某月某日 “味にばらつきがあるのはノーサンキューよ” の巻き
考えてみれば、数ある飲食店の中で一度でも実際に行ったことのある店って、ごく一部な
のよね。別に考えなくてもそうなんだけれど、美味しくてリーズナブルな店がまだまだあ
ふれていそうで、残念な気持ちになるわ。だって全部の店を踏破するのは物理的かつ経済
的にとても無理ざんす。
そんな当たり前のことを考えていたら、二ヶ月ほど前に、自宅近辺でGoodな店を見付けた
の。存在は知っていたけど何故か行く機会がなかった店で、あるとき、行って見ようか、
という気になって来店。それがなかなかに、おつな店だったのです。ほこほこのにんにく
の丸揚げは旨み十分だし、凝ったメニューが目白押し。価格も一人3000円くらいで十
分に楽しめる。これはラッキー!って感じで、再訪問。やはり店って、行ってみないこと
には分からないものね。厨房の中は見えないけど、まだ若手の料理人が一人で頑張ってい
る風だったわ。レジのときに挨拶してくれたもの。
ところが、三回目の訪問時に注文したにんにくの丸揚げは、揚げすぎのせいか、しわしわ
になっていて、ほくほくとはほど遠い出来上がりでがっかり。豚の角煮は脂身ばかりだし、
〆の雑炊もやけに塩辛い。全然、今までと味が違うじゃないと首をかしげて、そそくさと
精算したら、あれ?いつもの料理人じゃなく見たことのない人が、厨房の中にいました。
曜日で担当が変わるのか、人自体が変わったのか、聞かなかったけれど、少なくとも飲食
店としては、致命的な現象です。行く度に味が変わったら、信用は築けません。安定した
質、がビジネスの根幹です。エヘン。
美味しくなるのは歓迎だけれど、味が落ちたら、もうその店はノーサンキューってことに
なります。その怖さは、チェーン店が一番よく知ってるから、味や質の均質化に努力を払
ってる。ところが、個人店は、人の質や技に頼ることが多いので、料理人が変わると、
上記のようなばらつきが出てくる危険性があるのよね。せっかく、いい店を見付けたと思
ったのにもう行かない。とっても残念。商売は厳しいのでありますよ。
2010年11月2日 ・・・続く