顧客満足の複雑さ145「多種多様な救済措置は国力」

   顧客満足の複雑さ145「多種多様な救済措置は国力」

あけましておめでとうございます。今年が希望の光のともる一年でありますよう、願わずにはおれません。 

昨年は、2月から何もかもがほぼコロナで埋め尽くされた。特にメディアの過熱ぶりはすさまじく、ありとあらゆるジャンルからのコメンテーターが、様々な意見を交わす日々が続いた。夏ごろからはテレビのワイドショー的ニュース番組を一切、見なくなったので、今はだれがどんなことを言っているのか知らない。無駄なストレスから解放された。ただ国や行政の動きと、数字的情報は入手しているつもりだ。それで充分だと思う。つまるところ、このコロナ禍においては、必用最低限の外出に加え、大人数での会食・会合を控え、マスク着用、手洗いを励行する。それ以外に出来ることは少ないということだ。今のところ、友人知人、近隣で発症した人はいない。これからもそうであることを切に望んでいる。 

昨年末、旧知の友人と昼食を共にした。このような時期なので中止も考えたが、いたって呑気そうな相手の態度に合わせて実施することにした。友人曰く、小さな会社を長年一人で、細々と経営しているのだが、今回のコロナ禍にあって持続化給付金をもらったと喜んでいた。申請後すぐに上限額の200万円に加え、50万円の家賃補助金が振り込まれたという。当分は充分やっていけるらしい。一体、国の補正予算はどの程度の規模にまで膨らむのだろうと、一瞬、複雑な思いにかられた。これは諸外国、とくに米国や英国などの先進国でも同様だ。緊急の巨額な財政出動を実現している。調べてみたが、両国とも日本を凌ぐほどの金額が救済措置の名の元で市場にまかれている。市場に金があふれ、株式市場が活況を呈している。儲けどころということか。米国では4兆ドルに迫るすさまじい額だ。経済を殺すわけにはいかないし、働く人達を救済しなくてはいけないのは国としての責務だろう。ただコロナが収まった後の世界経済がどうなるのか、経済音痴の身としては、恐ろしくて考えたくもないのも事実だ。 

やはり、今回のような世界規模の感染症のもとでは、救済措置は国の力が大きく左右する。発展途上国のケースはあまり表面化しないので、その内実も明確ではないが、少なくとも先進国の非ではないだろう。同じ災厄にあっても、どの国の国民かによって、大きな差が生じる。国の批判しかせず、他国のケースをほめそやす一部の日本のメディアの声を聞くと、一回、他国で仕事をしてみればよいのにと思う。状況を的確に把握し、一人一人の努力が結局は国の力となり得るという真実を、もっと認識すべきだろう。国とは、国民の総体なのだ。 

                  2021年1月5日

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