【第29回】 [ 食環境の現状(8) ]

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【第29回】   [ 食環境の現状(8) ]
 
日常の食料品の購入は自宅近隣のスーパーマーケットですませることが多いのですが、都心から自宅への帰路のついでに、いわゆるデパ地下を覗くのも結構楽しいものです。
スーパーでは手に入らない高級食材や惣菜、珍しい野菜など、デパート食品売り場は新鮮な驚きに満ちています。多くのデパートで地下食品売り場が部署売上げNO1を誇るというのもうなずける豊富な品揃えです。いつでも人で溢れています。
 
人が集まれば集まるほどその売り場(店)は、より充実した内容となる、の原理原則はデパ地下でも生きています。食品のバラエテイさではスーパーマーケットを凌いでも、やはり値段は高め、というのがデパートに対する率直な印象でしたが、最近ではその常識をくつがえすようなケースに出くわすこともあります。ものによっては、スーパーマーケットよりはるかに安いのです。
 
特に野菜の充実は目を見張るものがあります。一番デパートが苦手だった生鮮青果品売り場が変身を遂げています。特産地からの着実な仕入れ努力が見て取れます。例えばスダチ。
個人的にとても好きな柑橘類で、レモンやゆず、カボスより美味しいと勝手に思いこんでいるのですが、結構高いのが玉にきず。それがあるデパ地下では12個入って120円!おおよそスーパーの五分の一の価格です。勿論徳島産です。丹波産の枝豆(黒豆)もずっとデパートで買っていました。上質だったからです。どちらもそろそろ出荷は終わりますが、ずいぶん楽しませてもらいました。
 
デパートで売られている青果品は各地農協からの仕入れによるものもあるでしょうが、担当者が直接、生産農家との交渉に当たることも多いと聞きます。
上質の品を探しだし、リーズナブルプライスで提供する。デパ地下のパワー恐るべし、といった最近の動向です。”どのようなものが売れるか”のマーケテイング力も、食品売り場は他部署と比べて群を抜いているのでしょう。売れるところは益々充実してくる、の例え通りです。進化し続けるデパ地下から目が離せません。
 
 
 

 

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