【第3回】 「お節句」を楽しむ

食文化の豆知識
 
【第3回】 「お節句」を楽しむ
 
 日本では、季節の節目、節目に、さまざまな行事やしきたりが行われてきました。そのときどきの季節を精一杯に楽しむ知恵といいましょうか。春夏秋冬と四季がはっきりと移っていく日本ならではの習慣が、今もしっかりと受け継がれているのは、とても素晴らしいことではないでしょうか。
 
 中でも、節句は節日の記念日として、現在でも五節句が古くより伝えられています。1月7日に七草粥で新年を祝う「人日(じんじつ)の節句」、3月3日の「上巳(じょうし)の節句」 そう、桃の節句とか、ひなまつりとして今も華やかにちらし寿司などで、祝われていますね。5月5日は「端午の節句」 こいのぼりを飾り、柏餅やちまきを食べる習慣があります。子供の健やかな成長を祈るにふさわしい、みずみずしい新緑の季節の節句です。
 
 織姫、彦星で有名な7月7日の「七夕の節句」 も竹笹に願いをこめた短冊をかざる夏の風物詩として、広く親しまれています。最後は9月9日の「重陽(ちょうよう)の節句」 別名、菊の節句とも呼ばれています。先の4つの節句と比べると、一般にあまり祝われなくなりましたが、それは旧暦から新暦に移り、菊が咲くのには、早すぎる時期の節句になったからという説もあるようです。
 
image いずれの節句も、その時々の花や食べ物を楽しむ、心豊かな生活シーンを彩ってくれるのです。節句をテーマに季節感あふれる料理で、自然と一体となる。そんな感性を持ち続けていたいものです。節分、お彼岸、月見、冬至などの日にも、それぞれ行事食がつきものです。ほんとうに、昔から日本人は、何かにかこつけて、旨いものを食べるのが好きだったのですね。
 

 

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