【第106回】 食環境の現状(85)

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食文化の豆知識 106 [食文化の現状85]

 

やはりというか、当然というか、昨年秋から新聞をはじめとするメディアが大

騒ぎで連日取り上げた食材偽装事件は、今や関連記事を目にし、耳にすること

が極端に減少しました。誰一人として病気にもならず、ただ、だまされた、ケ

シカランの攻撃は早々と収束してしまいました。偽装のほとんどが企業側から

の報告に基づいていたのも、さらなる攻撃を免れた遠因かもしれません。そう、

正直に?申告したのを受けて大騒ぎになったのですから。逆に、この事件は日

本人の正直さが皮肉にも発端となったと言えば、また攻撃されるでしょうか。

 

とはいっても、一連の食材偽装は、日常にどこでも起こり得る問題なのだということを、

消費者が認識できたのは重要なことです。自由経済社会においては

モノを売ることでお金が回り、市場が活性化し、景気を刺激し、企業が儲かり、

給料が上がり、よりモノが売れるという循環がうまく機能するのが理想です。

すべての景気の礎はモノが売れることなのです。だから、どの企業も総力を挙

げて自社のモノを売ろうと努力するのであって、その方法が法に触れると犯罪

になりますが、ぎりぎりOKというケースも数多くみられます。誇大広告、も

どき商品、内容のごまかしのみならず、劣悪商品としか言えないモノが堂々と

売られています。しかし、それらの中に輝く逸品を見つけることもあるのです

 

先日、うす口醤油を購入する際、いつも買っている商品が品切れなのか見当た

りませんでした。一応、特選醤油で余分な添加物も入っておらず、気に入って

いるものです。やむなく、棚に超特選の文字が記されたうす口醤油があったの

で、それを購入しました。価格は確か、1,3倍ほどで、それほど値嵩感はあ

りません。ひと月は保つので、考えれば安いものです。ヒガシマルの超特選う

す口醤油です。これは素晴らしい味と香りを持っていました。ほんの少しで、

料理の味に締りが出るのです。まさに日本の醤油でした。いつもより大切に使

うので、損はしないでしょう。

 

探せば、なかなかに良品も多いものです。飲食店もそうかもしれません。そう

いう良心的なモノは、消費者の支持だけが頼りです。キョロキョロとして、そ

んなモノをみつけるのも楽しいかしれません。

 

        平成26年5月5日  間島万梨子 食生活アドバイザー

 

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