顧客満足の複雑さ161(生活シーンの変化)

      顧客満足の複雑さ161「生活シーンの変化」 

 コロナ禍は、人々の生活に少なからぬ変化をもたらしている。行動制限がかかると、交友関係においてはてきめんに会食機会は減るし、解除になっても以前のようなわけにもいかない。自分に照らし合わせても、総勢20名ほどが常に集った月例飲み会は、この2年間休会のままだし、年に一回参加していた同窓女子会も同様に休止状態で、どちらも再開の兆しはない。一方、2名から4名前後までの会食は、緊急事態宣言下を除けば、感染予防策を遵守しつつ、適時楽しませてもらっている。街に出れば予想外の人の多さにたじろぐことも多くなった。そろそろウィズコロナが定着しつつあるのかもしれないが、世界的なコロナ蔓延は、普通の日常生活がいとも簡単にくつがえされる現実を知らしめてくれた。しかし、それ以上に衝撃だったのは、ロシアによるウクライナへの侵略で、一般庶民が住む家屋が一方的に爆撃されるという信じがたい光景に震撼した人も多いだろう。この侵略はロシア次第ではウクライナ戦にとどまらず、他国への攻撃に飛び火しないとも限らない。狂気は、その行動に何とでも理屈を付けられるもので、それだからこそ、狂気なのだ。日本もこころして、備えなければならない時期にきているのではないだろうか。話し合いが通じるのは、ほぼ価値観を共有できる同レベル同士間でこそ可能であるということだ。 

さて今、食材などのお取り寄せが人気らしい。色々な媒体で魅力的な広告を見る機会が増えた。簡単には手が出ない価格付けの食材も多い。外に回るべき消費が自宅で楽しむ目的に費やされている。高級レストランも自宅用の料理宅配に参入することで売り上げを確保しているという。食材メーカーや原産元もターゲットを個人にシフトして、外食企業向けの売り上げ減少をカバーするのに躍起となっている。ただ、各既存メーカーが販売する冷凍食品の品揃えは、今のところあまり変化が無い。製造販売に時間がかかるとはいえ、そろそろ画期的な冷凍食品が登場してもよい。四国発・加ト吉の冷凍うどんの登場が驚きを持って受け入れられた時代を思い出す。生食をしのぐ食感と味の良さはまさに革命的だった。それ以来、冷凍うどん以上のヒット商品を待っているが、まだ無い。ピザやお好み焼、唐揚げetc種類は増えたものの、個人的感想では生食のレベルを超えてはいない。技術なのか素材なのか価格の問題なのか。いずれにしても冷凍食品は未来に向けてオールマイティ的要素を備える食材として繁栄するべきで、各メーカーに期待したい。

様々な生活シーンの発想転換をうながして、コロナ禍はどこに着地していくのだろう。そして世界はどう変化していくのだろう。歴史は繰り返してほしくは無い。

2022年5月1日  間島

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