某月某日 “やはり、おもてなしスピリットは大切・・・” の巻き
ご先祖のお墓が遠方にあるって、不便なのよね。お盆とかお彼岸でもなかなかお参りに行
けないので“ゴメン”の一声で、ご先祖さまに堪忍してもらってるの。で、一年に一回の
墓参りにやっとこさ行ってきました。ナムアミダブツ ブツブツ と神妙に拝んで、日頃
のご無沙汰を詫びて菊の花を供えました。え?お墓参りの話しなんて聞きたくない?話し
はこれからよ。これから。そ、お墓参りはさっさと済ませて、その日は少し足を伸ばして
温泉場で一泊することに。バンザイ。温泉だ、地酒だ、ご馳走だ。はい、罰当たりです。
目的地は関西では有名な温泉場で、いわゆる奥座敷っていわれているだけあって、旅館代
の高いこと高いこと。そのうえ、オンシーズンのせいで、どこも空いてない。やっとこさ
見付けたのが、かんぽの宿どした。それもネットでは満室だったのが、直接電話したら空
いててラッキー。そんなこともあるのよね。逆の場合もあるし。ほんま、この世界のこと
はようわからん。一人一泊ニ食1万4千円。うううん。かんぽの宿って、別段割安でもな
いのよね。ま、その地はもともとメチャ高い旅館代で有名なんで、それに合わせたのかな。
電話予約のとき、89才の老母連れなので出来るだけエレベーターに近い部屋をお願いし
たんだけれど、返ってきたのは“他のお客さまの要望もございまして・・”だって。だか
ら“出来るだけということで”→ “ご要望にかなわぬ場合もありますので”→ “だか
ら出来るだけ!と言っております”ってな、不毛な会話を交わしたわけ。ふう、疲れる。
まじめなんだね。もっとうまく客をあしらう術はあるのに、さすが、かんぽの宿!
無事に到着して、さっそくお風呂へ。露天風呂が無いのが残念だけど、金泉と称される
湯は、まったりとして疲れも吹き飛ぶ感じ。全然疲れてなかったけど、そんな感じ。
さあ、夕食だ。案内されたのは畳敷きの大広間。え?個人客でも大広間で食事するの?
こんなの初めて。レストランや小部屋もあるのに、客が一杯だったのかしらね。でもさ
今時、正座で食事するのって大変。老母は、座れねえ、って文句言うし、ワタシも長い足
が邪魔で座りにくいし。で、椅子型の座椅子をもらって、しのぎました。テーブルが低い
のはちょっと食べにくかったけれど、正座よりはるかに楽で助かったわ。民間の旅館だっ
たらありえないだろうなって思いました。1万4千円って、今の時代、それほど格安でも
ないしね。全体に、スタッフに笑顔はないし、機転も今ひとつ。ユーモアにも欠ける。
お役所的な印象がぬぐえていないのよね。もう少し、接客のトレーニングを重ねて、おも
てなしの基本を経営サイドもスタッフも押さえて欲しいわ。まじめが一番ってわけでもな
いのよ。特に、飲食店や旅館・ホテルでは、まず人を好きにならなきゃ務まりません。
部屋のしつらえや備品は申し分なかったから、あとはお客の心をいかに掴めるか、に努力
してください。奈良の三笠って旅館で修業してよ(素晴らしい接客だったよ)
2012年11月3日 ・・・続く。