【第27回】 [ 食環境の現状(6) ]

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【第27回】   [ 食環境の現状(6) ]
 
仕事上、外食の機会は少なくないものの、日ごろは勿論、自宅での食事が主流となります。すべて手作りとはいきませんが、なるべく素材そのものを生かした料理を心がけています。単に、凝った料理が面倒なだけなのですが・・・。
それでも、いつも同じ調理方法では能がないと、料理研究家の執筆する新聞や専門誌の料理を参考にすることがありますが、大体は見事にはずします。レシピ通りに作っても、家人には不評を買います。自分の腕が悪いのも確かですが、率直に言って、我々にとっては美味しくないものが出来上がるのです。
 
何故なのか考えてみました。素材そのものを余りいじらずに、ただ相性の良い調味料でいただく料理法はそこにはなく、何らかの意外な組み合わせ、意外な調理法が、提案されている。誰でもが知っている料理、食べ方では、商売にならないのでしょうか。あくまで自論ですが、素材そのものをシンプルにいただくことが家庭料理の真髄であり、手を加えて目新しいものを作ろうとすればするほど、本来の素材の旨さがそこなわれていくような気がします。また、揃える材料にも限界があります。
 
やはり、凝った料理は上質のレストランでプロの味を楽しむに限ります。中華料理、フランス料理などは、自宅で作ろうとは思いません。家では、冷や奴と枝豆、野菜の煮付け、野菜のスープ、焼き魚、時にはお肉etcがあれば、充分に満足。ただし、調味料やお酒などは、本物を使うことです。それらしきまがいものを使うと、確実に味覚が鈍化します。
 
外で買い求める食品加工品も多々あります。食パンや漬け物、牛乳など。手作りでまかないきれないものが、便利な形で売られているのはとても助かります。
漬け物は、家できゅうりやナスをひと塩しても結構いけますが、市販のものは食卓をにぎわせてくれます。でも、しっかりと裏の原材料表示を見ることをお勧めします。特に、きれいな色合いのものには、とんでもない添加物が使用されていることが多々あります。国産の野菜かどうかのチェックも、時勢がら必要です。減塩と称して、保存料たっぷりのものもノーサンキュー。それらがてんこもりに記載された漬け物を見るにつけ、ため息が出てきます。
 
自分の口に入れるものに、少し気を遣ってみる。そしてくどいようですが、米と麹だけで作られた酒。大豆、小麦,食塩のみを原材料とする醤油。もち米、米こうじ、焼酎から作られた純味醂。これだけでも、こだわることで、ずいぶんと料理の美味しさが際だつものです。
 
 
 

 

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