【第87回】 食環境の現状(66)

col_g_pic.gif

食文化の豆知識 87 [食文化の現状66]

 

食が健康に寄与する割合の高さが、あらためて見直されています。一口に食といっても

この場合、“食の質”如何が健康を左右する、ということでしょうか。確かに身をもって

食の大切さを感じざるを得ません。自分のことで申し訳ないのですが、学生時代の下宿生

活での私の食事は、今思い返せばめちゃくちゃでした。朝は抜き。昼は学生食堂。夜はお

菓子や果物でお腹を満たす日々。まともな食事は昼食のみといったありさまで、結局体を

こわしました。幸いにも完治し、それ以来これといった大きな病気はしていませんが、き

ちんとした食生活がいかに体にとって重要か、の認識を持ついい経験になりました。

 

しかし、健全な食生活とは一体どういう状態を指すのかとなると、王道はなかなかに難し

い。誰が考えてもまず思いつくのは、バランスのいい食事と食べ過ぎない。この2点でし

ょうか。食べ過ぎないは、呑みすぎないにも通じます。要は、消費する以上に食べ物を摂

取しないこと。バランスとは色々な食べ物をまんべんなく摂取する、の意味の他に、栄養

配分を考えながら食べる、の意味もあります。よく、30種類以上の食材を摂取する、の

を毎日の目標にしている人の話を聞きますが、やはりバランスとは、栄養素の配分がうま

くいった食べ方、なのかもしれません。体にいいからといって、野菜ばかり30種類食べ

ても、タンパク質不足に陥り免疫力の低下を招きます。粗食もまた、お薦めできません。

適量の肉は高齢者であっても必要なのです。お茶漬けと漬け物や甘いものがメインの食生

活では、抵抗力もなくなります。

 

人間は年齢を経るに従って、食生活も変化していきます。言葉を変えれば、変化していく

べきなのです。まず消費エネルギーが落ちます。それなのに若い頃と同じ量を食べ続ける

と立派なメタボ・肥満の出来上がりです。中年以降はやや小太りがいい、と最近言われる

ようになりましたが(いざ病気と戦うときの体力保持のため?)、その小太り状態を保つの

が一番難しいと思いませんか。ちょっと油断すると大太りへ一直線です。痩せすぎも感心

しませんが、自分の足で歩き、結果として自分の頭で考えるには、体型をスリムに保った

方が有利です。回りを見ても、太りすぎの人はおおむね足が弱い。自分の体重が足に負担< /span>

を強いるのです。命つきて倒れる直前まで、自分の足で歩きたい。最近見舞った、寝たき

りの叔母が可哀相でした。歩けさえすれば環境は広がるのに、ただ足が弱って歩けないだ

けで、生活シーンは閉ざされます。車椅子に移るにも人の手を借らねばならない。他にこ

れといった病変は無いのに、こういうケースもあるのです。体重管理は、まさに自分の為

に自分を律することなのかもしれません。

 

               24年10月1日  間島万梨子 食生活アドバイザー

 

カテゴリー: 食文化の豆知識 パーマリンク