【第12回】 [ 食の安全意識の高まり(6) ]

食文化の豆知識
 
【第12回】 [ 食の安全意識の高まり(6) ]
 
加工食品の原産地や原材料表示の規制が徐々に厳しくなってきたのは、消費者にとっては安心できることですが、業者側は、対応に追われ、また自社の姿勢・スタンスをどこに置くかという決定が問われることでもあるのです。
今まで既に、国産にこだわり、輸入品でも上質の食材にこだわってきたところは、表示義務はむしろ歓迎できるでしょう。堂々と材料を表明できるからです。
逆に、原材料が海外産にもかかわらず、日本で加工することで国産と称して市場に出していたところは、品目によってはそれがかなわなくなります。
 
漬物を見てみましょう。らっきょの漬物。原料原産地に国産と記載してあるのは、日本のらっきょを日本で加工していますが、原料が他国の場合は、それを明記しなけれがなりません。
 

合びきミンチはどうでしょうか。以前は、ミックス肉の場合、表示の必要がなかったのですが、これからは50 % 以上を占める食材は原産地を記載しなければならなくなりました。ただ、豚肉60%牛肉40 % の場合などは、豚肉のみ記載すればいい。人気のあるブランド豚をもってきて表示し、牛肉は安い輸入肉を使っても表示せずにすむわけです。でももし、牛肉も国産を使用しているなら、国産牛と表示するでしょう?

 
また、生ハンバーグは、合びきミンチに塩を加えて練りこんだだけのものなら、原材料表示は必要ですが、それに卵やパン粉などを加えると、複雑な加工品になるので、表示の必要はなくなります。
 
ジャムは、まだ原材料産地の記載義務はありません。だから原産国日本とあっても、国産のいちごや柑橘類を必ずしも使っているとは限らないのです。でももし、国産の柑橘類を使用した物なら、○○県産とか○○農園のもの、と記載するでしょう?

食表示の公正化を促進するために、まず原材料産地をチェックして、自分が望むものを購入するという姿勢が消費者に強まれば、さらに,表示義務意識の高まりは増してくるのではないでしょうか。

 

 

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