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顧客満足の複雑さ 177(自然災害は地球から無くならない)

   顧客満足の複雑さ177「自然災害は地球から無くならない」 

今年の夏は、洪水や山火事の被害が世界各地から報告されている。今年の夏も、と言い変えるべきかもしれない。それほどに毎年、世界のどこかしこで災害被害が起こっているのだ。それらすべてを人間による環境破壊のなせる災いと決め付ける人は、さすがに多くは無いと思うが、地球温暖化をはじめとして、自然災害を人間のせいにしたがる層は、ますます増えそうで、いささか食傷気味でもある。自然は厳しいもので、人間は何ひとつコントロールなどできないものなのだ、という当たり前の認識に立てば、いかに被害を少なくするかの知恵がもっとも必要なのだ、という結論にたどりつく。同じ災害でも、国によって被害状況が異なるのは、備え・民度・国力・防護力等の差にほかならない。まずはせめて、それらの平均値をあげる努力が世界レベルで望まれよう。

 今夏に限っても、中国の洪水、カナダの山火事、ハワイの山火事、フランスの熱波、などなど、毎日のように自然の猛威にさらされる事象が発生している。多くは先進国、と呼ばれる国々からの情報であって、後進国、たとえばアフリカや中南米の自然被害はあまり表には出てこない。情報網が完備していないだけで、多分、多くの災害が人民を苦しめているものと思われる。一方、内乱などの人的被害の多さは、ヨーロッパに押し寄せる難民の増加が如実に現実のすさまじさを表している。他国の内乱は簡単には関与できるものではなく、その国の成熟度如何によるだろうから、これもまたなかなかに解決できるものでもない。そうなのだ、人間ができることは高が知れている。とすれば、今、盛んに、そして声高に叫ばれる“CO2を削減しろコール”は、一向に胸に響いてこないのだが。 

真に必要なのはより謙虚に、自然災害被害を少しでも減少する対策を世界レベルでたてることだ。地球は何も困らない。困るのはいつでもどこでも起こる自然災害に見舞われる人間なのだ。そして、ずっと昔から自然災害で多くの人が被害を受けてきた。その時の知恵を生かさなくてはならない。フランスなども夏の熱波は十数年前にも発生し、高齢者を始めとして多くの死者を出した。そして今夏も危機的な状態らしい。もともと涼しい風土なので、自宅にエアコンがある人は少ないのが被害を多くしているが、十数年前から学んでいないように思える。各家でのエアコン設置が難しいのであれば、エリアごとのエアコン設置施設を義務づけて、臨時避難場所にするしかない。同じ状態で、同じ被害を出す、のは残念なことだ。言うは易し、行うは難し、なのだろうか。災害大国?日本でも、その都度の被害は出るが、懸命の対応策はとっていると思う。自然災害を人為災害にしないための国力増強は、もろてをあげて歓迎したい。そして、治水や耐震性補強、物資補給、避難場所の確保等々、まだまだ世界は未熟なのだという認識を共有することが望まれる。台風ひとつとっても、その向きを変えたり、消滅させたりできないのだ。地球に優しく、地球を守ろう、のスローガンを言い募るより、なすべきことは多くある。        2023年9月1日 間島

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食文化の豆知識196 食文化の現状175 (時間制の是非)

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食文化の豆知識196 食文化の現状175(時間制の是非) 

まだ、人があつまる中では、マスク姿が多く見られますが、街も徐々にコロナ以前の状態に戻りつつあるようです。場所によってはコロナ前よりにぎわっているところもあって、まずは歓迎すべきなのでしょう。なにより、外国人観光客が急激に増えました。そして彼らのマスク姿は一切見かけません。その自然な解放感は、むしろ日本人に今なお強く残るコロナ警戒感が異常に見えるほどです。でもこればかりは国民性というか、当然というか、それほどにコロナが我が国に衝撃をもたらしたということでしょう。するもしないも自由。これは良いことです。 

街の飲食店もにぎわいが戻ってきました。繁華街の週末などは満席状態の店が多く見られるようになりました。ここでもスタッフはマスク着用ですが、客は食べるとき以外でもノーマスクで楽しんでいます。ただ、にぎわいが戻ると急に強気に?転換する店もあって、二時間制を強いられることがあるのには、少し違和感を覚えます。その実施方法がいかにも稚拙だと、余計に傲慢さを感じてしまう。心配しなくても、二時間あれば食事は終了するもので、利用者側がそれ以上の時間を必要とする場合は、特別な店を選ぶでしょう。なので二時間で出ていってもらいたいのであれば、高度なテクニックで、客に機嫌よく終了してもらう手はあるのです。コロナ後、ようやく知人があつまっての会食もあるでしょう。そこをドリンク最後のオーダーだとか、最後の注文だとかを、店側が決めてはいけません。食べ放題の店なら時間制も抵抗なく受け入れられます。当然のことでしょうが、飲食店の目的は、食事提供だけではないのです。満足して帰っていただくことが、第一義です。 

先進国の中で、普通の店で二時間制を取っているレストランがあるのは、日本だけのように思えます。まだまだ、真の人間性が未熟なのかもしれません。おもてなし、などと、誇っても、客を機械のようにとらえる、効率一本やりの店も多くあるのです。客が店を選べばいいだけのことですが。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その194】某月某日「店長はどこ?・・」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 194

           “店長はどこ?”の巻き

暑い、あつい、あじいい、あっつう。なんでこんなに暑いの?もう何する気にもなれんわ。つけっぱなしのエアコン生活が、いつから続いてるんざんしょ。一歩外に出れば、あたまクラクラ、めまいふらふらで、脳は一時停止。今さらって?はい、夏に限った症状ではございませんが、それにしても今年の夏は、ベラボーですわ。と、ここで台風襲来。目がパチッとさめました。住まい近辺は直撃に近かったにもかかわらず風雨はたいしたことなかったけれど、進路から離れているのに大雨に襲われた地域もあって、大変だったみたいね。早く普通の生活が戻りますように。

ともかく台風一過で、用事もかねて近辺の施設に行ったんだけど、人が多いのなんのって。そうなんだ、皆、お盆休み中なんだね。ランチを取ろうと思っても、どの店もウエイティングがかかって、昼食難民に。で、そば店の外にあったウエイティング申し込み機にインプット。今は何でも機械なのね。順番が近づいたら携帯で呼び出してもらえるシステムもあって、これは便利と早速申し込んだのはいいけれど、5分も経たぬ間に“順番が近づきました”の音声メールが。早!。あわてて店に戻ったのはいいけれど、店内に呼ばれたのはそれから結局25分後!そんなんあり?何のための配慮なの?ほんと、かなり怒るよ。最近は大人になって、怒らんかったけど、わけわからん。

で、やっと店に入ったら、中は空席が目立ってたわ。50席ほどの規模なんだけど、三分の一は空席だった。これって絶対的に人手が足りないということ?と見ていると、フロアに4人のスタッフがウロウロして、なんとも効率の悪い動き。中でもどっしりとしたおばちゃんスタッフは、声は大きいけど、動きは緩慢で、店を行ったりきたりで、何してるかわからん動き。こりゃダメだと思ったわ。フロアを仕切る店長らしき人物は見当たらない。せっかくの客をみすみす逃すことに。申し込み機にインプットしても、ほかの店に流れたらしく,わたしが入店したあと、3組は呼んでも行方不明。そりゃそうだ。店のドアはピタッとしまって、ただ機械だけが置いてあるのって、不親切極まりない。そんな店、見たことないわ。どこでも店長らしき人が外でうまく対応して、客を逃がさず、随時スムーズに案内するのが当たり前。その店は、味はまずまずなので、多分これからもたまには訪問すると思うけど、少なくとも、お盆休みと正月休みにはいかん、と固く誓ったわん。そんなことで軽々しく誓いなどたてるな、って?ほんまだね。早く優秀な店長雇いなさい。

・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 176(メディアという甘く優しい互助会)

顧客満足の複雑さ176「メディアという甘く優しい互助会」 

外国に日常生活の拠点を置く芸能人が少なからずいる。住まいは主に欧米の先進国だが、時々、日本に帰って仕事をするか、現地にいるときは映像でのレポート発信の仕事をするかで収入を得て悠々自適の生活ぶりが伺える。わずらわしい人間関係に悩まされることなく自由を謳歌しているようにみえる。しかしながら、わずかな例外を除けば、数年を経て日本に戻り、すでに第一線とはいかないまでも、メディアでの露出や仕事の復帰でその後の生活を成り立たせているケースは実に多い。住んでいた国でその才能が注目され、仕事が舞い込み、大物になった、という話は聞いたことが無い。一方、外国人が日本に来て、そのキャラクターや能力が認められ、芸能界やマスメディアの一隅で十分な地位を築き、日本に定住したケースは結構みかける。彼らは時々は母国に戻り、親族との交流を暖め、一時の自由を味わうものの、結局は仕事場としての日本に戻ってくる。先の日本人のケースとは逆だ。

何か大きなネットワーク、例えば巨大な互助会が存在するのではないか、と思うほどに、日本の芸能を含むメディア業界は仲間うちでは甘く、優しい。世界に通用する芸能人や評論家は俳優、歌手を含めてほとんどいないにもかかわらず、だ。世界のクロサワ、世界のミフネがいた時代は確かにあった。今はいない。日本のビートルズ、日本のマイケルジャクソンが、出てきたためしはない。

一方、世界が認める真の実力者、たとえばトップアスリートの存在は日本人として本当に誇らしい。ただかれらはメディアに媚びる必要がないがゆえに、自らの露出は少ないのが残念だ。実力では負けないアニメーション界も同様で彼らもテレビなどのメディアを必要とはしない。デザインやファッションなどの、いわゆるアーティストと呼ばれる人たちも世界で活躍している。彼らも日本のテレビを必要とはしない。物理生理化学界はノーベル賞受賞者を輩出しているが、テレビとは無関係なところで研究を続けている。

どれだけ政府の悪口を言っても、時の為政者を罵っても、罪に問われる心配のない日本から出ていく人は少ない。学術・医療関係や企業間での移住は安定して存在するだろうが、国自体を見捨ててでも逃げ出したいという人は極小だ。先のメディアではないが、日本全体がやはり甘くて優しいのだ。この国をリードしていくのは、大変であるのは間違いがなさそうだ。

                     2023年8月1日 間島

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食文化の豆知識195 食文化の現状174 (野菜摂取量推奨?)

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食文化の豆知識195 食文化の現状174(野菜摂取量推奨?) 

2000年度に厚生労働省が推奨した、国民一人当たり野菜摂取量350gはその後、一度もクリアしたことがありません。年度別集計結果に大きな変動は無く、おおよそ70gの不足状態が続いています。良くも悪くも、安定?して不足してます。そして最新版では、野菜摂取量350g推奨に加えて、果物摂取量200gが加えられました。言うのはただ、無理な目標を掲げたものだと感心しきりです。野菜に関しては、20~40才代が男女問わず、最も摂取量が少なく、果物も連動して少ない。60才前後が最も野菜摂取量が多くなっていますが、それでも350gはクリアしていません。野菜摂取量350gは、国が、生活習慣病などを予防して健康な生活を維持するための目標値として提示されたものです。世界ランキングでは、アメリカや中国、スペイン、イタリア、フランス、などに大きく差をつけられています。そもそも、この目標は世界保健機関(WHO)の推奨によるものなのでしょうか。世界ランキングなるものがあるということは、世界基準とみて差し支えなさそうですが。 

食事の摂取量の目標を世界基準で決めること自体、無理があるような気もします。なぜなら、体重40キロの人と、80キロの人が同じ量を食べるわけがない。また食べ方も異なります。食事種のバラエティ度も異なります。 大皿1品~2品の煮込み料理が食卓を飾る国では、野菜を大量投入した料理が並びます。体重が80キロ以上の人は、やはり野菜の摂取量も連動して多くなりがちでしょう。そして何より、価格も摂取量を左右する要因です。やはり、日本は野菜価格が高い。そして、日本人には超肥満体は少ない。加えて、数を揃える料理が主流です。なので、いつまでたっても、目標350gをクリアすることは難しいでしょう。それでも日本人は他国と比べれば、総じて身も軽く、不健康なほどに太っている人は少ない。そして最たる長寿国です。厚労省も日本バージョン、日本独自の目標を掲げたほうが良いのでは?などと思ってしまいます。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その193】某月某日「もう、いいじゃないの・・」の巻き 投稿日: 2023年6月11日 作成者: pc-network

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OL N子の勝手リサーチ 193

     “もう、いいじゃないの”の巻き

久々に都会に出ると、人の多さにおじけづいてしまうほどに、人が多い。自分もそのうちの一人じゃんか、って?他の人からみれば、そうだよね。はい、立派に雑踏の一員ですわ。ま、三連休日前の金曜日という特別タイムだから、当然なのかも。予約の上、食事会で訪問した店も、本日は予約客で満席です、との看板が。ほんとに街ににぎわいが戻ってる、って感じるわ。外国人もすごく多い。めちゃくちゃ多い。って、今の日本は暑くないですか?って聞きたいけど、関係なく皆、元気ではつらつとして楽しそう。もうこうなったら、有識者がコロナ第9波に入ったかも、などとオドしても、だれも聞く耳持ちません。はい、皆、もう飽きたのです。勿論、ワクチンは続けてきちんと打って、それなりにマスクも付けて、手も消毒してるけれど、もう、おびえることに飽きた。これ以上、何もできません。家にこもってばかりもおられません。こんな報道は、日本だけだと思う。だって日本にくる外国観光客は、誰一人、マスクは付けておられません。多分、母国でもそうなんでしょ。日本みたいに、1病院ごとのコロナ患者が1,2倍になると、第9波だ!と騒ぐ国は、見当たらないわ。ま、沖縄はちと心配みたいだけど。乗り切ってくだしゃいませ。

テレビで、久しぶりに、コロナ関連の有識者のお方をまたまたお見掛けしましたけど、もう出るなよ、と言いたい。9波がどうのこうのとオドシてたけど、たとえ、オファーがあっても、もう出ません、ときっぱりとお断わりなさったほうがよろしいかも。疫病神としか見えんもの。もう彼らにできることは無いし、実際に重症化率は減っているし、まだまだマスクは付けている人多いし。はい、本日はいつもの優しい上品なN子が、ガラの悪いイノシシになっております。全く、日本のメディアは不幸が好きで、悲観主義者が多い割に、肝心な視点は抜け落ちてるな、と、あらためて納得した次第ざんすわ。            ・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 175(宿泊施設の役割の広がり)

       顧客満足の複雑さ175「宿泊施設の役割の広がり」 

以前にも書いたと思うが、実際に住まいとして機能している住宅インテリアの本を観るのが好きだ。何よりの良き気分転換になる。それも間取り紹介があるのが望ましい。それぞれの施工会社が自社の建築例を、オーナーへの何らかの見返り条件を加味することで掲載しているのだと思うが、今のトレンドが見えてきて興味深い。リビングもキッチンも一様にモノトーン色でまとめられ、水回りもすっきりとしている。本の傾向にもよるが、敷地面積200平米以上、建坪120平米以上の住宅を掲載しているものが多い。日本では十分な広さの住宅といえるだろう。ただそれらの間取りを見て違和感を感じるのは、いわゆるゲストルームが無い住宅が主流を占めているということだ。長野県の800平米の土地に大きな住まいを構えるA宅にも、東京郊外の建坪180平米もあるB宅にも、広いリビングルームや夫婦のベッドルーム、子供部屋はあるものの、和室を含むゲストルームが無かった。親族や友人が泊まることを想定していないのだろうか。そこに徹底した個人主義を感じた。そんな中、和室やゲストルームが用意されている希少な間取りを見ると、ほっとしてなんだか、うれしくなる。そこには,精神的なゆとりと愛が感じられるから、というのはセンチメンタリズムすぎるだろうか。 

アメリカなどの豪邸は何室のゲスト用ベッドルームがあるかが、豪邸たる証明となる。それらが埋まったときのにぎわいを想像すると楽しい。世界のどの国でも多分、住宅の大小にかかわらず、ゲストが気楽に泊まっていく部屋は用意されている。狭ければ雑魚寝でもOKで、主人側も客人もどちらも気にしない、という風景が浮かんでくる。昔の日本家屋にも、客人が遠慮なく泊まれる二間続きの和室がある家が多かったものだが、今のトレンドはいかに個々人が快適に住めるか、に重点が置かれ、そこに他者を受け入れるスペースは無い。それが当然なのだといわれれば、そうなのだろう。たとえ親しい知人でも、人を泊めるとなると神経を使う、という人は多い。親族や知人友人と寝食を共にして楽しみたいときには、旅館やホテルを利用するのが、お互いのストレスが少なくてすむ、という声を聞いたことがある。なるほど である。今後も宿泊施設の役割のひとつとなり得るだろう。場の提供とともに、食の提供という観点から見れば、役割はさらに増えてくる。知人の長男は2型糖尿病で、日常の食事療法に気を使った生活をされている。家族も持っておられ、奥方の努力は大変なものらしい。外食や旅行時の食事も、ただ楽しむというわけにもいかない。こういうケースも、施設側に糖尿病用の食事が用意されているとうれしいだろうに、と思う。他の人と同じく、美しい見映えの数々の料理を安心して楽しめる幸福によって、当人のストレスは多分、大きく軽減される。勿論、そこには専門家のアドバイスは必要だが、これも宿泊施設の役割のひとつになってほしい。 

     2023年7月1日  間島

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食文化の豆知識194 食文化の現状173 (シンプル イズ ベスト)

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食文化の豆知識194 食文化の現状173(シンプル イズ ベスト)

日本は、例えば国民皆保険や医療制度、年金制度、加えてインフラなど、完ぺきではないものの、世界的に見てもまずまずのシステムを構築した国だと思います。これは国民気質という土台が、長年にわたって国造りを支えてきた証でしょう。いささか、何事も複雑化してしまうという弱点もありますので、よりシンプルで合理的な要素が加われば、世界のモデル国たり得るはずですが、そのスピードは極めて遅い。様々な手続きで各役所にはお世話になりましたが、何という無駄な流れ、何という煩雑な手続きと、うんざりすることが多かったことが思い出されます。ただ徐々にではありますが、簡素化へと向かっているようです。マイナンバーカードにしても、数年は身分証明カードとしてのみの機能を与え、(それでも、便利で有り難い存在です)、特典も付与し、8割以上に浸透して後に、様々な機能を付加すればよいのです。あせりすぎた結果が、トラブルを誘発したのかもしれません。

で、全く身近な例なのですが、野菜はいつからプラスティック袋に入れられて販売されだしたのでしょうか。大体が袋に何個か入った状態で並んでいます。それ以外は、一個幾ら、という販売方法です。農協指導によるものでしょうか。規格サイズを満たした野菜や果物だけが、売られている。一見、便利なようですが、ちっとも便利ではありません。まずゴミが出る。様々な大きさをチョイスできない。そして何より、一個幾ら、なら大きいものを選ぼうとする心理が働いてしまうものです。結果として無駄な動きをしている人を多く見かけます。なぜ、重さ売りをしないのでしょうか。そうすれば、小さいものは安く、大きいものは高くなります。何と公平ですっきりとした売り方でしょうか。外国ではほとんどが、重さ売りです。レジもそれほど仕事が増えるわけでもありません。あらかじめ重さ価格をインプットしておけば、自動的に価格を知らせてくれる。ハワイの大手スーパーもその売り方で、とてもスムーズでした。何より、自己責任に基づく買い物ができて、文句の言いようがありません。そう、シンプル イズ ベストは、古今東西、変わらぬ価値感です。何事も複雑化しようという動きは、様々な既得権益を呼び、消費者、ひいては国民の能力を抑え込んでしまうのでは、と感じるのは、考えすぎでしょうか? 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その192】某月某日「どこもかしこも値上げラッシュ・・」の巻き

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     “どこもかしこも値上げラッシュ”の巻き

なんだか、このところ土日になると、雨が降っているような。ま、梅雨だからいつでもどこでも、雨は降っているので、土日に限らないんだけれど、観光地は影響受けるよね。海外観光客も、この時期は避ける人が多いのかな。ま、梅雨といってもいつかは明けるだろうから、風情を楽しむほかは無いみたいね。ほら言うじゃない、水も滴る何とやら、ってね。生乾きの洗濯物かって?あたり!

気を取り直して、こんな時期だから、美味しいもの食べたいよね。でもどこもかしこも値上げラッシュでびっくりポンよ。光熱費や原材料費の高騰が原因なんだろうけれど、ある日突然、値上げされてると、なんだかなぁ、って感じよ。その点、大手チェーン店などは、かなり前から“誠に申し訳ありませんが、あれこれこれこれの理由により、○月○日よりちびっと値上げさせていただきます。許してちょんまげ“などと、告知があるので、ま、このご時世、仕方なかんべや(どこ出身?)と諦めもつくけど、個人店の場合、何の告知も無く、値上がっているケースがほとんどなのよね。大体が10%アップ。中には20%以上も値上がっていて、のけぞりたくなるわ。これってさ、もしも、もしもだよ。いろいろな事情で、光熱費とか原材料費が値下げされたときには、メニュー価格も値下げしてくれんの?って、聞きたい。多分、一回値上がった価格は下がらないよね。なんだか、確信めいて、そう思う。

ずっと長きにわたり、物の値段は安定していたので、ここにきて驚いている人も多いと思う。もうこうなったら、自宅で野菜をべランダ栽培して、鶏飼って卵ゲットして、生け簀作って鯛やヒラメを泳がし、ついでに豚と牛も飼うしかないよね。飼えません。メダカくらいは飼えるかも。でも、食べれるの?どうやって?だれか教えて。

・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 174(食と経済の関連)

         顧客満足の複雑さ174「食と経済の関連」  

最近、新聞や雑誌などで食の安全や食が健康に及ぼす影響に関する記事はよく目にするが、予想内に収まる内容のものが多い。良く言えば再認識、悪く言えば二番煎じというところか。ただ、異なる観点から積み上げた異なった内容を組み合わせると、新たな世界観が見えてくるのが面白い。例えば食品添加物を取り上げた記事では、それらが体に及ぼす影響に警鐘をならしている。ただそれら食品添加物は厚労省認可のもとに使用されており、直接体に害を及ぼしたという事実事例は聞かない。警鐘は憶測の域を出ないが、自身を振り返れば、なるだけ添加物の少ない食品を選んではいる。保存性や見た目、また味覚向上性での添加物の持つ役割は認めてはいるものの、素材そのものを味わいたいという欲がある。また添加物の体に及ぼす影響はどこかで現れるのではないか、という危惧感も少なからずある。悩ましいのは、添加物が少なければ少ないほど、価格が高い、ということだ。 

ここに3種の食品がある。A社の人気食パンの原材料をみると、小麦粉・糖類・マーガリン・バター・パン酵母・食塩・発酵種・脱脂粉乳・植物油脂・乳化剤・イーストフード・VCが記載されている。一方、B社食パンの原材料は、小麦粉・砂糖・バター入りマーガリン・パン酵母・食塩・米粉・醸造酢となっている。大手スーパーでは上記A社食パンは4枚切148円、B社は188円で販売されている。常時の価格だ。大きな違いは乳化剤とイーストフードが入っているか否かだろう。そして入っていないほうが高い。だしの素では、A社の原材料は、食塩・ブドウ糖・風味原料・たん白加水分解物・アミノ酸等となっている。B社は風味原料・でん粉分解物・酵母エキス粉末・麦芽糖が記載されている。風味原料というのは、かつお節粉末や昆布粉末などを差し、両社とも内容はほぼ似ている。大きな違いは食塩とアミノ酸が加味されているかどうかで、加味されているほうが4割がた安い価格で売られている。かまぼこA社の原材料は魚肉・みりん・砂糖・食塩・卵白・でんぷん・アミノ酸等調味料・保存料・着色料(赤色106号・カロチノイド)。一方B社のそれは魚肉・砂糖・みりん・卵白・食塩・昆布だし・酒かすで、価格はA社のかまぼこは、B社の半値以下だ。どの食品でも、食品添加物が多ければ多いほど価格は安い。どちらを選ぶかは消費者の自由ではあるが、価格の安さは大きな魅力であるのは確かだろう。販売数がそれを裏付けるかもしれない。 

全国市区町村の男女平均寿命に関する記事をみつけた。男女共、全国一は川崎市麻生区で、男性84.0才、女性89.2才だという。この地はいわゆる住宅地で、公園などの緑地も多く、散歩やジョギングを楽しむには絶好のエリアらしい。生活水準も高い。ちなみにワーストワンは大阪市西成区で、平均寿命は男性73,2才、女性84,9才だ。男性は10才以上の差がある。以前のドヤ街と呼ばれた時代と比べ整備されたと聞いていたが、この結果は胸をえぐる。喫煙率は高く、検診率は低い。そして食生活の差も寿命差の結果の一由をになっているのだろう。食は経済によって大きな違いが出る。贅沢な食品が違いを左右するのではなく、意識の問題にかかわる、ということだ。ただ、この価格高騰のときには“食費をまずは削る“の声を最近よく目にし、耳にする。心が重くなるが反論はできない。  

     2023年6月1日  間島

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