【その57】某月某日  ”味にばらつきがあるのはノーサンキューよ・・” の巻き

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某月某日  “味にばらつきがあるのはノーサンキューよ” の巻き 

考えてみれば、数ある飲食店の中で一度でも実際に行ったことのある店って、ごく一部な

のよね。別に考えなくてもそうなんだけれど、美味しくてリーズナブルな店がまだまだあ

ふれていそうで、残念な気持ちになるわ。だって全部の店を踏破するのは物理的かつ経済

的にとても無理ざんす。

そんな当たり前のことを考えていたら、二ヶ月ほど前に、自宅近辺でGoodな店を見付けた

の。存在は知っていたけど何故か行く機会がなかった店で、あるとき、行って見ようか、

という気になって来店。それがなかなかに、おつな店だったのです。ほこほこのにんにく

の丸揚げは旨み十分だし、凝ったメニューが目白押し。価格も一人3000円くらいで十

分に楽しめる。これはラッキー!って感じで、再訪問。やはり店って、行ってみないこと

には分からないものね。厨房の中は見えないけど、まだ若手の料理人が一人で頑張ってい

る風だったわ。レジのときに挨拶してくれたもの。

ところが、三回目の訪問時に注文したにんにくの丸揚げは、揚げすぎのせいか、しわしわ

になっていて、ほくほくとはほど遠い出来上がりでがっかり。豚の角煮は脂身ばかりだし、

〆の雑炊もやけに塩辛い。全然、今までと味が違うじゃないと首をかしげて、そそくさと

精算したら、あれ?いつもの料理人じゃなく見たことのない人が、厨房の中にいました。

曜日で担当が変わるのか、人自体が変わったのか、聞かなかったけれど、少なくとも飲食

店としては、致命的な現象です。行く度に味が変わったら、信用は築けません。安定した

質、がビジネスの根幹です。エヘン。

美味しくなるのは歓迎だけれど、味が落ちたら、もうその店はノーサンキューってことに

なります。その怖さは、チェーン店が一番よく知ってるから、味や質の均質化に努力を払

ってる。ところが、個人店は、人の質や技に頼ることが多いので、料理人が変わると、

上記のようなばらつきが出てくる危険性があるのよね。せっかく、いい店を見付けたと思

ったのにもう行かない。とっても残念。商売は厳しいのでありますよ。

 

                     2010年11月2日   ・・・続く

 

 

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