食文化の豆知識」カテゴリーアーカイブ

P&Cネットワークの間島万梨子がお届けする、食文化や食の安全をめぐる連載レポート。
旬の話題を含めて、食の大切さを綴ってまいります。

【第64回】 [ 食環境の現状(43) ]

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食文化の豆知識  64 [食環境の現状 43] 

 

秋の味覚の先陣を切る秋刀魚が、当初一匹300円という高値がついて驚かされました

が、ここにきて100円前後で安定しています。これで思う存分、脂の乗った秋刀魚の

塩焼きが楽しめそうです。確かに、魚は海流を南下したり、北上したりして日本の海域

を泳いでいるので、収穫できる時期が多少遅れたりするのは当然なのかもしれません。

でも最初の秋刀魚の漁獲量の少なさによる高値をみたとき、正直、ひやっとして北海道

旅行時のことを思い出しました。

 

利尻、礼文島を回遊したときのことです。鰊についてガイドさんの説明を聞きました。

ご存じのように、鰊は北海道の小樽地区や利尻などで1897年の最盛期には、約10

0万トンにものぼる漁獲量を誇り、地域に莫大な富をもたらしたといいます。卵の数の

子は高値で世に出回りました。身の方は捨てるか肥料に回されたとか。その繁栄の名残

ともいえる、広大なにしん御殿が残されています。でも肝心の鰊は今では見る影もない

漁獲量に成り果てています。現在私たちが口にする数の子は、殆どがカナダ・アラスカ・

ロシア産です。漁獲量減少の理由としては諸説あるようですが、地元出身の女性ガイド

さんは、“ずばり乱獲が原因です”と、言い切りました。それも悔しそうな口調で。

目に余る乱獲によって、後世の地域の糧を断ち切ってしまった罪は大きいと言うのです。

何とも複雑な気持ちになりました。というのは、乱獲は現在でも存在するのではないか

と。現在、カナダではほぼ完璧に漁獲量の調整が行われ、その結果、豊かな魚場が実り、

経済の繁栄の一貫を支えています。日本でも、鮎やカニなど限られた魚種の漁獲規制は

ありますが、乱獲を押さえる有効な手だてはなされていません。

 

限りある資源の枯渇を防ぐためにも、効率よくシステム化された漁業の確立が急がれま

す。日本を巡る水産資源は国民の宝です。昔から魚が日本人の命を支えてきました。そ

の貴重な資源を漁業従事者の頑張りに頼るだけでは、未来の資源枯渇が危ぶまれます。

中国をはじめとする他国も一人当たりの魚摂取量を増やしている現状下、従来のギャン

ブル的要素を帯びた漁獲から、養殖事業の拡大や厳格な資源管理の元での安定したビジ

ネス漁業への転換が必至ではないでしょうか。

 

22年11月2日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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【第63回】 [ 食環境の現状(42) ]

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食文化の豆知識  63 [食環境の現状 42] 

 

近刊の米誌ニューズウィークの特集「世界の最良国」総合番付で、日本が100カ国中

9位につけたと、産経新聞が報じました。ちなみに米国は11位、ドイツ12位、韓国

は15位で、中国にいたっては59位だそうです。上位は欧州の小国が占めています。

人口が多い国の中では、日本は堂々のトップなのだとか。うれしいような、本当かしら

と思ってしまうような結果です。でもまだまだ日本は捨てたものではない、というのは

事実でしょう。

 

日本にいて日本の悪口ばかり言っているひとには、気に入らない結果かもしれません。

日本は、確かに完璧でもなく、改善すべき点を山ほど抱えている現状ですが、それでも

素晴らしい国であることは間違いないと思うのです。海外に行くといつも日本の良さを

再発見できます。問題点もよく分かる。だから、若い人にはどんどん海外に行ってほし

い。今、若者の海外旅行が激減しているそうです。経済的に余裕がないからだけではな

く、興味が内向きになっているからだと、いわれています。日本で手に入らないものは

もはやありません。リスクを負ってまで(やはり海外旅行はある程度のリスクの覚悟は

いります)海外に行きたいとは思わないのでしょうか。そうなら、国が金を出して若者

をどんどん外国へ送り出せばいいのです。いや、お年寄りも援助して行ってもらいまし

ょしょう。日頃から不平不満ばかり言っている人は、優先して行っていただきたい。

 

先進国であっても、安心して水道の水が飲める国は希少です。夜に街をぶらついて比較

的安全である国も少ない。アジアのリゾートは、そのエリア内のみが安全であるところ

が多いのです。ひとたび街に出ればデパートに入るのにもバッグの中身のチェックが必

要な国もありました。トイレも、日本以上に整備された国は経験していません。

まして食となると、日本よりレベルの高い国は、まず見当たりません。ポイントで美味

しい“食”は勿論、ありますが、清潔度や接客度などを加味してのレベルとなると日本

は追随を許さないと、個人的に思っています。海外の国々を知って、自国のありがたみ

を知る、を身をもって感じます。日本から外国へ不法入国する例は少なくても、その逆

は目に余るほど多い現状が、すべてを物語っています。

 

日本の食の繊細さと栄養バランスの良さは、まさに日本の宝といえるでしょう。でも

海外、それも欧米に習うべきだなと思うことも多い。それは自然に身に付いた、公の

精神です。肩が少し触れあってもソーリースマイル、ドアは必ず先の人が手であけてお

いてくれる、車椅子の人を優先してくれる、お年寄りが電車の中で立って若者が座って

いる風景はあり得ない、などなど。日本人にこれらのソフトマナーが身に付けば、それ

こそ世界トップクラスの国になると思います。

 

22年10月3日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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【第62回】 [ 食環境の現状(41) ]

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食文化の豆知識  62 [食環境の現状 41] 

 

久しぶりに連絡を取り合ったコンサルタント仲間が、飲食業界の目を覆うばかりの惨状

を嘆いていました。一等地にある一部の人気店を除いて、一様に売り上げ低迷にあえい

でいると。客数減少と一人当たりの利用金額減少のダブルパンチに襲われているという

のです。確かに、1年ぶりに訪れた中華料理店が閑散としていたのに、驚きました。予

約なしでは入れなかった店と記憶していたので、予約の上訪問しましたが、2割ほどの

客入り状態でした。平日の月曜日であったことを差し引いても、寂しい風景でした。

やはりレストランは、そこそこお客さんがいてこそ息づくものだと、あらためて感じた

次第です。

 

一方、安価なフードコートや手軽なカレーショップ、リーズナブルな製麺店などは、曜

日を問わず、にぎわっています。最近、気にいってるうどん店は、トッピングに穴子天

ぷら、野菜のかき揚げをプラスして、ひとり420円!です。終日お客さんが入ってい

ます。安くて、しかも美味しい。これなのです。デフレの影響で価格が安くなったとい

っても、美味しくなければ支持されない。一番敬遠されるのは、高くてまずい、のはず

ですが、意外にもこの手の店が健在という例もあります。同席した4人のだれもが不満

をもらした(美味しくなくて)老舗和食店は、今でも誇りある名店として露出していま

す。高くてまずい、が最悪ではないのです。高い店は、上品な内装や丁寧なサービス、

落ち着いた空間提供という強みがある。料理をカバーできる要素が多いとも言えます。

 

嫌われるのは、安くてまずい、ではないかと思います。これがお客の心証を最も悪くす

る。安いということは、分かっている。こんな値段でいいいの、とも思っている。それ

が美味しければ、感動が生まれます。ありがとうの心です。でも逆に、もしまずければ、

まさにお金をどぶに捨てた、感覚です。自分が“安物買いの銭失い”の馬鹿ものに見え

てしまう。自己嫌悪です。だから、値段が安い、は経営側にとっては本当は緊張をとも

なうビジネスなのです。そこのところを誤解している経営者がたまにいます。

 

ことほどさように、レストランの価格設定は難しい。厳しいご時世で、安いのが有り難

いのは事実ですが、安いだけでは客は来ません。仮に、安さに惹かれて来ても、まずけ

れば二度目の来店はまず無いでしょう。安いけれど、ちまちました売り方をしていない。

お客さんはそんな店を良く知っています。ちなみに、先のうどん店は、ネギ入れ放題、

天かす入れ放題です。気持ちがうれしい。

忘れてました。個人的にもっとも避けたい店は、そんなに高くはないけれど、美味しく

もない、でした。先日もそんな店にあたりました。1000円のランチ寿司定食でした

が、平凡な寿司8カンに、具の無い赤だしがついていました。有名なチェーン店です。

今一度、初心に戻って、奮励努力してほしいと思いました。

 

22年9月5日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

 

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【第61回】 [ 食環境の現状(40) ]

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食文化の豆知識  61 [食環境の現状 40] 

 

某新聞の生活欄で、スーパーマーケットでの食品や日用品の容器包装の簡略化が徐々に

進んできたとの記事を目にしました。やっとその方向に向かうのかと、感慨深いものが

あります。ただ実際にこの目で確かめたわけではないので、その動きがどの程度浸透

しているのかは分かりませんが、簡略化は、是非とも進めていただきたい。

 

自ら無駄をなくす工夫もせずに、客にエコを強いる欺瞞を、肌で感じていたからです。

手間をかけてリサイクルをする前に、根本から不要なものを減らす方が、余程合理的

なのは当然です。容器包装は、家庭ゴミの約6割を占めるとか。大仰な食品トレーなど

は、洗って回収箱に入れるか、行政のプラスチックゴミ回収に回さなければならない。

水道代を含めて大きな無駄と手間の発生です。包装の簡略化は、食品トレーを製造して

いる会社にとっては、死活問題かもしれません。でも容器包装は、商品を立派に大きく

見せるテクニック的役割を担っています。廃材を利用する爪楊枝や割り箸とは、次元を

異にする不要な商品だと思うのです。その費用も商品価格にオンされ、結果として消費

者は高い値段を払わされるからです。日本独特の消費構造傾向です。

 

精肉、果物などは、簡易ラップで十分です。そのまま冷蔵庫に入れられます。見映えを

良くするための包装はもう結構です。贈答品や超高級品などは、包装も値打ち度を高め

る意味もあるでしょうが、家庭で日常に使用する商品は、なるだけ簡易包装の方が使い

勝手がいい。シンプル イズ ベスト。生活スタイルもその方向に向かっています。

ただ、そうなると関連諸企業が影響を受けるので、景気が悪くなると揶揄する主張もあ

ります。無駄もまた経済を支えると。でも考えてみれば、おかしいことです。蕩尽によ

る景気は、軟弱な土俵に立っています。それよりも、夢のある、そして本当に便利な商

品を開発してこそ、経済に役立つ企業といえるでしょう。お金は生産性の高いところに、

流れるべきです。

 

22年8月1日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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【第60回】 [ 食環境の現状(39) ]

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食文化の豆知識  60 [食環境の現状 39] 

 

消費税増税を巡って、各党各紙各ジャーナリスト、論戦にぎやかです。国の税収が低下

の一途を辿っている状況下では、広く税収が期待できる消費税アップはやむを得ないと

いう向きと、今増税などすれば益々景気が悪くなってしまうと警告を発する向きもあり、

どちらの意見もそりゃそうだなと思ってしまいます。“正義はどちらに”という問題でも

なさそうです。本音としては、やはり増税は痛いかなと。でも単純に収支を考えれば今

のままでは日本がどっつぶれてしまいそうで将来の不安がつのります。

 

さて、悩ましい消費税談議は横に置いて、最近、レストランでのお持ち帰りが、徐々に

増えているそうです。エコ意識の高まりを受けて“もったいない”精神が浸透してきた

のでしょう。年間1900万トンの食品廃棄物の中で、500から900万トンにも登

る食品ロス。食品ロスとは、食べられるのに廃棄される食品です。特に、レストランの

食品廃棄の再利用率は低いのが現状です。お客さんの食べ残しや売れ残り食品は、衛生

上、廃棄されるのです。そこで、自分の食べ残しを持ち帰ろう、という動きです。

 

ドギーバッグと呼ばれ、米国や中国などでは日常化しているようです。カナダで訪れた
中華レストランでは当然のように、食べきれない料理を皆が専用箱に入れて持ち帰って

いました。それをどう食べようとも、利用者の裁断にまかされます。ドギーバッグの語< /p>

源の如く、アメリカでも当たり前のことになっています。日本でも宴席での料理を折り

詰めで持って帰る習慣はありますが、一般レストランでは少ないのが現状です。店側と

しては、食中毒を恐れて慎重にならざるを得ない。確かに、家に持って帰って直ぐに食

べずに、古くなったものを食べて病気になった場合でも、店の責任の所在を問われそう

です。これでは、たまったものではないでしょう。

 

でも、持ち帰りによる食中毒の危険性は、そんなに心配することは無いと思います。

なぜなら、食中毒の大半は細菌やウイルスによるもので、万が一それらに汚染されてい

るのであれば、店で出された時点でアウトだからです。潜伏期間は3時間から数日後と

幅広い。だからレストランの食中毒は大抵自宅に帰ってから発症します。

個人的には、もっと持ち帰りが一般化すればいいと思っています。ただ、なるだけ早く

食べてしまうのは当然で、そのときも鼻で目で舌で確かめる。五感を働かせれば、食べ

られるかどうかは判断できます。昼食時のものなら夕食の一助に。夕食時のものなら夜

食の楽しみやお土産に。楽しみが増えそうです。

 

22年7月2日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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【第59回】 [ 食環境の現状(38) ]

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食文化の豆知識  59 [食環境の現状 38] 

 

自宅で食事を取る機会が増えると、たまの外食時には、家では作りにくいもの、また

作りたくないものを選びがちになります。例えば、焼肉、寿司、天ぷら、串カツの類

です。これらは、料理の後始末が大変であったり、材料を揃えるのに無理があったり

するので、外食ならではの値打ちがあると思うのです。ところが、家で自分で料理を

作らない人は、この限りではないようです。

 

ある会合に参加しました。会合といっても、気楽に酒を飲み交わそうという会合です。

いつもは決まったレストランが会場になるのですが、時に違った店が会場となる場合が

あります。選ぶのは幹事なのですが、なかなか面白い店が選ばれます。良い悪いでは

なく、自分で料理を作る人なら、選ばないだろうな、という店です。ずばり、家庭料理

を標榜する店。切り干し大根やコロッケ、いわしのショウガ煮、豆腐と豆の煮込みなど

など。会員の大半は中年の男性で、幹事も勿論男性です。リタイア後の人も多い会です。

出された切り干し大根に目を細めて喜こび、豆腐の煮込みに舌鼓みを打って、満足気で

す。つい最近も家でそれらの料理を作った身としては複雑な思いでした。

 

環境が違えば、欲する外食も違って当然なのだということに、一種、驚いたのです。

みんながみんな、同じ料理種を望んでいるわけではないからこそ、色々な業種の外食

店が成り立つわけです。その店の料理は、なかなかに美味しかったのですが、プロの

料理とは言い難い。やはり個人的には、外では家のそれとはまた違った料理を味わい

たい。それと、男女にかかわらず、台所に立って、料理を作ってみるべきだと思いま

した。毎日、自分の口に入れる食べ物を、人にまかせっきりでは勿体ない。自分で

色々な家庭料理と言われるものを作ってみる。簡単です。簡単にできるから家庭料理

なのです。

 

 

22年6月4日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

 

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【第57回】 [ 食環境の現状(36) ]

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食文化の豆知識  57 [食環境の現状 36] 

 

景気不況が長びく中にあって、経営者の悲鳴が聞こえてきます。ある中小企業の経営者

曰く「今までは不況が2~3年も続くと、必ず景気の盛り返しがあった。景気はいつも

波形を形成していたので、不況下にあっても来るべき好況を待てば需要が増えて、まず

は生き残ることは出来た。だが今、日本を覆っている不況からは好況が一切見えないし、

需要回復の見込みも全くない。こんなことは創業以来初めてのことだ。もう閉めるしか

ない」と。確かに、どんよりとした不況感が漂い、希望の芽が見えにくいのが、消費者

の閉塞感にもつながっているようです。企業を元気付ける抜本的対策が立てられないま

まに、日本経済が疲弊していく悪夢は見たくありません。企業をいじめてはいけないの

です。雇用創出こそが、政府の立てるべき第一の政策であるべきでしょう。

 

で、というか、財布の許す範囲で精一杯、外食や小旅行でわずかながら消費に貢献?し

ているのですが、驚愕することがしばしばです。先日訪問した旅館は、平日にあって満

室状態の盛況振りでしたし、会食に利用した大阪市内のレストランは、5時過ぎからず

っと満席という賑やかさでした。皆、とても愉しんでいるように見えました。どこが不

況なの?という印象です。確かに、どちらも価格付けラインがとても巧い。旅館は平日

なら一泊二食が1万3千円前後。レストランは客単価4~5千円というところでしょう

か。そんなに割安ではないけれど、負担感も大きくはない。そして費用対効果が大きい。

つまり、リッチ感を十分に提供できる、ぎりぎりの価格帯を営業努力で設定しているの

です。

 

牛丼やハンバーガーが値下げ競走に走っているといっても、また衣服が安いといっても、

利用するのには限界がありますし、だれもが享受出来ているわけでもない。一方、電気

や水道といった生活に不可欠なインフラ料金はちっとも安くなってはいないし、野菜や

肉の値段は相変わらず高め推移のように感じます。だから、デフレといわれてもピンと

こない消費者は、収入だけはきちんと低くなっていく現実に直面している。何かおかし

い。日本経済が成長していた理由は、“高い価格で消費者が買わされていたから”と考え

ると、今の成長鈍化はなるほどな、とも思えてきます。買う側がシビアに、そして鑑識

眼が豊かになれば、提供側は買ってもらうための知恵の結集が求められます。また、購

入意欲をかき立てる新しいハードやソフトの開発も必至です。優秀な日本の技術を十二

分に生かし、世界をリードする企業や科学の育成こそが、雇用創出の芽を広げるに違い

ないと思うのです。

 

平成22年4月9日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

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【第56回】 [ 食環境の現状(35) ]

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食文化の豆知識  56 [食環境の現状 35] 

前回に続き、野菜についてです。野菜の摂取量は個人差があり、私は野菜超大好き人間

で、時として食べ過ぎてしまいます。結果として、他タンパク源や脂肪の摂取量が少な

すぎる場合があり、何事も過ぎたるは及ばざるが如しです。でも、一般的には日本人の

野菜摂取量はこの十年、低下傾向にあります。1989年で年間摂取量は110.8kg

でしたが、2007年のデータでは、一人当たり野菜摂取量は年間93.9kgです。厚生労働省
が勧めている摂取量は一日350gですから、年間にして約128
kg。現状は
かなり不足して
いるのです。特に若い世代で摂取量が低くなっているとか。

 

野菜を食べなくても、すぐには影響は出ないでしょう。だからこそ、日頃からの心がけ

が必要なのです。旅行をすると、てきめんに野菜不足になります。旅館の会席料理にし

ても、豪華な魚料理はあっても、野菜料理が少ないのが辛い。確かに、野菜は保存や調

理に手間がかかります。また高級な印象は与えません。野菜料理が殆ど無い場合もあり

ました。1日くらいなら我慢出来ますが、3日、4日となると、私は体調不良を起こします。
野菜渇望症になります。また、外食も日常化すると、栄養のバランスが崩れてし
まう。
人間の体は、頑丈そうに見えても、もろいものです。

 

野菜の持つビタミンやミネラルなどは微量成分ですが、人間の体にとってなくてはなら

ない役割を果たしています。野菜を無理なく摂取するには、生野菜よりも温野菜。一個

のレタスでも、炒めたり煮たりすると、驚くほど小量化します。キャベツもしかり。

スープ式に煮込むと4分の1くらいの量はぺろりと食べられます。冬は鍋料理もいいで
すね。ネギ類、特に白い根深ネギの習慣摂取は、風邪の予防になります。毎日の食の積

み重ねが、私たちの体を守っています。野菜も、肉や魚と同等にすぐれた食材ですので、

摂取しやすい方法で、毎日十分な量をいただきたいものです。

 

平成22年3月4日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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【第55回】 [ 食環境の現状(34) ]

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食文化の豆知識  55 [食環境の現状 34] 

本来、食生活はあくまで本人の嗜好次第でいいのだと思います「野菜を食べましょう。

肉より魚の方が体にいい成分を含んでいるので、なるべく青背魚を食べましょう」よく

耳にします。もっともな提案で、私も野菜はたっぷりと取るように心がけていますが、

余り取りすぎると、それでお腹が一杯になり、栄養が偏ってしまうことになります。

 

知人のお父上は、肉大好き派で、魚は殆ど食べられなかったとか。お元気に過ごされ、

87才で永眠されました。男性としては長寿です。私の父は毎日、魚を食べていました。

もともと痩身体躯で小食だったので、消化の良い魚を好んだのでしょう。69才でこの

世を去りました。70才を超えられなかった。勿論、人の寿命は様々な要素が絡みあっ

った結果であって、原因を一つに絞ることは出来ません。持って生まれた頑強さの有無

や、精神面の影響も大きいでしょう。要は、「正しい食生活」などはない。楽しく美味し

く適量をいただくのが、ベストであるということです。

 

魚を良く食べている日本人の寿命が長いのは確かで、日本食が先進諸国から注目を浴び

ています。残念ながら発展途上国は、食を選ぶ環境ではありません。食生活云々、の前

に、日々の水や食の確保がまずは先決です。皆、一様に痩せている。で、欧米諸国に行

くと、圧倒的な肥満に出会います。尋常な太り方ではない。まさに飽食が及ぼした結果

でしょう。その意味では、食生活は生きていく上で、重要な要素ですが、“適量”と“生

の素材”を摂取することさえ習慣付ければ、基本的には何を食べても大丈夫なのです。

健康はついてきます。異常に太ることも痩せることもない。ここで言う“生の素材”と

は、生で食べる、といことではなく、素材そのものを調理したものを食べる、というこ

とです。加工品はほんの少し、食卓の彩りを添えるくらいにしましょう。

 

脂の取りすぎが動脈硬化を招くと言われています。もっとも危険なのは油で揚げて時間

が経った食品や、一度使ったあとに漉した油で、調理した料理です。また加工品に含ま

れる動物性油脂は、人によっては結構、体にこたえます。でも素材としての肉を適量

食べるのには、問題はありません。焼き肉の美味しさは、人を元気にさせます。ビーフ

ステーキの旨さは思うだけで生つばが出てきます。体に良いものだけに執心すれば、心

が萎えていきます。もっと自由に、でも悪辣食品には気を付けて、食生活を楽しみたい

ものです。

 

              平成22年2月7日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

 

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【第54回】 [ 食環境の現状(33) ]

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食文化の豆知識  54 [食環境の現状 33] 

 

日本の食料自給率が41%と、先進国の中でも際だって低いのは周知の通りです。

理由に関しては諸説あり、多くが「食生活の変化」をあげています。国民の食が、古来

の日本食から畜肉を含む洋食へと大きくシフトしたからだと。別に異論はありません。

ただ、この欄でも何度も食料自給率の問題をとりあげましたが、常に疑問が湧いてくる

のです。他国でも食料自給率は、単に国民の食生活による結果なのだろうかと。際だつ

低さの責任は国民が取らねばならないのかと。本当は政府および行政の農業政策ミスが

長い間、続いた結果ではないのかと。理由をぼかして、だれも責任を取ろうとはしない。

従来、行政が責任を取らないことは自明の理ですが、それにしても国民に、コメを食べ

ましょう、と意識改革とやらを提唱するのを聞くと、ちょっとなあ、と思ってしまうのです。
国民が猛烈にコメを食べだしても、生産量は大丈夫なのですか。

 

今、かろうじて国産でまかなうのは卵、コメ、野菜類ですが、洋食化原因の最たる肉類

も実は50%以上が国産でまかなっているのです。魚介類もほぼ同じです。そして一番

の劣等生は大豆です。国産率はわずか6%。有識者が声高に張り上げる、“見直そう和食”

を支える大豆の惨憺たる現状を、彼らはどう理解するのでしょう。思考が逆ではないの

かと笑ってしまいます。日本食に欠かせない味噌、醤油の二大調味料が、国産原料では

とてもまかなえない。豆腐、納豆し
かり。これではコメのご飯と、鶏肉と野菜のミルク

シチューを食べるのが、最も自給率アップに貢献しそう?です。

 

このほど政府は、平成27年度をめどに自給率を45%に引き上げる国民運動を提唱し、

次のメッセージを発信しています。「旬の食べものを選び、地元の食材を食べ、、食べ残

しを減らし、バランスの良い食事をして、各自コメの有効利用を考えよう」

はい、ほとんど、とっくに実践しております。この運動は結構なことです。でも、自給

率アップのための抜本的な戦略が抜けている。それは、原因を明確に認めないからにつ

きます。原因を明確に出来ないから、耳触りの良い国民への提唱しか出来ないのです。

 

今までの政策が間違っていました。であるから、農政を抜本的に改革し、遠い将来に

食料不足という禍根を残さないための大局的かつ具体的戦略を実行します。と、言い切

れる政治家が出て来てほしい。期待しています。

 

平成22年1月4日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

 

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