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食文化の豆知識199 食文化の現状178 (ようやく秋の恵み)

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食文化の豆知識199 食文化の現状178(ようやく秋の恵み) 

11月中旬から、果物がようやく身近なものとして、十分に楽しめるようになってきました。恵みの代表格は柿とみかん!どちらも甘くて栄養も十分、そして何より求めやすい価格なのがうれしい。それまで、というか、桃や梨、そしてブドウは今や高級品で、特に梨の高価格化は驚くばかりでした。確かに甘くて立派です。ブドウも店頭に並ぶのは、ピオーネ、巨峰、それにシャインマスカット、いずれも大きい1房は1000円以上していました。その甘さは折り紙付きですが、素朴な味わいのキャンベルは過去のものになったようです。過去のものと言えば、先の梨。長十郎や二十世紀ナシは、交配努力によって大きくて甘い種類に進化したようです。何もかも、立派になり、糖度も高く、そして価格も高い。お見事!と声をかけたくなるほどの、品質改良です。そんな中で柿は、平たね柿、富有柿、刀根柿、など、渋柿も含めて、昔ながらのものが並び、ほっとします。柿は自然にもう十分に甘いので、これ以上の品質改良は必要ない?のかもしれません。それほどに甘くておいしい。みかんはこれまた、早生ミカンでも十分に甘くなりました。ひと昔前と比べると、価格は勿論上がってますが、それでもリーズナブルに楽しめます。この時期、ビタミン豊富で風邪予防にも最適です。かたや秋の恵みの王様格、マツタケはスーパーマーケットの店頭では、今年はあまり見かけませんでした。栗もしかりです。どちらも不作だったとか。どちらも人の手で品質改良などができない種なのでしょう。この二つは別に食べなくても、寂しく?ありませんが、結果としてよく出回っているのは、中国産やカナダ産ばかりとなると、あれれ、という印象を受けます。日本産を是非流通させてほしい。オリーブオイルも国産ものが頑張っているようです。やはり目指すは地産地消。日本産日本消費です。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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顧客満足の複雑さ180(広報が繁盛店を作る?)

     顧客満足の複雑さ180「広報が繁盛店を作る?」 

5月からコロナが5類感染症へ移行したのを受けて、世の動向は大きく変化した。街に出ればマスク着用の人々は変わらずに多いものの、様々なしばりから解放され、人の集まるイベントやコンサート、スポーツ観戦など、コロナ前よりもにぎわっているように感じる。急激に増えた外国人観光客も、ほとんどがノーマスクだ。5類移行後も感染した人はいるものの総じて軽い症状で収まっているようだ。といってもまだまだ油断はならないが。身近な例では飲食店の繁盛ぶりが目立つ。事実、外食産業の10月の総売り上げは前年同月比8.8%アップとなった。かなり日数に余裕をもたせた予約でも、空席が無いことが増え、まさに食事会難民状態が発生している。コロナ禍で飲食店も3年間ほど我慢してきたはずなので、それはそれで結構なことだが、これから歳末を控えて益々、予約が取辛くなりそうだ。 

さて、一般に繁盛店とはどういう店を指すのかを考えたとき、真っ先に浮かぶのは客数の多さだと思う。一日1組予算一人10万円、などという、とんでもない店を除いては、多くのお客様にきていただいてこその人気店、となるだろう。ある雑誌で、お店を繁盛店にする広報支援をサポートしている会社のPR記事があった。「立地条件が申し分なく、店内は清潔で味には自信があるのにもかかわらず、店は閑古鳥が鳴いている理由がわからない」飲食店に、知名度認知度の低さをその理由として、広報支援の重要性を指導し実施するというものだ。テレビなどのメディアに取り上げてもらう方法を支援するのが主な対応だという。しかし「立地が申し分なく、清潔で味が良い店」で、繁盛していない店を見たことが無い。客側の、舌をはじめとする評価基準は極めて賢明で、店を見る目は的を射ている。閑古鳥が鳴いているのは、接客の不備か、居心地の悪さか、味や価格付けのアンバランスか、いずれかしか無い。店の繁盛への鉄則は、リピート客をいかに増やせるか、なので、それら基本の見直しが第一義だ。 

メディア関係者を招いての試食会は、記事にしてもらうことによる一定の効果は期待できるし、テレビでの紹介は抜群の集客を生む。よって広報支援は売り上げ増加へのひとつの方法ではあるが、それによって来店してくれた客のリピート化が無いと、店は元の木阿弥となってすぐに閑古鳥が鳴く。やはり繁盛店になるには、飲食店の基本の見直しへのサポートが欲しい。それは店主の根本的な発想転換をうながすもので、かなりの抵抗が予想されるが、それなしにその店の真の繁盛化は望めないと思う。 

   2023年12月1日 間島

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【その198】某月某日「街場には街場の矜持がある」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 198

           “街場には街場の矜持がある”の巻き

早12月。え?今年は秋があった?て感じ。確かに草木は紅葉してるけど、気分的には夏から冬に直行。10月にはまだエアコンの冷房つけてたし、11月になると、暖房をつけだして。だから!秋がなかったんだってば!ま、気候は人間の思い通りにはならないけれど、それにしても秋が短すぎるわ!で、気を取り直して、友人と近場の居酒屋でプチ忘年会をすることに。初めて行く店で、1週間前の予約時に、すでにカウンター席しか空いていない!はいはい、カウンター席でも、立ち席でもようござんすよ。生ビールと肴があればね。家から電車で15分、ってのがありがたい。友人は小一時間かかったと。ゴメンなされ。街場の中心地から電車で30分前後ってとこかな。

店内はかなり年季のはいった感じ。言い変えれば古めかしい、って感じ。小汚いって、言い変えてもOK。でも料理はなかなか、というより新鮮で豊富。今年初めて、てっさを食べたし、アオリイカも食べた。そうそう数の子も食べましたぞ。なので、値段は雰囲気の割りには高かったけど、あとから客が入ってくる入ってくるわ。12月はどこもこんな感じなのかな。かき入れ時だものね。儲けてください。ただやはり、地方色があるな、と思ったのはトイレかな。一応、水洗なんだけれど、今時の店で便座カバーをしたトイレを久々に見たわ。つまりシャワー温水トイレ、ではないということ。ほんとに久しぶり!って感じ。街場の店のトイレは100%シャワートイレで、清潔感あり、使いやすさOKの店がほとんどで、ほぼパーフェクトだったものだから、そうかここは地方なんだな、と妙に感心してしまったわ。でも、その日だけでも、30万円以上は売り上げがあったはず。それだけつぎこんだら、トイレリニューアルできるよ。言いたいけれど、言いません。こわいもん。

やはり、街場にある店は、それだけの矜持というか、誇りがあるんだね。店は総じて清潔感があって居心地もよいし、何よりトイレが綺麗で広い。地方の店よ。街場に負けるな。素晴らしいトイレを用意して、客を驚かせてよ。はい、今日はトイレ談義でした。

                ・・・・続く。

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【その197】某月某日「プロ意識ゼロ」の巻き

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           “プロの意識ゼロ”の巻き

地域密着型飲食店って、聞こえはいいけれど、要するにど素人経営でも成り立つってことなん?言い変えます。ど素人さんに申し訳ない。基本的に飲食店の基本が確立されていないままに、それでも何とか家族経営でもってきたって店が、都心を離れた地域には結構多いんだな、と思うわ。同じエリアでも、チェーン展開している外食業の店は、やはりそれなりのノウハウが定着しているので、料理・雰囲気・接客の基本は押さえてる。ただ近隣客とのコミニュケーションはほぼ無いので、それが物足りない、って人もいるかもね。

近場で便利だから時折訪問する和風飲食店があって、メニューは日本料理から麺類、洋食系まで幅広いので、それなりに集客はしている様子で、開業して30年ほどになるみたい。ま、家族経営で頑張ってるんだけれど、フロアを任されていたお母さんが高齢化してしんどいらしく、フロア係りを雇い出したの。それは別に構わないんだけれど、人がしょっちゅう変わる。その能力差の幅が大きいのが難儀なのよね。威勢の良い陽気な女性のときは店も明るい雰囲気だったけれど、極めて?平凡で笑顔のかけらもない応対の人に変わると、え?って感じることが重なったわ。まず夏の猛暑日、入店するとほぼ満席で、カウンターしか空いてなくて、それでもOKだったんだけれど、外からの熱風が入ってメチャ暑かったの。で、思わず、アッツと言ったら“しょうがない”と言われてしまった。ハイ即、店を出ました。二度めは、テーブルに座ったあと、持ってきてくれたお茶を飲みほしてしまったので、そのフロア係り女性に“すみません、お茶いただけますか”と頼んだら、給湯器があるので自分で入れて、って言われたわ。その店でそんなこと言われたの初めてなので驚きましたわ。二度めは自分で入れるんかい。ハイ、自分で入れました。もうしばらくは来ないぞ。

そういえば、その店の雰囲気がこのところ変わってきたわ。客筋が悪くなったと感じる。いわゆる一般人ではないと感じさせる輩かな。その人たちのたまり場的な印象が強くなったと感じるのよね。思い過ごしであればいいけれど、店って怖いよ。だらけた接客の店には、それ相応の客があつまってくる。ハイ、類は友を呼ぶ、のです。ま、思い過ごしならよいけれど、店はほんの少しのことで(ここではフロア係りの応対のまずさのおかげで)あっという間にくずれていくのですよ。

続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ179(急速に進むサービスの機械化)

   顧客満足の複雑さ179「急速に進むサービスの機械化」 

日本は「おもてなし」の国らしいが、自国にいる身としては「おもてなし」を特別に感じることもない。飲食店に入れば確かに、いらっしゃいませ、の挨拶で迎えられ、タダの水やお茶が供され、タダのおしぼりがつくことも多い。来日した外国人にとって、これらは当たり前のことではなく、驚くほどのサービスだと感じるのだと。自国の飲食店では、そのようなサービスなど期待できないうえに、チップまで要求されるからだと。結果、日本の接客は素晴しい、の評価につながるようだ。ただその“おもてなし力”が低下しているのでは、と感じることが多くなった。注文受けの機械化も進んでおり、客との接触が少なくなっている。人手不足とコロナが2重理由であるのは理解できるが、それにしても“そこまでやる?”と思うほどの変化にとまどいを隠せない。

 昨年あたりから増えだした、卓上タッチパネルでのオーダー方法は、最初は吃驚したが、スタッフを待たせずに、ゆっくりと画面を見て選べるし、何よリオーダー受けに間違いがない。機械が覚えているから安心?だし、慣れれば便利な側面もあるので今や立派に市民権を得たオーダー方法となりつつある。ところが、最近またまた、2店舗続けて驚く経験をした。まず店側から提示されたQRコードを客側が自分のスマートフォンで読み取り、オーダーはそのアプリを開けてスマートフォンからしてください、というシステムだ。聞けば、対面でメニューを選んでもらう手間を省けるとともに、そもそもメニューブックというものすら無いらしい。両店とも、ファストフードでもなく、ファミリーレストランでもなく、駅前・駅中のスタンド食堂でもなく、街場の一杯飲み屋でもない。立派な店構えのまずまずのレベルの飲食店だ。客にそこまでさせるのは、もはや飲食店としての機能を果たしていないと思う。ゆっくりとメニューブックを見て、不明な点を尋ね、おすすめ料理を聞いて、というスタッフを交えてのメニュー選びから、外食の楽しみは始まる。料理を間違いなく出すだけが飲食店の役割ではない。さてはて、このシステムも、先のタッチパネルでの注文受けと同様に当たり前の方法となるのだろうか。何か、大きな落とし穴が待っているような気がする。加えれば、フロアスタッフのレベル低下が目立つようになった。この仕事は個人レベル差が大きく異なるのは承知しているが、詳しいメニュー情報の提供や客の要望をさりげなくキャッチできるスタッフとの対話を楽しめるのは、もはや超高級店でしか期待できないのかもしれない。

かつて、橋のたもとにひっそりとたたずむこじんまりとしたイタリアレストランに、その人で店はもっていると言わしめた名物フロアスタッフがいた。料理長よりも責任が重く、その知識たるや脱帽ものだった。今や押しも押されぬ人気イタリアレストランとして名をとどろかせており、数店舗を展開する発展ぶりだが、その人がまだいるかどうかは知らない。

    2023年11月1日 間島

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食文化の豆知識198 食文化の現状177 (物の値上げと経済は?)

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食文化の豆知識198 食文化の現状177(物の値上げと経済は?) 

ようやく清冽な空気が漂いはじめました。今年の夏のなんと暑かったことか。夜になっても、じっとりと肌にまとわりつくような湿気と温度。それが6月から9月まで!10月に入っても10日間くらいは、夏の感触でした。そして秋の訪れが。朝晩の温度差が大きいのも、この時期ならではでしょうか。夜になると寒気もします。そして食材の値段を見ても寒気が・・・。首相はこのところの物価高に配慮して税の還元に着手されるとか。経済を第一義にとらえるとか。それ自体に不平があるわけでもありませんが、なぜこれほどに、値上げラッシュが続くのか。その根っこの部分を是正した方が?と思うのは、素人考えでしょうか。そして必ず便乗値上げもある。無いわけがありません。なかなか見分けるのも難しいですが。 

以前から業者間での値上げ談合はあり、事前通告もなされ、消費者も仕方ないな、と容認してきた過程はありますが、昨今の値上げは突然にくるので、驚きっぱなしです。それも10%以上のケースがほとんどで、企業も値上げ免罪符を手に入れたのか、といぶかるほどです。堂々たる値上げにだんだん慣れてきたのも辛いところがあります。企業活動の根幹を支える光熱費とガソリンの高騰が、値上げラッシュの主な理由でしょうか。人件費はそれほど高騰しているとは思えませんし、原材料が枯渇しているとも思えない。本当に多くの商品が値上げし、消費者の買い控えもはじまっているような。高い食材が山積みされていますが、売れているようには見えません。売れないままにどうなるのでしょうか。廃棄?惣菜などへの二次利用?返品?。今は買取式でしょうから、業者への戻しは無いと思いますが、事業取引の内容詳細はわかりません。 

それでも、日本のものはすべからく安いと、外国人観光客が驚くようです。外食時にも、母国と比べてその安価さに喜んでいる状況が見られます。円安影響が大きいとは思いますが、やはりはるばると観光にくるということは、それなりの余裕層のはずで、金銭感覚が異なるのかもしれません。国内での貧富二極化が問題化されはじめて長いですが、一億総中流、といわれた時代を懐かしく感じます。便利にはなったけれど・・・生活保護費受給者が増え続けている現実が是正される日は果たしてくるのでしょうか。経済の本質は?どこにあるのでしょうか。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その196】某月某日「感動させてこそ」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 196

           “感動させてこそ”の巻き

一年に一回のお墓参りのあとは、大体が旅館で一泊という決まりになってるの。別に規則ではないんだけれど、せっかく遠出して、えんやこらさとお墓のお掃除やら雑草刈りして汗かいたあとは、ゆっくりしたいよね。で、今回は淡路島の旅館に泊まることに。平日だったので、客は少なく温泉を独り占め。うふぁあ、極楽極楽。その旅館の売りは、明石海峡大橋を目の前に望めること。橋を走っているときとは、また異なった威容さがあって、眼の保養になったわ。で、夜にはライトアップされて、色の変化もあり、なかなかに良いんだけど、どうせなら、眼を奪うというか、すごい!(すげぇ、じゃないのよ)と言わせる、より華やかな照明があってもいいのにな、と思ったわ。電気代を考慮したんじゃろうか。惜しい。観る人を感動させて飽きさせないイルミネーションであれば、それだけを観にくる人がいて、ビジネスの幅がいろいろと広がるはず。

感動してもらうことって、本当に観光力の源になるよね。最初は、なんじゃ?と思われても、立派なシンボルになったものは多い。パリのエッフェル塔、ロンドンの観覧車、京都タワー、大阪の御堂筋(6車線あるんだよぉ)、等々すべて当初はワルクチを言われたり反対されたりしながらも、時を経てその場所の価値を高めてる。明石海峡大橋も、夜間のライトアップはそれなりに綺麗だけれど、人の目を奪うような堂々たる絢爛豪華なライトアップであればね。

飲食店も感動させてなんぼ、という側面はあるわ。残念ながらすぐには店名は浮かばないんだけれど、テレビで紹介されている、地域の人気店などをみるとそこには必ずといっていいほどに、お客さんを感動させているものがある。大概が料理で、ボリュームか味か、値段か、または取り合わせの妙か、目玉商品があって、それだけで客を惹きつけ感動させるオリジナル料理があるのよね。他の店では考えつかないような料理でしっかりと常連客の心をつかんで、常に満席状態。そこにはお客さんを感動させたいという心が見てとれるわ。近くにそんな店、出てきてほしい。毎日でも行きますわよ!

・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ 178(飲食店の矜持)

      顧客満足の複雑さ178「飲食店の矜持」 

外国人観光客からの「日本は静かだ」の感想をSNSなどで見ることが多い。電車内や公共の場での静けさに驚いたとの投稿には、その状態を高評価している向きが伺える。そこには車のクラクション音もめったに鳴らないことへの賛辞も加わる。勿論、褒められて悪い気はしないが、本当に日本は静かなのか?と首をかしげることを最近二度も経験した。どちらも飲食店内でのことだ。いわゆる大衆店ではなく、客単価8千円~1万円前後の本来なら落ち着いたレベルの店で、絶叫ともいうべき大声が店内に響くという、なんともストレスフルな経験をした。二店の騒音絶叫の元には四つの共通点があった。まず6名~8名の男女混合グループであること、見るからにビジネス客グループであること、年齢層は若年~中年層であること、そしてグループの中に関西以外からの客がいた、ということだ。これは大声を聞けばわかる。いわゆる出張客なのだろうか。ビジネスでも旅の恥はかき捨て、が、まかり通るらしい。

 コロナの第5類移行に伴ってどっとグループ客が増えたことが、先の騒音絶叫につながった、のだとすれば、何と未熟な習性だろうか。「日本は静かだ」は、せいぜいが1名から4名の客にあてはまる評価なのだと気づいた。数がそろえば、そして地域的解放感がつのれば公共の場であっても一部の日本人は大騒ぎをする。それも他客の迷惑もかえりみずに。愚痴になってしまった。大声で騒いでもかまわない。それが国民性なのだとすれば、明るく率直でおしゃべりが好きな陽気な国民、となる。しかし正式な晩餐会で、見ず知らずの左右の客とは、簡単な挨拶と少々のウィットある会話さえできない内気?な日本のビジネスパーソンにてこずった経験からすれば、先のグループ客はただただ、数を頼りの仲間うち大騒ぎであって、これが日本人の特性では無いと思いたいが、内弁慶そのものだ。

先の飲食店での嬌声は、店側の対応を期待するのも気の毒かもしれない。ただ、大衆酒場ならご愛敬で済むが、それなりの店の場合での大声はやはりたしなめる度量があっていい。というのも、かなり前、何のことは無い、自分が店から注意された経験があるからだ。軽いライブを聞かせるこじんまりとした洒落たレストランで、来阪者を含めて4名で盛り上がっていたところ、「恐れいりますが、お静かにおねがいします」の注意を受けたのだ。恥じ入るばかりであった。久々にその時の記憶がよみがえってきた。店側の凛とした対応が印象的で、その後も何度か、訪問させてもらった。先の二店舗はいずれも、店長らしき人物が騒音元のグループ客を気にしているのは様子で分かったが、彼らに対して何らかの「お願い」や「ご注意」は無かった。まだ間に合う。他客がいる公共の場としてのマナーを店側が教えてもいいのだ。それで怒り出す客は、不要な客と割り切り、店の格を守ってほしい。それが店の矜持というものだ。

2023年10月1日 間島

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食文化の豆知識197 食文化の現状176 (SNSの未来は?)

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食文化の豆知識197 食文化の現状176(SNSの未来は?)

ユーチューブをはじめとするSNSはまさに百花繚乱の勢いです。だれもが映像を発信できて、閲覧数に応じて結構な収入にもなる。作る方も観る方も、その自由さと手軽さで、当分は勢いが続きそうです。次の画期的な情報発信バージョンが出るまでは・・。それ以前でも、すでに栄枯必衰の波は避けられません。次から次へと人気ユーチューバーが登場しますが、やがて飽きられて、そして消えていく。情報ソースにはやはり限界数があって、ある程度以上になれば、自然と淘汰されていくものです。またあまりに極端な主義主張も支持されにくいので、これもまたある程度万人向けのものが、生き残っていくでしょう。そんな中、長期間にわたってトップクラスの支持数を集めるのは、本人自体の努力もさることながら、才能の是非によるところも多いと思います。

 もっぱら自由に閲覧させてもらっていますが、最近の傾向として、いかに食費などを節約できるか、またその具体的方法を発信するSNSをよく見かけます。限られた予算内で、数種類の料理を手際よく仕上げていく画像を見て感心しきりです。お買い物リストも抵抗なく公表されているのですが、共通した特徴があります。その中に、果物が入っていたためしがない。鶏肉・豚肉・ミンチ・旬野菜・乾物類がほとんどで、魚類も非常に少ない。そう、どれも似たりよったりなのです。徹底した食費節約術とは、そういうことなのです。普遍的な安定価格の食材を、いかに変化付けて食欲をそそる料理に仕上げていくか、につきるのです。他の物を削ってでも果物が食べたいものとしては、その技と努力にはあたまが下がるものの“えらいなぁ”で終わりです。

 さて、料理もの、動物もの、断捨離もの、蓄財もの、趣味もの、インテリアもの、健康もの、占いもの、園芸もの、紀行もの、災害もの、などが出尽くしたあと、テレビの構成・取材力をはるかに上回る、どのようなSNSがドキュメントでもフィクションでも出てくるかが、とても楽しみなところです。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その195】某月某日「飲食店は難しい・・」の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 195

           “飲食店は難しい”の巻き

外食は手っ取り早さでいえば、もっとも手軽な娯楽ってことになると思うんだけど、肝心の店側が、そこのところをよくわかっていないみたい。料理を出せばそれでOKってな感じでね。飲食店は、外で食べるだけの場所ではないのよ。「餌の提供」と割りきる商法なら、それはそれで客側も納得した客だけしかこないから、双方、めでたし、となるけれど、娯楽的要素が加味されてはじめて、まともな飲食店となるわけ。娯楽、とは, 字体が表すごとく、人の心を楽しませることで、外食は立派な娯楽なのです。

勿論、料理の提供で、商売は成り立つけれど、娯楽の意義を分からない飲食店は、客を逃がしていき、そしてつぶれる。そう、飲食店はとても廃業率が高い。開業から3年以内に70%が閉店。5年で80%。10年後に続いているのは10%弱、という,生き残るのが超キビシイ業種なのです。客を逃す、と言ったけど、廃業の一番の理由は運転資金不足らしい。つまり、客数不足のために、資金不足に陥るってことかな。どちらが先か、と問われれば、ワタシ的には客数不足が一番だと思う。そしてその理由が、先の“飲食店は娯楽産業だってこと”を理解していないから。

そんな厳しい業界なのに、よく続いているものだと思う店も結構あるけれど、そのほとんどは、自分の土地で、身内だけで営業している店であって、借地やテナント料を支払って、10年以上続けるのは、やはりそれだけ努力しているってことかな。競争店が多いエリアも、商売を厳しくする要因だけど、逆にそんなところは集積効果もあるので、どちらが良い、とは一概には言えないと思うわ。今日はやけに、小難しいこと言っているって?ま、いろいろ、ワタシも考えさせられることが多いのですわ。一口に、飲食店といっても、本当に千差万別、月とスッポン、素人とプロ、があって、客側も大変。競合店の多い場所では力の無い店はとっととつぶれてしまうので、それはそれでなるほど、と思えるけれど、総合的な力が無いのに競合店がほとんど無い場所だから、長く続いている店もあって、なかなかに奥深い業界ですわ。

・・・続く。某月某日

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