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顧客満足の複雑さ 113 「実生活でのゆとり感とは」

顧客満足の複雑さ113「実生活でのゆとり感とは」飲食担当 間島 

間取りフェチとまではいかないが、一戸建てやマンションの間取りを見るのが好きだ。そこに住む自分を投影して、色々と想像をふくらませるのは結構楽しい。間取りの中で、つまらないなと思うのは、ハウスメーカー設計の元で建てられた殆ど同形式のものだ。普遍的ではあるが、そこに住むであろう人の、環境や個性が感じられず、したがって面白みは無い。特に水回りはワンパターンで、興味を引くスタイルのものは殆どない。一様にかなり狭く、機能的ではあるがゆとり感は少ない。ここに、生活環境に対する日本独特の価値観の名残りを見ることができる。表向きの、床の間などを備えた客間文化と、実生活裏ゾーンとの落差とでもいおうか。 

それに関連するが、ある共有制コンドミニアムの間取り広告が新聞誌上に掲載されていた。兵庫県のリゾート地に日本の企業が売り出したもので、管理会社による清掃サービスやルームサービスもついたホテル機能を備えているのが魅力らしい。しかし、その詳しい間取り図を見て驚いた。専有面積が55㎡の部屋から135㎡の部屋まですべてに、トイレ・洗面所・風呂の水回り施設が一か所しか無かったのだ。135㎡の部屋は2ベッドルームに2つの和室を備えており、リビングルームも大小2室あった。多分、マックス10名は泊まれるだろう。それで、トイレ・洗面所・風呂が一か所である。それより狭い部屋では言わずもがなである。これではとても、コンドミニアムとして、世界的には通用しない。この規模ではリビングルーム1室を削っても、トイレ・洗面所・風呂は最低二か所。さらに洗面台は広々としたダブルボールが常識だ。日本のコンドミニアムには、土地の狭さからくる合理性と片づけられない、実生活面での非ゆとり感がそこにあった。

ビジネスホテルの水回りの狭さは、まだ理解できる。一部屋を売る商売なので、出来るだけ部屋数を増やさなければ採算が取れないし、客も原則一泊程度のビジネス利用で価格的に見ても広い水回りは無理だろうとの諦めもある。しかし自宅や、癒しの空間を売るべきホテルやコンドミニアムは、より広くリッチ感のある水回りスペースが必要だ。日常の使用頻度が高い場所にこそ、ゆとりの空間確保が望ましい。以前、シティホテルのリニューアルで、新たに出現した6名宿泊可能ルームを見学させてもらった時、トイレが一か所しか用意されていなかったことにも驚いた。一方、かつて女性4名で宿泊した旅館で、トイレは一か所だったものの、洗面台がダブルボールで朝の支度時にとても便利だったことを思い出した。ひとえに提供側の理念に基づいた仕様といえる。しかし、まだまだ原点での生活面で、本当のゆとり感を重視するまでに至っていないのか、単に業者の儲け至上主義が先行しているのか分からないが、真の快適さへの道はまだ完成していないように思う。一方で、日本のサ-ビスエリアのトイレの充実度は群を抜いているし、代表的な巨大ショッピングモールのトイレも、広さと機能性では満点に近い。どちらもかなりの投資額が予想される。結局、要はどのポイントにお金をかけるのか、の結果が如実に表れているのだろう。

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【第153回】 食環境の現状(132)(野菜価格の変動)  

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食文化の豆知識153 食文化の現状132(野菜価格の変動) 

天候が安定するにつれ、やっと野菜類の価格も安定してきました。ただ今後も異常気象はやってきます。そのたびに、野菜・果物は信じられないような高価格にはねあがるのでしょう。毎年繰り返される現象です。もしくは安定し過ぎて豊作が続き、生産農家が低価格にあえぐ、といったこともあり得ます。どちらにしても、だれかが困るという構図は、何とかならないものかと、その度に思います。コメ価格がある程度、安定保証されるのに、野菜は天候次第で価格が乱高下して、生産者も消費者も不具合を感じるのです。つい最近まで一本が400円していた大根が今は150円。一本180円で売られていたキュウリは、今は30円ほどで店頭に並んでいます。まるで株相場の乱高下です。 

だから不思議に思うのです。どの政党も選挙公約に野菜価格の安定化を採用したことが無いことを。記憶の限りではありません。一般消費者にとって、特に家計を預かる主婦にとって、非常に感心がある野菜の価格に踏み込まないとは勿体ないと思うのですが、単に興味がないのか、無理だと諦めているのか。日常品の供給安定価格の維持は、まさに消費者が欲することでしょう。ただやはり天候次第なので、無理なことかもしれません。出荷量が極端に少なくなれば当然に、価格は跳ね上がるわけです。でもその跳ね上がった野菜はだれも買おうとはしません。知恵をめぐらして他のもので何とか代替する結果、その野菜は売れないままに劣化し回収されます。昨年の10月の長雨の影響を受けて正月明けの野菜類は信じられないほどの高値をつけました。そして覚悟?して購入した大根は、中がかさかさで、みずみずしさは完全に失われていました。多分、長い間売れないので、すでに劣化していたのでしょう。 

他国の事情は知りませんが、日本の天候は変動が多いから、野菜価格が安定しないのかもしれません。となると、水耕栽培やビルイン型の大規模栽培の導入が急がれます。葉類や根菜類も屋内型栽培は不可能ではないはずです。日本の技術をもってすれば出来ると思うので、大企業の参入や政府の公約に組み込まれることを期待したいものです。 

        5月15日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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【その144】某月某日 ” めまぐるしいわ。ほんとに・・ ”の巻き

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某月某日  “めまぐるしいわ。ほんとに”の巻き

一体、飲食店の平均寿命は何年なんだろって、思うことがあるわ。つい1年前に訪問して、そこそこ客も入っていて味もまあまあだったところが、ネットで閉店しているのを知って吃驚することが続いたのよね。キビシイ。現実に、飲食店で10年続いている店は10%程度らしい。3年で半数以上が撤退するって聞いたこともあるわ。素人が割と簡単に出店開業できるのが飲食店で、やはり事業計画が杜撰だったのでしょうかと、N子は分析するのでありますが、実のところ、なんでやねん、ってのが本音でございますわ。

都市の繁華街にある店が、一番大変みたいね。ビルの中に入って、高い家賃を払って、そのうえ競合店があちらこちらにあるんだもの。余程、料理か価格かに魅力が無ければ、お客さんは来てくれない。ほんま、よう出店するわって、その勇気に逆に尊敬してしまうわ。前に行った、ご存じ遊興街・北新地にある鶏料理専門店は、凝った料理の数々を出して、客単価7千円を維持しているんだけど、開業7年目だって聞いて、一同、“よう頑張らはったねえ”と感心することしきり。場所も路地を入った裏通りにあって、一見客はまず見込めないのに、平日でほぼ満席だったわ。リピート客が多いのと、紹介客が多いのだと思う。このあたりの店の盛衰は、まるで打ち上げ花火みたいに、現れては消え、また現れるスタイルで、そこで7年営業は結構すごい。かと思えば何十年も続いている店もわずかだけどあって、余程の努力を重ねてきたんだな、と思うわ。

他方、地元に根を下ろしている郊外店が意外に長寿ってことがあるのよね。地域住民が来てくれる店は強いわ。都市の遊興街は浮気者の客が多いので、キャッチしておくのは大変だけど、郊外型というか、田舎型は固定客の割合がとても高いから、大儲けはできないにしても、安定経営がしやすいのかな。とにもかくにも、一度出店したら、ガンバってよ。気に入りの店だったのに、あるとき急に閉店の看板を見たときのショックは大きい。ありゃあ、って声が出るわ。一番吃驚したのは、お気に入り店の閉店後の場所に、散髪店が出店したことね。なんで~~、の声が。次はどんな飲食店がオープンするのか楽しみにしていたのに。で、ますますお気に入りの店が少なくなっていく・・。

                2018年5月15日・・続く

 

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顧客満足の複雑さ 112 「増えすぎる祝日の功罪」

顧客満足の複雑さ112「増えすぎる祝日の功罪」  間島 

今年は正月三が日が終わって三日目には、成人式を含む三連休が来た。もともと1月15日だった成人式を第二月曜日に持ってきたのは、1998年に施行されたハッピーマンデー制度の導入による。海の日や敬老の日、体育の日もハッピーマンデー制度による月曜固定祝日で、三連休が実現する。また祝日が日曜日の場合は月曜日が振替休日となるので、その場合もめでたく三連休となる。祝日自体は年間で16日もあり、先進国では最多だ。祝日の名目が明確なものもあるが、海の日、山の日に至っては、祝う意味が分からない。年末年始に匹敵するボリュームを持つ5月の大型連休もあり、日本はまさに休日オンパレードといえる。 

要は、働き過ぎの国民を休ませてやろうという、優しい心遣いのなせる結果なのだろう。欧米のように個人が長いバカンスを取る風習がなかなかに根付かないゆえ、公的に祝日を作り、先進国としてはこのくらいで充分でしょう、の思惑が見て取れるが、効果面から見ると良い政策と喜んでばかりもおられない。休日でも休めない職種を除いて、ビジネスパーソンが皆、休みとなると、当然に観光地や商業施設は込み合うし、需要と供給のバランスによる価格操作が働くから休日対応高価格が出現する。病院側も不便だ。月曜日が休みとなると、他の日に患者が込み合って対応が大変だし、患者側も土日のあとの待ちに待った月曜日なのに、病院が開いていない憂き目にあう。病院は三日間も休むべきではない。 

休日をやけに増やした背景には、前述したようにひとりひとりが交代で長いバカンスを取るスタイル導入の放棄がある。このバカンス制度を素晴らしいの一言で賞賛する気はさらさら無いが、そこに個人の自由な選択という極めて大人的な意志が働くだけでも、導入価値があるように思う。誰でもが夏に休みたいわけではない。冬に長い休暇を取って雪山にこもりたい人もいるだろうし、秋に2~3週間も仕事を離れて自然と遊べるならそのほかは土日だけの休みで充分だという人がいても良い。だれもが休む土日祝日の込み合う施設や高い宿泊料をやむを得ないとして、それでも出かける人々を否定はしない。そのようなシステムになっているからだ。リタイア組の元気な高齢者群はその間、家で喧騒が過ぎさるのを待てばいいだけのことだ。 

何故個人の自由選択休暇制度を導入できないのかの理由を探るだけでも、見えてくるものがある。導入すれば企業はもとより経済が破たんするのか?残された人達の仕事が増えて困るからなのか?休日高価格日が減少する施設の経営が困るからなのか?みんなと一緒、で安心する国民性が理由なのか?長く休んでもすることが無いという人が多いからなのか?すべてが理由のように思えるし、他に重要な理由があるのかもしれない。ただ、2~3週間も家から離れてのんびりとできる一定の受け入れ場所が少ないのは確かだと思える。観光地にある宿泊施設は概ね一泊二食制で成り立っているし、小さい別荘も持っている人は少ない。会員制リゾートホテルにしても、宿泊可能期間は限られるし何より高い会員権を支払わねばならない。となると、長期個人休暇制度の導入は、新しい業種の出現とそれによる経済波及効果も見込まれるだろう。どこもが込み合う日は、日曜日だけで充分だ。

                     2018年4月1日       

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ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラン トピックス 2018年4月10日 

発信 間島 万梨子

  • 「ザ・シロヤマテラス 津山別邸」来春オープン
  • 株式会社ホテルニューアワジ(兵庫県洲本市)では、岡山県津山市に「ザ・シロヤマテラス 津山別邸」を、2019年春に開業します。地上9階地下一階建てで、客室は65室。ダイニングルーム、鉄板焼き、日本料理をはじめ、パーティールーム、会議室やカフェ、マルシェ、温浴・リラクゼーション施設などを揃え、津山城などの歴史・文化エリアにも近く、津山市の新たな魅力と情報発信の拠点を目指しています。

問い合わせは 0868-23-1111(津山国際ホテル)

 

「ブルガリ イル カフェ」新作イタリアン・スイーツを期間限定で発売

大阪の阪急うめだ本店5階にある「ブルガリ イル カフェ」では、ブルガリのエッセンスを凝縮した季節限定の新作イタリアン・スイーツを提供します。これらはブルガリ東京・大阪レストランのペストリーシェフを務めるファブリツィオ・フィオラーニ氏により考案された「ブルガリ イル カフェ」限定のドルチェです。

※〈バニラとラズベリーのタルト〉
   ラズベリーの酸味と甘いバニラのバランスが絶妙なタルト。
販売期間:2018年4月23日より7月末まで販売予定
価格:2,000円(税込)コーヒー等飲み物とのセット販売のみ

※〈コーヒーのビニェ〉
  カリッと焼き上げた生地の中に、香り高いコーヒークリームを詰めこみ、トップにビターチョコレートをあしらった1品。
販売期間:2018年4月23日より7月末まで販売予定
価格:2,000円(税込)コーヒー等飲み物とのセット販売のみ

※〈ラ・ドルチェ・ヴィータ ストロベリーと抹茶〉
濃厚なキャラメルソースの上に、ソテーしたストロベリー、抹茶のビスコット、フレッシュなストロベリーを敷き詰め、抹茶のエスプーマをたっぷりと注いだ、パフェスタイルのドルチェ。
販売期間:2018年3月30日より6月15日まで販売予定
価格:1,800円(税込) 単品
   2,500円(税込)コーヒー等飲み物とのセット

 問い合わせは 06-6313-1575
                           (ブルガリ イル・カフェ)                                           営業時間は阪急うめだ本店の営業時間に準じます

 

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【第152回】 食環境の現状(131)(無駄なゴミを出しているのは?)  

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食文化の豆知識152 食文化の現状131(無駄なゴミを出しているのは?) 

先般、初老の男性がテレビで言った一言が、印象に残りました。連れ合いに先立たれ、一人暮らしをされている方ですが“生活面で何が大変ですか”の問いかけに“ゴミを出すことだ”と即答されたのです。生活の過程で出る様々なゴミを仕分けし、指定日に出すことが、まず快適に生きていくうえで最も重要だと言われたのです。正確な言葉は“生きていくことはゴミを出すことです”でした。その男性の賢明さと率直さに感動するとともに、共感を覚えました。ゴミの処理は末端消費者が担っており、その作業は減ることは無く、益々嫌が上でも増えていくという現実を目にし、そもそもゴミが多すぎる原因は利用者だけの責任なのかと、疑問を持っていたからです。 

家の中の整理整頓は、ゴミを判別し処理することで、まずはOKとなります。物であふれている家に住んでいる光景を目にするとき、多くは食べ残しのプラスティックゴミやポリ袋に、空の瓶などが大半を占めているように思えます。生ごみはさすがに少なく、大体が包装関連のゴミです。何かの役に立つかと取っておいても、結局は何の役にも立たないまま、増えていくという構図です。使い捨てに慣れていない時代の人は、自分の親も含めて、色々なものを押し入れの中や台所の隅に、捨てるべきものを置きがちです。多分、昔は無かったものなのでしょう。思い起こせば昔の家庭では、生ごみでもとても量が少なかったような気がします。色々なものを再利用し、それでも出たゴミは庭に埋めて肥料代わりにしたり、燃やしたりしていました。そして、その後の大量消費時代の幕開けに伴って、大量のゴミが出はじめ、各自治体のごみ収集システムが起動し始めました。

先の男性の言葉に戻りますが、ゴミの処理に明け暮れる苦労を担うのは消費者という事実に疑問を持つと、いかに今、ゴミの元になるものが多すぎるかという現実が見えてきます。その大半は過剰な包装関連ゴミです。刺身を買えば、プラスティックのペラペラのバランもどきがついてくる。280円のシラスを買えば、豪華なプラスティック箱に入ってくる。殆どの肉や魚は立派なトレイに入れて売られています。そのトレイ類はスーパーで回収可能ですが、洗って、貯めて、持っていくのは消費者です。どれだけの人が実行しているでしょうか。過剰な包装は、先進国の証ではありません。世界で勝てるビジネスモデルにはなり得ないからです。過剰なもてなしやサービスも、労働生産性の向上に寄与しません。シンプル イズ ベストは、どの分野にもあてはまります。そろそろ、企業も消費者も、方向性の舵を変える必要があるのではないかと思います。

        4月14日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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【その143】某月某日 ” 素材も大切だけど、油もね・・ ”の巻き

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某月某日  “素材も大切だけど、油もね”の巻き

いつもはこれでも健康が気になるので、なるだけ野菜やヘルシーな料理を食べようと心がけているわ。でも時々、揚げ物が食べたくなるのよね。家でもフライや天ぷらを作ることもあるので、それほど揚げ物に飢えているわけでもないけれど、お店でプロの味をいただくとやはり美味しい。特に串揚げは、家ではなかなか材料を揃えられないので、外で楽しむことが多いのよね。でも串揚げ店って、値段の幅が大きい。ええ?って驚くほど大きいよ。二度漬けごめんスタイルの店だと、一人2千円くらいでOKらしいけど(ゴメン、行ったことない。一度は行きたい)、ちょっと洒落た店だと、一人7千円から1万円もするのよね。

値段の差は、素材の良さが決め手だと思うけど、何より油だと思うわ。店の雰囲気や何種類かの凝ったタレで高級感を出すのは勿論よね。客単価7千円で、二度漬けごめんって言われたら、怒る。ものすごく怒る。ま、そんな店は無いけどね。ただ、同じような価格帯の店でも、あとでお腹がもたれる店もあって、なんでかな?と不思議に思うこともあるわ。いくら食べても後味すっきりで、全然もたれない店もあるので、これはやはり油。それもいかに新鮮な油で揚げているかが、仕上がりにもろに出ると思う。配合は、ごま油とかなたね油とか、店の好みがあって当然だっけど、常に取り換えて、きれいな油で揚げさえすれば、串揚げって、かなりの量を食べても、もたれないものだとつくづく分かったわ。

これはまさに店の良心ね。かなり前に行った串揚げ店は、高級店の部類で、一人平均7千円くらいはかかるのに、最後の方になったら、もう要らないって感じだった。店に入った時、油の臭いがして嫌な予感がしたけど、その通りだったわ。多分、油が古いのだと思う。それに引き換え、ほぼ同じ価格帯で、もう何十年もやっている老舗串揚げ店は、いくら食べてもお腹が軽い!ご飯も美味しい。もし安い店で、いつも新鮮な油で揚げている店があるなら、それはすごいことだと思うわ。ホント、飲食店は、経営者の心というか、志というか、信念がモロに分かるのが、怖いところ。ハイ、気を付けましょうネ。

                2018年4月9日・・続く

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【第151回】 食環境の現状(130)(情報の真偽を見分ける)    

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食文化の豆知識151食文化の現状130(情報の真偽を見分ける) 

私事ですが、このほどiパッドを購入しました。携帯電話は別段不便を感じないので、相変わらずのガラケーですが、手軽に情報を得る手段としてiパッドは有効だと思ったからです。パソコンが二階にあるので、一階のリビングキッチンにいるときにちょっとした情報が欲しい際、いちいち二階に行って調べるのが面倒になったというわけです。遅まきながらの購入は、一応正解でした。分からない語彙や歴史や人物など、すぐに手軽にiパッドからグーグルで検索できるのが便利です。勿論スマートフォンでも同様の使い方は出来ますが、何より画面がでかいのが助かります。得た知識情報が頭に残るとは限りませんが。 

今のところ、もっとも使っているのが料理レシピです。キッチンで料理をしているときに材料を前にして、どんな料理方法があるのか、などを検索します。料理レシピのサイトはまさに百花繚乱ですが、取りあえず最初の画面に出てきたサイト2,3種を参考にします。何度も使ううちに気づいたのですが、一つの料理の作り方に大きな差異があるケースが結構多いのです。例えば、水から調理するか沸騰してからか、調味料は最初から入れるか最後の方で入れるか、小口切りにするか乱切りにするか,etc。たかが?料理のことなので他愛のない違いと言ってしまえばそうなのですが、ネット上でも新聞でも全く異なる情報が飛び交っていることの証のように感じてしまいました。 

結局、料理レシピサイトの情報による効果や、料理の出来栄えは自分の判断と責任に負うということです。これはすべてのジャンルにわたって、同様なのだと思います。揺るぎの無い事実は別として、簡単な料理レシピでさえかなりの差異があるのですから、外交や政局、また社会・経済問題などの情報は、量が多ければ多いほど、入手が簡単であれば簡単なほど、真偽が定かではないかもしれません。などと考えながら、まずはひとつのレシピ通りに調理してみることにしました。失敗してもたいしたことではありませんが、次にはこのサイトは参考にしないでしょう。

ことほどさように、ネット上でも既存メディアでも結構、いい加減な情報が流れるものです。その真偽を見極める眼力と思考を持つのは至難の技かもしれませんが、やはり情報は鵜呑みにしないで、まずは疑ってみて、咀嚼して、判断したいと思いました。 

         3月15日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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顧客満足の複雑さ 111 「民泊の行方」

顧客満足の複雑さ111「民泊の行方」  間島 

本年6月に、民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行されるが、それを大きなビジネスチャンスに結びつけようとする動きがある一方で、天下の悪法と捉える意見もあり、施行前からすでに、市場はざわめいている。この新法成立の理由は概ねはっきりとしている。インバウンドの増加にともなって不足が予測される宿泊施設の代替確保と、全国で増えつつある空き家・空き室の有効利用だろう。加えて、すでに横行しているヤミ民泊の規制目的もある。しかし、あくまで個人の住宅を観光客に貸し出してもらうのが、世界的に見ても民泊の本質であるはずが、結局のところ、不動産業界や賃貸住宅事業者とIT仲介業者が利点を得るのだろうし、住宅宿泊管理業者という新しいベンチャービジネスを生みだしたに過ぎない。それによる経済や雇用拡大効果もあろうが、いずれにしても、一般国民がこの新法によって恩恵を受け得るとは到底思えない。 

考えてみても分かる。現在住んでいる自宅に見知らぬ観光客を泊めたい人が多くいるとは思えないし、民泊向きの別荘やセカンドハウスや別宅を所有している人もごく少数派だろう。もっとも、相続したものの現在は住んでいない家屋を所有している人にとっては副収入を得る機会かもしれない。それとても立地によっては周辺住民とのトラブルを抱えるリスクを負う覚悟が要る。また、民泊新法を受けて、収入を確保するために新たに民泊対応可能な住宅を手に入れたとしても、宿泊上限が一年間で180日以下と決められているので、投資額のスムーズな回収が可能だろうか。余り良い儲け話ではない。だからこの新法は、ヤミ民泊に若干の歯止めをかける意味で多少は有効である、くらいにとらえていいのかもしれない。救いは、各自治体の裁量に、規制の部分をある程度まかせ得るという点だろう。

先日のテレビで、ベンチャー企業の住宅管理業者が、地方の農家の人達を集めて自宅での民泊を勧めるという番組があった。数名の中でひとりの中年女性が手を上げ、実際に欧米人の男性を民泊客として迎える、という内容だった。一人暮らしの、人の良さそうな女性の“楽しかった。これから、民泊を積極的に考えたい”の言葉で結ばれていた。あくまでカメラが入り、筋立てが出来た中での構成なので、今後の状態を担保するものではなかったが、どちらかと言えば性善説を是とする日本人の国民性の危うさを感じざるを得なかった。そしてこのほど、民泊利用のアパートで日本女性が殺害されたとのニュースが流れた。民泊していた米国籍男性が逮捕され、取り調べ中とのことだ。二人はSNSで知り合って、男の民泊先で会ったらしい。この事件が民泊に対する大きな警告でないことを祈るしかない。  

                     2018年3月1日                                                      

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【その142】某月某日 ”接客態度はいつも店の顔”・・の巻き

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某月某日  “接客態度はいつも店の顔”の巻き

飲食店は料理や飲み物を提供するところだけれど、それだけでは商売成り立ちません。見合った雰囲気と接客がついてきてこそ、いい店だ、ということになるのよね。お客さんに満足して帰っていただかなければ、まずはリピートは望めないし、リピートがなければ殆どの店は成り立たないわ。駅構内とか駅前立地以外はね。そういえば昔、ビッグな駅の改札口前の店で、ひどい定食を食べたことがあるわ。まずいの一言で済む分かりやすい店なんだけれど、客はそこそこ入ってたわ。皆、一見さんね。こんなひどい料理を出してもつぶれずに営業してるんだと、逆に立地のすごさに感動したことがあるわ。接客がどんなだったかは、あまりの料理のまずさに忘れちまったけれど、多分、接客なんてどうでもいいって感じの店だったと思う。今でもあるみたいよお。

大体、日本の飲食店は丁寧で親切な接客で、そこが外国人観光客にも好評らしい。日常に利用する店も、一生懸命な接客態度のところが殆どで、この国の良さを再認識しちゃう。ただ接客は、お客さんがいるときだけに必要な仕事ではないのよ、といいたいケースもあるのよね。お客さんが入店してからの一連の接客対応は、マニュアル通りにやれば、まずは間違いがないし、笑顔が加わっていれば、言うことなし!でオールOK。でも客待ちのときのフロアースタッフには、対応の差がもろに出てしまう。常に入り口に気を配り、ソフトな客引きで頑張る店もあるかと思えば、店内でスタッフ同士がおしゃべりに興じている店もあって、千差万別だわ。ここに店の実力が出るのだと思う。

スタッフの質は、忙しい時、暇なとき、どちらにも出てしまうってこと、経営者もしっかりと把握しておかなくちゃね。時折訪問していた蕎麦専門店に行かなくなったのは、オーダーを忘れられてそれを指摘したとき、ごまかしたのが理由。後からオーダーした客に先に料理を持ってくるのでスタッフに確認したら、あわてて厨房に再オーダーしているのが丸わかりなのに、もごもごと謝らずにごまかしたの。頭に気て、それから行って無い。で先日、その店の前を通ったら、昼時なのに半分ほどの客入り状態。レジ近辺でスタッフ二人がぺちゃくちゃおしゃべりに励んでたわ。やっぱりね、と思いましたよ。まずまず美味しい蕎麦なのに、忙しい時も暇な時もどちらもだめな接客がつぶしている店の典型ね。

                2018年3月11日・・・続く

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