【第40回】 [ 食環境の現状(19) ]

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食の安全を脅かす事件の続発や、金融不安による株価暴落などの影響を受け、消費

が縮み志向にあると、繰り返しメデイアが報道しています。外食業界も、市場は一向に

増えず、むしろ縮小傾向にあります。全体の売上げも平成9年の29兆円をピークに徐々に

減少し、いまは24兆円前後で推移しています。それでも、百貨店と総合スーパーの売上げが

合計で16兆円強であることと比べれば、とても大きな市場であることは確かなのです。

 

食費は流動費であるがゆえに、家計から削られやすい費用であると言われ、世論調査でも

景気が下向けば“まずは食費を下げる“という結果が出ています。外食は特に回数や予算を

削られる傾向があります。それでも身近な娯楽である外食は、多くの人が楽しみとするところです。

頑張って欲しい。

 

仕事柄というか、根っからの食いしんぼなので、飲食店を利用する機会は結構あります。

そして感じるのは、ここ2,3年の大きな変化です。まず、インテリアが先行したデザイナーズ

レストランにかつての勢いが感じられません。ムードたっぷりの店内で出される料理は、何故か

創作料理とやらが幅をきかせています。そして、そんな料理や雰囲気を好む比較的若い層の

消費に、いま元気がないのです。

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ファミリーレストランも厳しい状態が続いています。相変わらず抜群の簡便性を誇る業態ですが、

たいして安くはないのに、際だって美味しい物は見あたらない。これはあくまで筆者の考えなので、

意見の分かれるところでしょう。ただ、現実にすかいらーくもロイヤルやデニーズも閉店店舗を

増やしています。採算の取りにくい店は、捨てていくのが生き残りの道なのです。

 

いま飲食店は、本来あるべき仕事をしているところが、お客の支持をしっかりと集めているように

思います。本来あるべき仕事とは? 美味しい料理に、それに見合った価格。プラス、フレンドリー

な接遇です。雰囲気は清潔で居心地良く、インテリアにオーナーのセンスが感じられれば、

別にきらびやかで豪華でなくてもかまいません。照明も暗めでなくてもOKです。そう、すべて

当たり前の要素です。

 

美味しい料理とは、その分野で一生懸命技術的に、かつ素材的に最高を目指して工夫している料理

です。教科書通りでもなく、固定観念に縛られるこもなく、独自の感性で魅力的な料理を編み出して

いる店。そんな店は例外なくお客さんで溢れています。どんな業種でも同じです。厳しい環境が、

かえって偽物を駆逐するのに役立っているのかもしれません。

 

平成20年11月5日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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