【第95回】 食環境の現状(74)

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食文化の豆知識 95 [食文化の現状74]

今や食を巡る談議は巷間にあふれ、テレビも新聞もどの食材が体にいいかを探る番組の

オンパレードになっています。また食に関する書籍にいたっては、肉や炭水化物の摂取の

是非が極端に分かれており、皮肉な目でみれば、まさに無責任な言いたい放題の感がする

ほどです。ちなみに野菜や魚はターゲットにはされていません。当然といえば当然かもし

れません。

 

それほど「健康」が、人間にとってすべてにまさる大切な要素になっているのでしょう。

確かに、生きる基底となるのは健康かもしれません。食生活が予防医学の見地からも極め

て重要であるのも理解出来ます。ただ、一方の面からのみを捉えてヒステリックにあれを

食え、あれを食うな、の氾濫にはいささか辟易してしまいます。

結局、体には、“大食をせず色々な食材をバランスよく摂取する”のがベストだと思うので

すが、それを言ってしまえばそれで終わり。ハウツー本の商売があがったりになります。

でも、体にいいものを追い求めるより、避けるべき食を念頭に置いた食生活を送る方がよ

ほど健康に役立つのではないでしょうか。食生活に苦心しても病気になるときはなるもの

です。ストレスというもっとも恐ろしい危険因子が体にダメージをあたえる場合が多いか

らです。ですからいいものを追い求めるのではなく、避けるべきものをとりあえず避ける、

というスタンスの方が楽なような気がします。

 

まず、劣化したものは避ける。特に劣化した油は毒といっても過言ではありません。だか

ら外食で揚げものばかりを注文するのは危険です。よほど心ある、または高価格のところ

以外は、新鮮な油ばかりを使っているわけではありません。

それとやはり濃い味を避ける。薄味の方が食材そのものの旨さに味覚が敏感になるからで

す。高血圧の危険もかなり避けられます。あまい物は食べ過ぎない。糖尿病は日本人にと

っては発症しやすい恐ろしい病気だからです。アルコールはほどほどに。飲みすぎると肝

臓がダメージを受ける以前に、精神に影響を来します。

すべて“摂取しすぎないこと”に尽きるのです。

 
             25年6月7日  間島万梨子 食生活アドバイザー

 

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