【第74回】 食環境の現状(53)

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食文化の豆知識  74 [食環境の現状53]

 

新聞誌面で、飲食店での食中毒発生の記事をよく目にします。全国レベルからみると

発生率はごくわずかのようですが、記事にならないものも結構あって、油断がなりませ

ん。私自身は幸いにも今まで重篤な食中毒になったことはありません。多分、大多数の

人もそうではないでしょうか。ただここで気を付けたいのは、軽い症状で済んだために

それが食中毒であったと認識しなかった例が多く存在するのではないか、ということで

す。軽い下痢は誰でも経験しています。多少症状が重くても、水を飲んで絶食し静かに

していれば、症状が治まるケースが殆どなので、保健所にはかけこまなかったわけです。

一口に食中毒といっても、食べた量や体調如何によって、随分と症状は異なりますし、

また、原因不明のままに、まあ治ったからいいか、で忘れてしまうものです。

 

ただ、今後もその害から免れるという保証はありません。サルモネラ、腸炎ビブリオな

どの細菌や、ノロウイルスなどのウイルスは、五感を研ぎ澄ましても防げません。汚染

されたものを出された時点でアウトです。残念ながら見極めることは不可能です。

食中毒防止の原則である「つけない、増やさない、殺す」は、家庭内では、実行可能で

しょうが、外食時には客は無防備です。かといって、楽しい外食は止められませんし、

余り神経質になっても、食事が美味しくありません。では最低限、どう注意すればいい

のでしょう。

 

まず、外食の場合は、繁昌している店を選ぶことです。繁昌しているということは、食

材の回りがスムーズで、自然に新鮮な食材が用いられます。お好み焼きひとつにしても、

繁盛している店は、肉もイカも野菜も新鮮で、油やソース、マヨネーズの使用期間が短

いために、中身が劣化することはまずありません。一方、はやっていない店では、調味

料をはじめとする食材の新陳代謝が遅くなり、必然に劣化の可能性も高くなります。

それと、トイレの衛生管理が行き届いているかどうかも、チェック要です。店の衛生管

理姿勢がもろに出るところです。洗浄剤や消毒液の完備や床回りの清掃は最低限の責務

です。またスタッフがやたらに咳をしている店もノーサンキューです。そして注文する

料理は、なるだけシンプルなものがお薦めです。素材を焼く、煮る、揚げるだけのもの。

最近、生魚の取り扱い基準は結構厳しいので、はやっている店の刺身は美味しくいただ

けると思います。

 

いくら注意をしていても、あたることはありますが、やはり生肉を避ける、トイレの汚

い店は避ける。閑古鳥の鳴いている店は避ける、練り物ばかりの料理は避ける、大食は

避ける(これ大切です)など、自己防衛しましょう。

 

23年9月3日    間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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