【その79】某月某日  ”やはり、おもてなしスピリットは大切・・・ “ の巻き

col_n_pic.gif

某月某日  “やはり、おもてなしスピリットは大切・・・” の巻き

 

ご先祖のお墓が遠方にあるって、不便なのよね。お盆とかお彼岸でもなかなかお参りに行

けないので“ゴメン”の一声で、ご先祖さまに堪忍してもらってるの。で、一年に一回の

墓参りにやっとこさ行ってきました。ナムアミダブツ ブツブツ と神妙に拝んで、日頃

のご無沙汰を詫びて菊の花を供えました。え?お墓参りの話しなんて聞きたくない?話し

はこれからよ。これから。そ、お墓参りはさっさと済ませて、その日は少し足を伸ばして

温泉場で一泊することに。バンザイ。温泉だ、地酒だ、ご馳走だ。はい、罰当たりです。

 

目的地は関西では有名な温泉場で、いわゆる奥座敷っていわれているだけあって、旅館代

の高いこと高いこと。そのうえ、オンシーズンのせいで、どこも空いてない。やっとこさ

見付けたのが、かんぽの宿どした。それもネットでは満室だったのが、直接電話したら空

いててラッキー。そんなこともあるのよね。逆の場合もあるし。ほんま、この世界のこと

はようわからん。一人一泊ニ食1万4千円。うううん。かんぽの宿って、別段割安でもな

いのよね。ま、その地はもともとメチャ高い旅館代で有名なんで、それに合わせたのかな。

電話予約のとき、89才の老母連れなので出来るだけエレベーターに近い部屋をお願いし

たんだけれど、返ってきたのは“他のお客さまの要望もございまして・・”だって。だか

ら“出来るだけということで”→ “ご要望にかなわぬ場合もありますので”→ “だか

ら出来るだけ!と言っております”ってな、不毛な会話を交わしたわけ。ふう、疲れる。

まじめなんだね。もっとうまく客をあしらう術はあるのに、さすが、かんぽの宿!

 

無事に到着して、さっそくお風呂へ。露天風呂が無いのが残念だけど、金泉と称される

湯は、まったりとして疲れも吹き飛ぶ感じ。全然疲れてなかったけど、そんな感じ。

さあ、夕食だ。案内されたのは畳敷きの大広間。え?個人客でも大広間で食事するの?

こんなの初めて。レストランや小部屋もあるのに、客が一杯だったのかしらね。でもさ

今時、正座で食事するのって大変。老母は、座れねえ、って文句言うし、ワタシも長い足

が邪魔で座りにくいし。で、椅子型の座椅子をもらって、しのぎました。テーブルが低い

のはちょっと食べにくかったけれど、正座よりはるかに楽で助かったわ。民間の旅館だっ

たらありえないだろうなって思いました。1万4千円って、今の時代、それほど格安でも

ないしね。全体に、スタッフに笑顔はないし、機転も今ひとつ。ユーモアにも欠ける。

お役所的な印象がぬぐえていないのよね。もう少し、接客のトレーニングを重ねて、おも

てなしの基本を経営サイドもスタッフも押さえて欲しいわ。まじめが一番ってわけでもな

いのよ。特に、飲食店や旅館・ホテルでは、まず人を好きにならなきゃ務まりません。

部屋のしつらえや備品は申し分なかったから、あとはお客の心をいかに掴めるか、に努力

してください。奈良の三笠って旅館で修業してよ(素晴らしい接客だったよ)

 

2012年11月3日    ・・・続く。

 

 

カテゴリー: N子の辛口奉行日記 パーマリンク