欲しい時だけの利用なので、その都度、異なったサイトを検索するという、勝手気ままな使い方をさせていただいています。便利といえば便利ですが、専門本が売れなくなるわけだ、と時代の流れにしんみりとしてしまいます。それでも人気のある料理研究家の方たちは、独自のサイトをお持ちでしっかりと発信しておられるようです。

 ただ料理サイトが多すぎるのに加え、情報が異なることが結構多い。例えばある素材を使った料理を検索したとき、調理時間や方法にかなりの差異があり、どちらを採用したら良いのか、迷う場合があります。つまり情報数が多すぎて取捨選択の要をどこに置くか、という一種、贅沢な悩みに突き当たるのです。たかが料理情報?どれかを採用すればいいだけのことなのかもしれませんが、この取捨選択、こそが、ネット情報利用の肝といえるでしょう。今後、あらゆる分野で、益々増えるであろうネット情報。当然に利用価値の無いものも増えていくわけで、自然淘汰を待つまでに、利用者の目にも真贋を見極める力が求められそうです。

 

食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その203】某月某日「マクドとミスドはエライ! 」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 203 “マクドとミスドはエライ!”の巻き

そっか、春休みなんだ、と気づくのは、平日の大型ショッピングモールで多くの子供たちを見た時かな。お母さんも大変だよね。家に置いておくわけにもいかないし。ま、ショッピングモールなら子供向けの遊技場もあるし、気兼ねなく食事ができるフードコートもあるものね。まもなく春休みもおしまいですよ。お疲れさまでした。いつもより子供客が多いフードコートにいると、やはりマクドナルドはすごいな、と思うわ。数ある店の中で、ダントツ人気が見て取れる。ハンバーガーが好きなの?それともフライドポテトが好きなの?って、聞きたくなるほど、皆、その二つが入ったセットを、美味しそうに食べてる。私の子供のころには決して無かったフードなので、この子たちが大人になっても、やはりマクドファンでいるのかわからないけど、多分、味の刷り込みは、大人になっても続くらしいから「マクドナルドは永久に不滅です」ということになるんだろうね。オソロシヤ。別にオソロシクはないけど、スゴイわ。

フードコートはランチ時など、どのくらい順番待ちの人がいるかで、人気度がすぐにわかる。結果、売り上げ差が出てきて、撤退する店が常にあるのよね。キビシイな、と思うけど、まさに弱肉強食の世界ね。近隣のショッピングモールはオープンして20年近くになるので、その間、部分リニューアルが何度かあって、いろいろな店が入れ替わったわ。それがすぐに分かるのがフードコートなのよね。私の記憶では、オープン時から燦然と居座るのは、もとい、輝いている店は、マクドナルドとその横にあるミスタードーナッツで、そのほかは、入れ替わり立ち替わりで、覚えられん。恐るべし、マクドとミスド。

どちらも、もう10数年以上、口にしていないけど、あの時のままなのでしょうか。ドーナッツの甘さは変わらずにあのまま?マクドのハンバーガーもあのときのまま? はい、どちらもその味は、思い出の中に封じ込めておきます。がんばって!

 ・・・・続く。

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顧客満足の複雑さ184(ホスピタルとホテル)

     顧客満足の複雑さ184「ホスピタルとホテル」

友人が入院した。重篤な症状を抱えての緊急入院ではなく、一か月ほどを要する検査入院ということだが、やはり心配が募る。で、一週間ほど経って見舞い訪問したところ、いたって元気な顔を見てほっとすると同時に、どうか早く退院できることを願わずにおられなかった。部屋は、リラックスできる雰囲気の個室で、改めて病院の個室の利用価値を認識するとともに、病院の個室は、広さや雰囲気、それに価格は各病院で実にさまざまであるのに驚く。個室の費用を左右するのは、まずは広さ、それに設備だろうか。基本的にトイレと洗面台を有しているが、シャワー&浴室を備えているのは特別室タイプになる。勿論病室としての特別機能を有しているが、感覚的にはビジネスホテルから簡易シティホテルに近い。ただまさに千差万別、病院スタイルとしてきちんと市場価格別に整理されているわけでもない。ソファや冷蔵庫の大きさもさまざまだし、窓からの眺望もそれに加わる。家族や自分、そして知人が利用した個室も価格、広さ、設備、眺望ともに、一貫性はなく、ただただ病院側の一方的な値付け放題、といった印象を受けた。そこに市場競争感覚は無い。これがホテルとなると需要バランスや部屋の値打ち度をマーケテイング反映させた価格体制がとられる。いわば、買い手市場を微妙に取り入れたものになる。 

病院側からすれば、4人部屋くらいの方が対処しやすいのだろうが、患者側からみれば入院事情は同一ではなく、まして個人環境も大きく異なる中で、これから益々個室利用希望者は増えるものと思われる。それを証拠に個室の空きが無く、ウエイティング状態の時も多い。病院の個室は6.4㎡以上が規定らしいが、広さや設備によって価格差が大きい。某大学病院の最高特別室は1日30万円ほどで驚く価格だ。一般病院でも5000円の個室もあれば3万円前後のもあって価格差は大きい。一方、ホテル個室は9㎡の規定だが、ビジネスホテルのシングルルームの場合、大体が6000円から1万円前後までの価格内に収まる。需要競争も加わり、市場がほどほどの価格を生み出しているからだろう。 

ホテルとホスピタル(病院)はホスピスという同じ語源を共有している。いわば兄弟のようなもので、ホスピスの意味は「もてなす」だ。ただホテルとの決定的違いは、病院の場合は24時間そこで過ごす、ということだ。ならば、ホテルより快適でリラックスできる環境に向けて、部屋そのものに対する発想転換があってもいい。特に色使いを含むインテリア、眺望等に、病院共通の指針があってこそ、ホスピタルを名乗る意義もあろう。 

       2024年 3月1日  間島   

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食文化の豆知識202 食文化の現状181(果物適正量摂取は難しい)

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食文化の豆知識202 食文化の現状181(果物適正量摂取は難しい)

 一部、健康雑誌と化した週刊誌に、果物摂取を勧める内容の記事がありました。要は「果物を食べると太るとか、糖分過多になるとかで、敬遠している方がいるようだが、まだまだ日本人は果物摂取量が少ない」というものです。昨年、厚生労働省による「健康日本21」が10年ぶりに改訂され、1日に摂取すべき果物の量が200gとなりましたが、日本人の現実の果物平均摂取量が96、4gに過ぎない状況を受けての内容で、果物の健康増進効果などを、わかりやすく説明していました。果物好きの身として、より詳細に知りたくなりました。 

まず200gというのは勿論、可食部量を指し、みかんなら2個、りんごなら1個、柿、梨、八朔も1個、ブドウなら1房、バナナは2本といった数値です。今は多種多様なみかんが出回り、自分も軽く200gはクリアしていますので、現在のところは余裕の数値ですが、日本人の40%が1日で全く果物を食べていないとか。加えて、20歳代は46、98g、30歳代は43、98g(令和元年データ)と、50gにも満たないというのが現実です。もっとも果物を食べていたと思われるのが1975年の193、5gで、今はそれから半減したということです。 

日本の果物の美味しさは折り紙付きだと思います。外国に行けば、一部南国の果物を除いて、美味しいと思ったことはありません。ほとんどが加工用に栽培されており、日本のようにフレッシュさを味わうに適さない。まして、シャインマスカットにいたれば、りんごのふじ以来の日本が生みだした100年に一度の秀逸品種だそうです。1房1000円以上はします。なぜ、果物を食べないのかの答えの大部分は、価格が高い、日持ちしない、皮をむくのが面倒、が占めますが、本音は、価格が高い、に尽きるでしょう。日本の果物生産は手がかかり、加えて小規模の家族経営が大半です。となるとどうしても、利益が高く単価の高い高級品生産が軸となってしまう。生産者からすれば当然のことでしょうが、結果として手が出にくい商品となった、というのが現状です。さてはて、厚生労働省が薦める1日果物200g摂取は、いつ実現するでしょうか。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その202】某月某日「皆、見てるのね! 」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 202 “皆、見てるのね!”の巻き

最近というか、もともとというべきか、テレビって食べ物関連番組が多いよね。どのチャンネルを回しても、何か食べてるよ。話題の店の料理を食べて「美味しい!」と叫べば、はい、番組成立です。ま、食べるをメインにすれば、社会主義も民主主義も、はたまた左も右も敵対することないし、あくまで個人レベルですぅ、と言っておけば、非難されることもないわ。皆、食べることは好きだものね。ほんと、お気楽な番組作りだよな、と思ってたら、結構、影響力が大きいんだ、と吃驚しましたわ。

近隣のお寿司屋さん。数年前のオープン時、一度行ったきりで、あまり印象に残らなかった店なんだけど、このところのランチ時、駐車場が常に満杯状態で、流行っているんだなって感心していたのよね。いつかまた行きたいな、と思っていたの。で、最近、ある番組でその店の目玉ランチメニューを紹介。何と寿司20貫(細巻きも入れて)が1000円台前半の価格。見れば、白身やマグロの新鮮ネタ満載の超お得メニュー。これは受けるわ、と感心してたら、その後、駐車場に車の長蛇の列が。今までの倍以上の半端ない車が押し寄せているじゃないですか。すごっ!皆、見てたんかい。

益々、行けなくなりましたわい。当分は人気沸騰ですね。やはりテレビで紹介されれば、影響力マックスなのね。でも、だれが見ても、すごいお得メニュー!がなければ、一時の繁盛で終わります。また常連さんが入れなくなります。はい、もろ刃の剣ですね。頑張って、超繁盛店でいてくだされ。外から車の列を見て“すご~い”と言って、通り過ぎますから。

  ・・・・続く。

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顧客満足の複雑さ183(問題点は何なのか)

      顧客満足の複雑さ183「問題点は何なのか」

日本のGDPが4位に転落し、各メディアでかなり大きく取り上げられた。ただ、だから何?という雰囲気が国民に蔓延しているといっても過言ではない。そもそも中国に抜かれた、とメディアが騒いでいたころから、その風潮は生まれていた。そして今年はドイツに抜かれ4位に。ワールドニュースを注視している人にはわかっている。ドイツでのインフラをはじめとする値上げラッシュに国民の不満がマックスになっていることを。何も負け惜しみで言っているのではなく、そもそもGDPの解釈自体が、現代の価値感に合わなくなっていると思う。GDPは一定期間内の国内総生産を指し、極めて荒く言えば、国内で販売された商品やサービスが生み出した売り上げから、経費を差し引いた儲け総額、ということだろうか。それが国の経済力の指針と、とらえられている。しかしそれは量を指す。そこに質の計算はない。ここでドイツの新政策情報が入ってきた。小さなプロジェクトを減らし大型のプロジェクトに益々特化していくという。これがGDP押し上げの要なのか。 

エネルギー自給率も食料自給率も壊滅的に低い日本がベストの環境にあるとは思っていないが、少なくとも中国にもドイツにも住みたくはない。環境・便利さ・治安の良さ・食事の美味しさ・そして国民性etc・何をとっても日本から出ていきたいとは思わない。しかし、真剣に?GDPの復権を目指すとしたら、何をどうすればよいのだろう。経済オンチの身とすれば、即答などできはしないが、よく問題視される日本の中小企業の数が、先進国で群を抜いて多いわけでもない。先進他国もおしなべて全体で95%以上の中小企業を抱えている。となると、やはり労働生産性が低いからだという主張には納得できる。一人が稼ぎだす金額が少ないという非効率性が、GDPが伸び悩む要因と指摘する向きは多い。要するに日本には丁寧な仕事、言い変えれば手のかかりすぎる仕事が多いのだろうと思う。前にも書いたと思うが2019年飲食店数都市別ランキングでは東京が14万8582店と突出している。2番目はソールで8万3239店、3番目が中国の深せんで5万9985店、そして4番目がパリの4万4896店だ。2023年のミシェランで東京の星獲得数がパリを抜いたようだがそもそも分母が大きい。ちなみにGDP3位のドイツはどの都市も10位内に入っていない。コンビニエンスストアのセブンイレブンは、2016年のデータでは日本が1万8860店舗でダントツの1位。2位がタイの9278店舗、おひざ元のアメリカが3位の8378店舗で、あとはアジアが続く。ヨーロッパ各国は桁が違うほどに少ない。日本には何故こんなにも多いのか、の理由の一つは商圏が狭く売上げ目標が低いのだろう。 

日本では人手がかかり、小幅に稼ぐビジネスが非常に多い。そんな環境で、まだGDP4位とは立派なものだが、最新技術の開発と駆使により、効率的に大きく儲かる事業の展開以外に、日本浮上の道はないように思う。そしてその事業権利を寡占することが必要だ。人の良さだけでは国民が飢える。          2024年 3月1日  間島   

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食文化の豆知識201 食文化の現状180(非常時の備えと覚悟)

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食文化の豆知識201 食文化の現状180(非常時の備えと覚悟)

 大災害が起こるたびに、非常用持ち出し品の必要性が注目されます。今回の石川県大震災でも、各避難所を経験した人たちが、用意しておけばよかったものをSNSなどで公表しています。やはり実際に経験してみると、想像を超えた現実が明らかになるのでしょう。大変な状態から発せられた情報なので、貴重なご意見として受け止めさせていただきたいものです。災害はいつどこで起こっても不思議ではなく、日ごろからの用意がその後の生活状況を左右します。わかってはいるんだけれど、緊張感を持続するのは簡単ではありません。 

量販店に行けば「非常用持ち出し品セット」なるものが販売されており、それはそれで便利だとは思いますが、各自、各家庭で必要なものは異なるものです。実際に自分たちには何が必要かを分析して、非常時用品を用意するのが大切です。それには、想像力が欠かせません。避難時の状況のイマジネーションは、高度な思考が必要です。あれもこれもとなると、すぐに持ちきれないほどの量になり、取捨選択するのも大変な作業です。となると最も効率が良いのは、個人が用意するべきもの、行政が用意しておくべきものと緊急物質の調達ルート及び調達先、これらはあらかじめ国策として整理しておくべきだと思います。これほどに地震が多い国なのです。避難所の指定と最低ラインの備蓄物だけ、というのはあまりにお粗末でしょう。 

国情の異なる他国を安易に参考にはできませんが、スイスでは国民が常時備えておくべきものを、事細かく国が指示しています。もっともそれらは災害時用ではなく、侵略されることを想定しての準備ではありますが、国・国民もろとも有事における覚悟は、日本も見習うべき強さがあります。災害時に際して、少なくとも1週間程度、自活できるための国民が用意すべき必要品目・そして行政が準備しておくべきものの、整理が望まれます。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その201】某月某日「大人しい社会はやはり良いかな」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 201 “大人しい社会はやはり良いかな”の巻き

ホント春近し、と言いたくなる陽気で、まさかこのまま春じゃないよね?とお天道さまに聞きたいわ。アホ、まだじゃ って声が聞こえてきた。そうだよね。まだ大寒波のひとつやふたつはやってきそう。でも間違いなく、春はくる。で、夏もくる。虫も出てくる。蚊もハエも。わあ、ノイローゼになりそう。って、一体、何を1人で考えとんの? はい、季節は、放っておいても勝手に巡ってきます。考えても仕方がない。美味しいもの食べるのが一番。

でもさ、ランチでも高くなったよね。ほとんどの店がいつのまにか値上げしてるし。それを、ま、仕方ないか って思ってしまうのも怖い。収入はそのままで、支出ばかり増えていく。オカシクない?って思ってったら、ワールドニュースで、いろいろな国での国民のデモのニュースが頻繁に流れている。ホント、いろいろな国で、デモやってる。それも大がかりというか、社会の機能がストップするほどの規模で何日も。理由はそれぞれだけど、根っこにあるのは金銭につながることで、要するにもっと収入を増やせ、につきるのかな。イスラエルがらみのデモなどは長続きしないけど、フランスの農業関連のデモなどは、皆、生活がかかってるからか、長くてしつこい。ゴメン、生活は大事だよね。で、政府から妥協案が出てきて、いつかは手打ちとなる。デモは成功しました!

ひるがえって、日本でデモは、めったに起こらないよね。時々、左翼、違った、リベラルな人々が政府の方針決定に対してデモってるくらいかな。待遇改善や政策反対などで、ある業界が団結したデモなんて、日本ではこの十数年、見たことない。電気代があがっても、ガソリン代があがっても、デモは見かけない。皆、仕方ないなとあきらめてるのか、切羽つまってないからか、賢いからなのか、わからんけど、デモはありません。やはり国民性なのかと思うけど、やはり平穏なのはいいことだわ。治安の良さにもつながるし。ただこのところ、人騒がせな犯罪が多発していると感じるのは、思い違い?データとしては犯罪の発生率は世界的に見ても随分低いのだろうけれど、情報が早くて多様なのでどこでもいつでも犯罪が起こっているような気がしてくるわ。ま、腹が減っては、のたとえもあるし、これから美味しいもの食べようっと。

  ・・・・続く。

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顧客満足の複雑さ182(災害時における価値ある役割)

    顧客満足の複雑さ182「災害時における価値ある役割」 

石川県大震災発生より約一か月を経て、その被害の大きさにはたじろんでしまう。冬の厳しさがこたえる地域にあって、なかなか迅速な結果は難しいとは思うものの、徐々にでも復興が進んでいくことを祈りたい。 

それにしても、日本の避難所は何故あんなにチープなのだろうか。大体が学校か体育館か公的施設が避難所として指定されているが、総じて同じ景色が見られる。毛布や水と緊急食はかろうじて提供されるが、いわゆる雑魚寝状態でトイレ事情の劣悪さも指摘される。震災から3週間後、見るに見かねた建築家によって、ある避難所に間仕切り設定が提供されたという。一体、何回大震災を経験すれば、避難所のあるべき姿の発想転換がなされるのだろう。冬の寒さをほぼ完全にしのげる寝袋(シェラフ)は数千円から手に入る。毛布一枚など極寒状態ではほぼ役に立たない。段ボールによる簡易ベッドと間仕切り設定も、ずっと以前より業者から提案されているはずだ。テント式の個室でもよい。 

まるで役に立たない地震予知研究に使う費用は、避難所の環境がより快適になるために使っていただきたい。そもそも日本列島はすべてが地震発生圏内にはいっている。安心できる地域など無い。いつでもどこででも起こりうるのだから、起きた場合の避難者の快適度をあげることで、環境悪化による災害関連死を防ぐ方が、理にかなった予算の使い方だ。最低、自家発電器、10人にひとつ程度の簡易洋式トイレ(水不要のバイオトイレもある)、家族用間仕切り、簡易ベッド、そして寝袋は、水や緊急食に加えて必須アイテムだろう。それでやっと避難所の名に恥ずかしくない程度のものになる。今回は震災直後に官邸主導の対策本部も設置され、行政もがんばっているとは思うが、こと避難所に関しては、発想自体がイタリアなどに完全に負けている。有事に向けては、より手厚い環境の提供が用意されておくべきで、相も変わらぬ避難所の風景には脱力する。何事も我慢が必要、などと精神論をかざす輩もいるかもしれないが、有事だからこそ、心と体が少しでも癒される快適さが必要なのであって、今の日本にはそのくらいの力はあるはずだ。 

加えて、すみやかな二次避難システムも急がれる。被害をこうむっていない宿泊施設への避難者の移動だ。そこには少なくとも個室があり、暖かい布団があり、食料がある。その場合の施設への行政からの支援金をケチってはいけない。阪神大震災では、大手ホテルが自発的に直後にロビーを解放し、食料を放出したと聞く。ここでは行政の遅れが顕著だった。今回の大地震は道路の分断などの事情はあるが、希望する避難者を迅速に移動してもらう手立てもあろう。日本人には「我慢が美徳」の人が多いからといって、そのけなげさに甘えてはいけない。

               2024年2月1日 間島

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食文化の豆知識200 食文化の現状179 (栄養摂取は自然に)

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食文化の豆知識200 食文化の現状179(栄養摂取は自然に) 

世は健康ブーム、というか、健康に関する広告や書籍を見ない日はありません。週刊誌も健康雑誌かと思うほどに、毎週、体に良いもの、悪いもの特集を組んで意気盛んです。サプリメントはもはや、気になっていることを改善するために摂取しようとすると、多分、10種類以上を取ることになってしまいそうです。実際、皆、サプリを飲んでいるのでしょうか。個人的なことなので他人様に聞くこともありませんが、様々な会社が大きな広告をこぞって出していることを思えば、それだけの見返りがあるということなのでしょう。随分と前ですが、かつて自分もビタミンEとCの錠剤を服用していた時期がありました。しかし、Eの過剰摂取の弊害などの警告が出始めたり、Cなどの錠剤がかなり高価だったりして、止めてしまいました。その後の体調に格別の変化もありません。やはりいろいろな食材から栄養をまんべんなく取ることが、自然でベストなのでしょう。Cはせっせと蜜柑から。Eも豆などを好んで食べることでOKのようです。母も何種類かの栄養剤を飲んでいた時期があり、同居を期に殆ど止めてもらいましたが、体調がずいぶんと良くなったのです。持病であった胃のもたれも無くなりました。 

なるだけ食べないほうが良い食材も存在します。古い油で調理した揚げ物や、焦がした魚や肉は、確実に健康を損ないます。全般的に揚げ物は頻繁には食べないほうが無難です。でも時々は、とんかつも無性に食べたくなる?そう、時々なら全くOK。要は食べる頻度なのです。反対に毎日でも食べるべきなのは、豆類、野菜類、良質の蛋白源でしょうか。となると、和食は本当に理にかなった料理です。油を全く使わずとも、美味しい料理が作れます。サプリ会社には申し訳ないですが、なるだけ食材以外の異物なものは体に入れないほうが良い。そんな当たり前のことを気づかせてくれることが多くなりました。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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