【その49】某月某日  ”とても残念です・・” の巻き

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某月某日  “とても残念です・・・” の巻き

 

梅便りも聞かれるこの頃、春の足音がほら、そこまで来ています。季節は律儀にきちんと

巡ってくれるけれど、お店の経営は思うようにいかないのね。今回は、しみじみとしたお

話です。ワタシの失恋話ではございません。それは笑い話ざんす。

いやあ、どの業界でも、大が小をのみ込んでいくんだなと、感じ入ったのですよ。

 

外ではうどんを頂くことが多いのよね。最近、コシのある旨いうどん店も増えて、うどん

党のワタシは、満足満足。贔屓の店も出来ちゃったりしてたのです。その中の1軒は、丁

寧に仕込んでいるのが分かる、コシがしっかりしたうどんで、ダシも美味しい。器も粋で

具も豊富。テーブル上には、きれいでたっぷりの天かすが常設されていて、入れ放題なの。

気に入って、月に2回はいただいていたのだけれど、この前行ったら、あれ?天かすが姿

を消してる。出てきた器も何やらチープなものに。うどんも微妙に変わってる。で、ふと

見れば、メニューブックに、有名なうどんチェーン店のシールが貼ってある。店の子に聞

けば、最近、傘下に入ったんだって。ありゃあ、もうだめだ。そのチェーン店がどうこう

というのではなく、その店の個性やこだわりが失われるのは、目に見えている。効率第一

になるんでしょう。

 

別の店は、うどんは適度なコシで上の店と比べると少し柔らかめだけれど、それはそれで

味も具もいけるので、ファンになっていたのが、これまた別のそば・うどんチェーン店の

一つの事業部となっていました。頼んだ鍋焼きうどんは、うどんはふにゃふにゃ、具は貧

相。何より見栄えが汚い。ええ?こんなんだった?

 

どちらの店も店名はそのままだけれど、多分、味も質も変わっていくんだよね。結構、繁

昌しているようだったけれど、内実は苦しかったのかしら。で、多分、売り渡したのでし

ょう。だれが好きこのんで、他社の傘下に入るものですか。稟とした店の匂いが、消えて

いく。何だか、寂しいけど、この業界も厳しいのね。また、お気に入りのうどん店を探さ

なくっちゃ。

                               ・・・続く

 

 

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