【第145回】 食環境の現状(124) (情報の進化)

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食文化の豆知識145 食文化の現状124(情報の進化) 

海外に住んだことが無いので断定はできませんが、日本ほど食に関するテレビ番組が多い国は無いのではと思うほどに、いつもどこかのチャンネルで、食事風景が流れています。実際に店を訪問して料理を食べていたり、生産農家を訪ねて食材を調理したものを食べていたり、ドラマ仕立てで出演者が食べていたり、とにかく食の場面がいつも流れています。いささか飽食気味ながら、食べるという営みの原点に訴えてくるので、興味をそそられることが多いのも確かです。人は毎日、何かを食べなければ生きていけないわけですから、食べるのに飽きないようにしたい。その意味では、手を変え品を変え、食風景を流す番組は、食欲増進に役に立っているのかもしれません。 

生活範囲のエリアにある飲食店にランキングを付けて、人気度を競い合う番組のなかで、特に人気度が高かった店を実際に訪問したところ、期待を裏切らない美味しさでした。お笑い系芸人が主体なので、おふざけ傾向が前面に出ている番組ですが、少し見直したい気分になりました。インターネットでも飲食店の情報は豊富です。専門サイトは言うに及ばず、個人発信のおすすめ店など、まさに百花繚乱。大いに参考になります。そこで、思い出しました。20年ほど前のことです。私たちはチームを組んで、旅館や飲食店を対象に“ホームページを作りませんか“の提案をしていました。反応は弱く、ホームページなど要らない、との返答が殆どで、そのプロジェクトは立ち消えになりました。方法と手段が力不足だったのだと思いますが、今や、何らかの形でもホームページを持たない飲食店は皆無に近くなりました。逆に、ネットで探せない店は信用出来ないといった雰囲気です。たかが20年で情報伝達がここまで進化したということは、この先20年で、どんなことが起きるのか予想もつきません。今が、飽和状態なのでしょうか。それとも? 

             9月10日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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