【第134回】 食環境の現状(113) (食品ロスの公平な分析)

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食文化の豆知識134 食文化の現状113(食品ロスの公平な分析) 

環境省によると、2015年度の家庭から出る食品ごみは年間870万トンで、うち食品ロスは302万トンと推計されています。食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられる食品のことで、手をつけないまま捨てられる「直接廃棄」と、厚くむき過ぎた野菜の皮などの「過剰除去」、それに「食べ残し」がほぼ三分の一づつだとか。我が身にずしっと堪えるデータです。ちなみに事業系と合わせると全体の食品ごみは1676万トンで、家庭系ごみと事業系ごみがほぼ同量程度と分け合っているのが現状です。これを多いとみるか少ないとみるかは、一概には判断がつきかねます。 

このデータを見て感じることは、何故事業系のごみがそれほど多いのか、ということです。家庭ごみが出る理由は良い悪いは別にして、さもありなんと思えるもので、末端消費者である各自の努力や配慮で減らすことが可能でしょう。一方、販売する側の事業系ごみは、一体、如何なる理由で発生するのか、その側面からも食品ロスの問題を掘り下げてほしいと思うのです。新聞などは、消費者の啓蒙には熱心ですが、事業者側への掘り下げた食品ロスの軽減提案記事は目にしたことはありません。売る側なのに、何故ロスが出るのか?ロスは販売額の減少に結びつくはずなのに、家庭ごみとほぼ同量が廃棄されている現状を分析してほしい。ひと口に事業系食品ロスといっても多様性があり、想像するにメーカーでの生産上でのロス、スーパーやコンビニでの売れ残り食品の賞味期限切れによる破棄や不人気による回収破棄ロス、飲食店での調理上のロスと客の食べ残しによるロスetc、が考えられますが、それら以外にも理由がありそうな気がします。是非、事業系の内訳も発表してほしい。 

各家庭の事情は、大なり小なり似通っているものです。前述したように、使い切る、食べ切るが食品ロスを下げる有効な手段です。それに向かってやはり皆が努力していくべきでしょうが、一方の事業系のごみはいかにして減らせるのか、両面から分析・提案すべき問題だと思われます。 

                10月6日  間島万梨子 食生活アドバイザー

 

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