【第44回】 [ 食環境の現状(23) ]

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海外に行くと、自国との様々な慣習の相違を目にすることが多々あります。

渡航先は両手には及びませんが、それぞれに確実に日本と異なるものがあって

興味がつきません。それが海外旅行の醍醐味でしょうか。また渡航先が欧州か

アジアかによっても、相違の内容が大きく変わってきます。

 

特にそれぞれのお国柄を如実に知ることが出来るのは、食関連でしょう。日常に

不可欠な“食”は、だれでもが、その違いを実感できるものです。そして海外に

行く度に、日本の食レベルの高さを再認識させられます。まず味の繊細さ、見栄え

の良さ、素材の新鮮さ、洗練度合い、清潔さ、どれをとっても日本がトップクラス

であるのは確かなようです。子供の頃から食べ親しんでいるという理由だけではな

く、料理に関するこだわり度の高さは、国民性といってもいいのではないかと思い

ます。

 

かの国々でいただいた旅行社おすすめのレストランでの、馬が食べるほどのでかく

固いステーキ、うどんのようなスパゲッティ、臭いが気になる魚料理、山盛りのフ

ライドポテト、油っぽい焼きめし、味のめりはりが無い巨大サーモンステーキ、生

状態の人参・ブロッコリー、菜っ葉ばかり大盛りのサラダ、お化けのような無味マ

ッシュポテト、などなども、いい経験です。逆に思い出してもよだれが出るような

ロブズターの甘辛炒め、目にも美しい点心の数々にラッキーにも出会うこともあり、

海外での食事は誤解を恐れずに言えば、まさに博打そのものです。それはそれで楽

しい。

 

ただ“おおらかさ”という点で妙にうれしくなってしまうことが、海外では結構あ

るのです。繊細さや見栄えの良さは、下手をするとちまちまさにつながり、手をか

ける料理は値段の高さに反映されます。

日本人から見ると、あんなに大量の、しかもたいして旨いわけでもない料理を、美

味しそうに食べている現地の方を見ていると、こちらまで驚きを通り越して、楽し

くなってくるから不思議です。一様にどの国も日本人より食欲は旺盛でおおらか。

 

サービスも日本ほどには丁寧ではありませんが、かつての社会主義国を別にしては、

ナチュラルな素朴さを感じます。レストランでも、何か問題はないか、楽しんでる

か、などとフランクに聞いてくれる。そこには、型にはまらない各自の接客スタイ

ルがあります。その国に、大人を感じる瞬間です。

 

平成21年3月15日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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