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【その194】某月某日「店長はどこ?・・」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 194

           “店長はどこ?”の巻き

暑い、あつい、あじいい、あっつう。なんでこんなに暑いの?もう何する気にもなれんわ。つけっぱなしのエアコン生活が、いつから続いてるんざんしょ。一歩外に出れば、あたまクラクラ、めまいふらふらで、脳は一時停止。今さらって?はい、夏に限った症状ではございませんが、それにしても今年の夏は、ベラボーですわ。と、ここで台風襲来。目がパチッとさめました。住まい近辺は直撃に近かったにもかかわらず風雨はたいしたことなかったけれど、進路から離れているのに大雨に襲われた地域もあって、大変だったみたいね。早く普通の生活が戻りますように。

ともかく台風一過で、用事もかねて近辺の施設に行ったんだけど、人が多いのなんのって。そうなんだ、皆、お盆休み中なんだね。ランチを取ろうと思っても、どの店もウエイティングがかかって、昼食難民に。で、そば店の外にあったウエイティング申し込み機にインプット。今は何でも機械なのね。順番が近づいたら携帯で呼び出してもらえるシステムもあって、これは便利と早速申し込んだのはいいけれど、5分も経たぬ間に“順番が近づきました”の音声メールが。早!。あわてて店に戻ったのはいいけれど、店内に呼ばれたのはそれから結局25分後!そんなんあり?何のための配慮なの?ほんと、かなり怒るよ。最近は大人になって、怒らんかったけど、わけわからん。

で、やっと店に入ったら、中は空席が目立ってたわ。50席ほどの規模なんだけど、三分の一は空席だった。これって絶対的に人手が足りないということ?と見ていると、フロアに4人のスタッフがウロウロして、なんとも効率の悪い動き。中でもどっしりとしたおばちゃんスタッフは、声は大きいけど、動きは緩慢で、店を行ったりきたりで、何してるかわからん動き。こりゃダメだと思ったわ。フロアを仕切る店長らしき人物は見当たらない。せっかくの客をみすみす逃すことに。申し込み機にインプットしても、ほかの店に流れたらしく,わたしが入店したあと、3組は呼んでも行方不明。そりゃそうだ。店のドアはピタッとしまって、ただ機械だけが置いてあるのって、不親切極まりない。そんな店、見たことないわ。どこでも店長らしき人が外でうまく対応して、客を逃がさず、随時スムーズに案内するのが当たり前。その店は、味はまずまずなので、多分これからもたまには訪問すると思うけど、少なくとも、お盆休みと正月休みにはいかん、と固く誓ったわん。そんなことで軽々しく誓いなどたてるな、って?ほんまだね。早く優秀な店長雇いなさい。

・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 176(メディアという甘く優しい互助会)

顧客満足の複雑さ176「メディアという甘く優しい互助会」 

外国に日常生活の拠点を置く芸能人が少なからずいる。住まいは主に欧米の先進国だが、時々、日本に帰って仕事をするか、現地にいるときは映像でのレポート発信の仕事をするかで収入を得て悠々自適の生活ぶりが伺える。わずらわしい人間関係に悩まされることなく自由を謳歌しているようにみえる。しかしながら、わずかな例外を除けば、数年を経て日本に戻り、すでに第一線とはいかないまでも、メディアでの露出や仕事の復帰でその後の生活を成り立たせているケースは実に多い。住んでいた国でその才能が注目され、仕事が舞い込み、大物になった、という話は聞いたことが無い。一方、外国人が日本に来て、そのキャラクターや能力が認められ、芸能界やマスメディアの一隅で十分な地位を築き、日本に定住したケースは結構みかける。彼らは時々は母国に戻り、親族との交流を暖め、一時の自由を味わうものの、結局は仕事場としての日本に戻ってくる。先の日本人のケースとは逆だ。

何か大きなネットワーク、例えば巨大な互助会が存在するのではないか、と思うほどに、日本の芸能を含むメディア業界は仲間うちでは甘く、優しい。世界に通用する芸能人や評論家は俳優、歌手を含めてほとんどいないにもかかわらず、だ。世界のクロサワ、世界のミフネがいた時代は確かにあった。今はいない。日本のビートルズ、日本のマイケルジャクソンが、出てきたためしはない。

一方、世界が認める真の実力者、たとえばトップアスリートの存在は日本人として本当に誇らしい。ただかれらはメディアに媚びる必要がないがゆえに、自らの露出は少ないのが残念だ。実力では負けないアニメーション界も同様で彼らもテレビなどのメディアを必要とはしない。デザインやファッションなどの、いわゆるアーティストと呼ばれる人たちも世界で活躍している。彼らも日本のテレビを必要とはしない。物理生理化学界はノーベル賞受賞者を輩出しているが、テレビとは無関係なところで研究を続けている。

どれだけ政府の悪口を言っても、時の為政者を罵っても、罪に問われる心配のない日本から出ていく人は少ない。学術・医療関係や企業間での移住は安定して存在するだろうが、国自体を見捨ててでも逃げ出したいという人は極小だ。先のメディアではないが、日本全体がやはり甘くて優しいのだ。この国をリードしていくのは、大変であるのは間違いがなさそうだ。

                     2023年8月1日 間島

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食文化の豆知識195 食文化の現状174 (野菜摂取量推奨?)

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食文化の豆知識195 食文化の現状174(野菜摂取量推奨?) 

2000年度に厚生労働省が推奨した、国民一人当たり野菜摂取量350gはその後、一度もクリアしたことがありません。年度別集計結果に大きな変動は無く、おおよそ70gの不足状態が続いています。良くも悪くも、安定?して不足してます。そして最新版では、野菜摂取量350g推奨に加えて、果物摂取量200gが加えられました。言うのはただ、無理な目標を掲げたものだと感心しきりです。野菜に関しては、20~40才代が男女問わず、最も摂取量が少なく、果物も連動して少ない。60才前後が最も野菜摂取量が多くなっていますが、それでも350gはクリアしていません。野菜摂取量350gは、国が、生活習慣病などを予防して健康な生活を維持するための目標値として提示されたものです。世界ランキングでは、アメリカや中国、スペイン、イタリア、フランス、などに大きく差をつけられています。そもそも、この目標は世界保健機関(WHO)の推奨によるものなのでしょうか。世界ランキングなるものがあるということは、世界基準とみて差し支えなさそうですが。 

食事の摂取量の目標を世界基準で決めること自体、無理があるような気もします。なぜなら、体重40キロの人と、80キロの人が同じ量を食べるわけがない。また食べ方も異なります。食事種のバラエティ度も異なります。 大皿1品~2品の煮込み料理が食卓を飾る国では、野菜を大量投入した料理が並びます。体重が80キロ以上の人は、やはり野菜の摂取量も連動して多くなりがちでしょう。そして何より、価格も摂取量を左右する要因です。やはり、日本は野菜価格が高い。そして、日本人には超肥満体は少ない。加えて、数を揃える料理が主流です。なので、いつまでたっても、目標350gをクリアすることは難しいでしょう。それでも日本人は他国と比べれば、総じて身も軽く、不健康なほどに太っている人は少ない。そして最たる長寿国です。厚労省も日本バージョン、日本独自の目標を掲げたほうが良いのでは?などと思ってしまいます。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その193】某月某日「もう、いいじゃないの・・」の巻き 投稿日: 2023年6月11日 作成者: pc-network

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OL N子の勝手リサーチ 193

     “もう、いいじゃないの”の巻き

久々に都会に出ると、人の多さにおじけづいてしまうほどに、人が多い。自分もそのうちの一人じゃんか、って?他の人からみれば、そうだよね。はい、立派に雑踏の一員ですわ。ま、三連休日前の金曜日という特別タイムだから、当然なのかも。予約の上、食事会で訪問した店も、本日は予約客で満席です、との看板が。ほんとに街ににぎわいが戻ってる、って感じるわ。外国人もすごく多い。めちゃくちゃ多い。って、今の日本は暑くないですか?って聞きたいけど、関係なく皆、元気ではつらつとして楽しそう。もうこうなったら、有識者がコロナ第9波に入ったかも、などとオドしても、だれも聞く耳持ちません。はい、皆、もう飽きたのです。勿論、ワクチンは続けてきちんと打って、それなりにマスクも付けて、手も消毒してるけれど、もう、おびえることに飽きた。これ以上、何もできません。家にこもってばかりもおられません。こんな報道は、日本だけだと思う。だって日本にくる外国観光客は、誰一人、マスクは付けておられません。多分、母国でもそうなんでしょ。日本みたいに、1病院ごとのコロナ患者が1,2倍になると、第9波だ!と騒ぐ国は、見当たらないわ。ま、沖縄はちと心配みたいだけど。乗り切ってくだしゃいませ。

テレビで、久しぶりに、コロナ関連の有識者のお方をまたまたお見掛けしましたけど、もう出るなよ、と言いたい。9波がどうのこうのとオドシてたけど、たとえ、オファーがあっても、もう出ません、ときっぱりとお断わりなさったほうがよろしいかも。疫病神としか見えんもの。もう彼らにできることは無いし、実際に重症化率は減っているし、まだまだマスクは付けている人多いし。はい、本日はいつもの優しい上品なN子が、ガラの悪いイノシシになっております。全く、日本のメディアは不幸が好きで、悲観主義者が多い割に、肝心な視点は抜け落ちてるな、と、あらためて納得した次第ざんすわ。            ・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 175(宿泊施設の役割の広がり)

       顧客満足の複雑さ175「宿泊施設の役割の広がり」 

以前にも書いたと思うが、実際に住まいとして機能している住宅インテリアの本を観るのが好きだ。何よりの良き気分転換になる。それも間取り紹介があるのが望ましい。それぞれの施工会社が自社の建築例を、オーナーへの何らかの見返り条件を加味することで掲載しているのだと思うが、今のトレンドが見えてきて興味深い。リビングもキッチンも一様にモノトーン色でまとめられ、水回りもすっきりとしている。本の傾向にもよるが、敷地面積200平米以上、建坪120平米以上の住宅を掲載しているものが多い。日本では十分な広さの住宅といえるだろう。ただそれらの間取りを見て違和感を感じるのは、いわゆるゲストルームが無い住宅が主流を占めているということだ。長野県の800平米の土地に大きな住まいを構えるA宅にも、東京郊外の建坪180平米もあるB宅にも、広いリビングルームや夫婦のベッドルーム、子供部屋はあるものの、和室を含むゲストルームが無かった。親族や友人が泊まることを想定していないのだろうか。そこに徹底した個人主義を感じた。そんな中、和室やゲストルームが用意されている希少な間取りを見ると、ほっとしてなんだか、うれしくなる。そこには,精神的なゆとりと愛が感じられるから、というのはセンチメンタリズムすぎるだろうか。 

アメリカなどの豪邸は何室のゲスト用ベッドルームがあるかが、豪邸たる証明となる。それらが埋まったときのにぎわいを想像すると楽しい。世界のどの国でも多分、住宅の大小にかかわらず、ゲストが気楽に泊まっていく部屋は用意されている。狭ければ雑魚寝でもOKで、主人側も客人もどちらも気にしない、という風景が浮かんでくる。昔の日本家屋にも、客人が遠慮なく泊まれる二間続きの和室がある家が多かったものだが、今のトレンドはいかに個々人が快適に住めるか、に重点が置かれ、そこに他者を受け入れるスペースは無い。それが当然なのだといわれれば、そうなのだろう。たとえ親しい知人でも、人を泊めるとなると神経を使う、という人は多い。親族や知人友人と寝食を共にして楽しみたいときには、旅館やホテルを利用するのが、お互いのストレスが少なくてすむ、という声を聞いたことがある。なるほど である。今後も宿泊施設の役割のひとつとなり得るだろう。場の提供とともに、食の提供という観点から見れば、役割はさらに増えてくる。知人の長男は2型糖尿病で、日常の食事療法に気を使った生活をされている。家族も持っておられ、奥方の努力は大変なものらしい。外食や旅行時の食事も、ただ楽しむというわけにもいかない。こういうケースも、施設側に糖尿病用の食事が用意されているとうれしいだろうに、と思う。他の人と同じく、美しい見映えの数々の料理を安心して楽しめる幸福によって、当人のストレスは多分、大きく軽減される。勿論、そこには専門家のアドバイスは必要だが、これも宿泊施設の役割のひとつになってほしい。 

     2023年7月1日  間島

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食文化の豆知識194 食文化の現状173 (シンプル イズ ベスト)

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食文化の豆知識194 食文化の現状173(シンプル イズ ベスト)

日本は、例えば国民皆保険や医療制度、年金制度、加えてインフラなど、完ぺきではないものの、世界的に見てもまずまずのシステムを構築した国だと思います。これは国民気質という土台が、長年にわたって国造りを支えてきた証でしょう。いささか、何事も複雑化してしまうという弱点もありますので、よりシンプルで合理的な要素が加われば、世界のモデル国たり得るはずですが、そのスピードは極めて遅い。様々な手続きで各役所にはお世話になりましたが、何という無駄な流れ、何という煩雑な手続きと、うんざりすることが多かったことが思い出されます。ただ徐々にではありますが、簡素化へと向かっているようです。マイナンバーカードにしても、数年は身分証明カードとしてのみの機能を与え、(それでも、便利で有り難い存在です)、特典も付与し、8割以上に浸透して後に、様々な機能を付加すればよいのです。あせりすぎた結果が、トラブルを誘発したのかもしれません。

で、全く身近な例なのですが、野菜はいつからプラスティック袋に入れられて販売されだしたのでしょうか。大体が袋に何個か入った状態で並んでいます。それ以外は、一個幾ら、という販売方法です。農協指導によるものでしょうか。規格サイズを満たした野菜や果物だけが、売られている。一見、便利なようですが、ちっとも便利ではありません。まずゴミが出る。様々な大きさをチョイスできない。そして何より、一個幾ら、なら大きいものを選ぼうとする心理が働いてしまうものです。結果として無駄な動きをしている人を多く見かけます。なぜ、重さ売りをしないのでしょうか。そうすれば、小さいものは安く、大きいものは高くなります。何と公平ですっきりとした売り方でしょうか。外国ではほとんどが、重さ売りです。レジもそれほど仕事が増えるわけでもありません。あらかじめ重さ価格をインプットしておけば、自動的に価格を知らせてくれる。ハワイの大手スーパーもその売り方で、とてもスムーズでした。何より、自己責任に基づく買い物ができて、文句の言いようがありません。そう、シンプル イズ ベストは、古今東西、変わらぬ価値感です。何事も複雑化しようという動きは、様々な既得権益を呼び、消費者、ひいては国民の能力を抑え込んでしまうのでは、と感じるのは、考えすぎでしょうか? 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その192】某月某日「どこもかしこも値上げラッシュ・・」の巻き

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     “どこもかしこも値上げラッシュ”の巻き

なんだか、このところ土日になると、雨が降っているような。ま、梅雨だからいつでもどこでも、雨は降っているので、土日に限らないんだけれど、観光地は影響受けるよね。海外観光客も、この時期は避ける人が多いのかな。ま、梅雨といってもいつかは明けるだろうから、風情を楽しむほかは無いみたいね。ほら言うじゃない、水も滴る何とやら、ってね。生乾きの洗濯物かって?あたり!

気を取り直して、こんな時期だから、美味しいもの食べたいよね。でもどこもかしこも値上げラッシュでびっくりポンよ。光熱費や原材料費の高騰が原因なんだろうけれど、ある日突然、値上げされてると、なんだかなぁ、って感じよ。その点、大手チェーン店などは、かなり前から“誠に申し訳ありませんが、あれこれこれこれの理由により、○月○日よりちびっと値上げさせていただきます。許してちょんまげ“などと、告知があるので、ま、このご時世、仕方なかんべや(どこ出身?)と諦めもつくけど、個人店の場合、何の告知も無く、値上がっているケースがほとんどなのよね。大体が10%アップ。中には20%以上も値上がっていて、のけぞりたくなるわ。これってさ、もしも、もしもだよ。いろいろな事情で、光熱費とか原材料費が値下げされたときには、メニュー価格も値下げしてくれんの?って、聞きたい。多分、一回値上がった価格は下がらないよね。なんだか、確信めいて、そう思う。

ずっと長きにわたり、物の値段は安定していたので、ここにきて驚いている人も多いと思う。もうこうなったら、自宅で野菜をべランダ栽培して、鶏飼って卵ゲットして、生け簀作って鯛やヒラメを泳がし、ついでに豚と牛も飼うしかないよね。飼えません。メダカくらいは飼えるかも。でも、食べれるの?どうやって?だれか教えて。

・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 174(食と経済の関連)

         顧客満足の複雑さ174「食と経済の関連」  

最近、新聞や雑誌などで食の安全や食が健康に及ぼす影響に関する記事はよく目にするが、予想内に収まる内容のものが多い。良く言えば再認識、悪く言えば二番煎じというところか。ただ、異なる観点から積み上げた異なった内容を組み合わせると、新たな世界観が見えてくるのが面白い。例えば食品添加物を取り上げた記事では、それらが体に及ぼす影響に警鐘をならしている。ただそれら食品添加物は厚労省認可のもとに使用されており、直接体に害を及ぼしたという事実事例は聞かない。警鐘は憶測の域を出ないが、自身を振り返れば、なるだけ添加物の少ない食品を選んではいる。保存性や見た目、また味覚向上性での添加物の持つ役割は認めてはいるものの、素材そのものを味わいたいという欲がある。また添加物の体に及ぼす影響はどこかで現れるのではないか、という危惧感も少なからずある。悩ましいのは、添加物が少なければ少ないほど、価格が高い、ということだ。 

ここに3種の食品がある。A社の人気食パンの原材料をみると、小麦粉・糖類・マーガリン・バター・パン酵母・食塩・発酵種・脱脂粉乳・植物油脂・乳化剤・イーストフード・VCが記載されている。一方、B社食パンの原材料は、小麦粉・砂糖・バター入りマーガリン・パン酵母・食塩・米粉・醸造酢となっている。大手スーパーでは上記A社食パンは4枚切148円、B社は188円で販売されている。常時の価格だ。大きな違いは乳化剤とイーストフードが入っているか否かだろう。そして入っていないほうが高い。だしの素では、A社の原材料は、食塩・ブドウ糖・風味原料・たん白加水分解物・アミノ酸等となっている。B社は風味原料・でん粉分解物・酵母エキス粉末・麦芽糖が記載されている。風味原料というのは、かつお節粉末や昆布粉末などを差し、両社とも内容はほぼ似ている。大きな違いは食塩とアミノ酸が加味されているかどうかで、加味されているほうが4割がた安い価格で売られている。かまぼこA社の原材料は魚肉・みりん・砂糖・食塩・卵白・でんぷん・アミノ酸等調味料・保存料・着色料(赤色106号・カロチノイド)。一方B社のそれは魚肉・砂糖・みりん・卵白・食塩・昆布だし・酒かすで、価格はA社のかまぼこは、B社の半値以下だ。どの食品でも、食品添加物が多ければ多いほど価格は安い。どちらを選ぶかは消費者の自由ではあるが、価格の安さは大きな魅力であるのは確かだろう。販売数がそれを裏付けるかもしれない。 

全国市区町村の男女平均寿命に関する記事をみつけた。男女共、全国一は川崎市麻生区で、男性84.0才、女性89.2才だという。この地はいわゆる住宅地で、公園などの緑地も多く、散歩やジョギングを楽しむには絶好のエリアらしい。生活水準も高い。ちなみにワーストワンは大阪市西成区で、平均寿命は男性73,2才、女性84,9才だ。男性は10才以上の差がある。以前のドヤ街と呼ばれた時代と比べ整備されたと聞いていたが、この結果は胸をえぐる。喫煙率は高く、検診率は低い。そして食生活の差も寿命差の結果の一由をになっているのだろう。食は経済によって大きな違いが出る。贅沢な食品が違いを左右するのではなく、意識の問題にかかわる、ということだ。ただ、この価格高騰のときには“食費をまずは削る“の声を最近よく目にし、耳にする。心が重くなるが反論はできない。  

     2023年6月1日  間島

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食文化の豆知識193 食文化の現状172 (大豆は重要食材)

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食文化の豆知識193 食文化の現状172(大豆は重要食材) 

日本の主食はまぎれもなく米ですが、米に負けない、というか、米と同じくらい重要な食材があるとするなら、それは大豆でしょうか。大豆からいろいろな工程を経て、実に多くの食材が完成します。主な工程のみで語れば、絞れば大豆油。炒ってきな粉に。コウジや食塩などを加え熟成したのが、味噌・醤油。発酵食品としては納豆。煮沸などの処理工程で生まれるのが、おから、豆乳。そしてゆばに豆腐。すべて日本料理には切っても切れない、重要食材です。特に醤油と味噌は、料理の要。大豆なくして、日本料理は成立しないといっても過言ではありません。大豆収穫前の枝豆が大好物の身としては、お腹いっぱい自国産の枝豆を食したい、とこれは食いしんぼの切なる願いです。 

その大豆ですが、大半が輸入に頼っています。2020年の国内栽培は21万1千トン。食品用として使用される自給率は20%で、全体では6%の自給率しかありません。ここまで自給率が低下した要因はさまざまですが、最も大きな理由は、大豆は気候による収穫量の変動幅が大きく、結果として価格が安定しないことによる作付離れだといわれています。ならば、ここは米と同様に豊作不作にかかわらず、国が価格安定保証をしてもよいのでは、と思います。それほどに日本にとって、大豆は大切な作物です。日本農業の危機といってもいいのではないでしょうか。。 

ただ農業全体としての朗報は、5ha以上の農家の占める割合が平成12年では14%だったのに対して、平成27年には67%と増加しました。徐々にですが、農業の大規模化が進んでいます。日本の農業を強くするのは、大規模化と効率化の二点であるのは、多分、政府・行政もわかっているはずです。わかっているけれど、日本の公的執行力の弱さが、抜本的な農業改革をはばんでいるのでしょう。欧米各国の自国農業促進力と比べ、その弱さが目立ちます。有事になれば、日本の食卓は無残なものになりそうです。その時に後悔しないように、今からできることを着実に実行していくしかありません。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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顧客満足の複雑さ 173(魅力の付加価値)

         顧客満足の複雑さ173「魅力の付加価値」 

まさに春爛漫。梅に始まって、桜やつつじと、木々の花や草花が目を楽しませる季節の到来だ。チューリップやバラも主役級の花の貫録を見せつける。春が過ぎてもあじさいは梅雨の時期を彩る人気の花で名勝地が多い。真夏は各花の勢いが消えると思いきや、マリンゴールドやひまわりなどが元気に咲き誇る。どの国も、多種多様の花に恵まれているとは思うが、日本ほど花の種類に恵まれた国は無いのでは、などと誇りたくなる。特に昔から日本人は花を愛でてきた。俳句や和歌の素材にはことかかない豊富さだ。人を集める大きな力をそれぞれの花が持っており、あじさい寺、ほたん寺、コスモス寺などの別称を持ち、シーズンには多くの観光客が押し寄せる神社仏閣もある。群生した花はそれほどの人を惹きつける力を持っている。各地方の一種に特化した花公園は、多くの人でにぎわっている。 

以前、寒い季節に泊まった箱根の老舗旅館は、斜面をうまく生かしたつつじの群生した庭を持っていた。5月にはさぞかし美しい風景を見られるのだろう。後に知ったのだが、“つつじの旅館”の別称があった。旅館には広い庭を有するところが結構多い。それぞれの木々は行き届いた剪定がなされているが、強い印象を残す庭はそれほど多くは無い。ほとんどが無難な風景に落ち着いている。訪問客や宿探しの客に特化した印象を植え付ける庭園造りは、強い集客力に結びつくだろうにと、もったいない気もする。かつて、兵庫県川西市での新ホテル企画にたずさわったことがある。広い庭を持てる土地的余裕はなかったが、ホテル周りをバラで囲む、という提案をさせていただいた。バラは手はかかるものの年に二回の開花期があり、バラホテルとして強い印象を与えることができる。幸いオーナーはバラ好きで、提案に好感してもらったがバブルがはじける時期とかさなり、ホテル建築には結びつかなかった。今でもあでやかなバラに囲まれたホテルが目に浮かんでくる。

 人を惹きつける要因は様々だが、“並み”では印象に残らないものだ。ユーチューブで、超高級宿泊施設に泊まる映像が多く見られる。ただ部屋や露天風呂の広さは限界があり、料理も想定内のことが多い。その中で目を惹くのは、備品の豪華さであり、特化したサービスなのだ。フリードリンクも大きな魅力で、まさに至れり尽くせり感がある。ただ、最後に価格が提示されると、なるほど感はあるが、なぜか是非訪問したいと思ったことは少ない。根が貧乏性なのだろう。それだけの価格なら別の使い方をするだろう、などとケチなことを計算してしまう。しかし、もしそこに楽園のような庭園が広がっていたなら、そこに身を置きたいと渇望するやもしれない。大阪のホテルラウンジから見る巨大な滝は、目に焼き付いて離れない。城崎の旅館のブッフェ朝食時に、全面窓に広がった見上げるような坂の芝生庭園はいまだに記憶に残る。一方、世界各国から取り寄せた高級素材で内外装を施し、何かと話題を集めたホテルのコーヒーショップラウンジから見た中庭には、ペンペン草が生い茂っていた。すでにその時期には経営に行き詰まっており、荒れた庭が凋落ぶりを如実に表していた。花や自然を技術力で群生式に整え、魅力の付加価値を増すのもあっていい。日本式庭園にこだわらない自由な発想も望まれる。

                    2023年5月1日 間島

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