【その73】某月某日  ”欲張ると、客は来なくなるよ “ の巻き

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某月某日  “欲張ったら、客は来なくなるよ・・・” の巻き

 

風薫る5月となりました。新緑が目にまぶしく、やたらとお腹が減る季節です。季節に関

係なく減ってるだろうって? ご明察! でも、これから来るであろうクソ暑い夏の前の、

まさに僥倖ともいうべき、しのぎよさ。やはり、この時期は何だか文学的になりますわ。

でもいくら空気が美味しいといっても、それだけではお腹一杯にはなりません。ってなわ

けで行ってきました。海を見晴らせる産地直産所のお食事処。数年前にオープンしたんだ

けれど、二回ほど行ってから何故かご無沙汰だったところ。漁港が運営しているので、水

揚げされた新鮮な魚を贅沢に使ったお刺身定食がボリュームたっぷりで吃驚したのを思い

出したの。そのお値打ち定食を久し振りに頂きたいと思ったわけ。天丼も大盛りで美味し

そうだったわ。

 

うん?お昼時なのに、お客さんが少なめね。以前は席を取るのが難しかったのに、ちらほ

らって感じ。ま、いいや。では、お刺身定食をお願いします。値段は前と同じ1200円。

昼食にはちと高いけど、あのボリュームだものネ。で、待つこと10分。はい、頂きます。

これがあの刺身定食? 量も種類も半分くらいになってました。ええ?うそでしょう?

冗談かと思うくらいにお値打ちダウン。お客がだれでも吃驚していて喜んでいたボリュー

ムはどうなったの? この内容なら、街場では680円がいいとこよ。ははああん。オー

プン後、どっとお客さんがつめかけたので、ボリュームたっぷりに提供するのが勿体なく

なったのね。
それで半分くらいにしちゃったの? お客さんがやけに少ないわけが判明し

ました。決して、してはいけないことを、してしまったのですね。プロの飲食店なら、そ

れが命取りになるのが分かってるから、量を減らすにしてももっと上手に、一見、お値打

ちが変わらないようなテクニックを使うものです。でもここは、飲食店では素人経営なの

で、利幅をもっと出そうとして、結果として貧相な定食にしてしまったようです。

 

二度と来ないだろうなと思いながら店を出ました。それから時々、前を車で通りますが

かつての賑わいからは、ほど遠い状況なのが分かります。流行っている店は、お客さんの

怖さが分かっているから、味と量はめったなことでは変えないものです。残念至極。

オープン当初の心意気を保っていたら、口コミも広がって、リピート客もしっかりとつか

まえて、多くの来店客で、産直品ももっともっと売れているだろうに。

 

2012年5月6日      ・・・続く。

 

 

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