某月某日 “古いけど快適であって欲しいって、欲張り過ぎ?・・・” の巻き
暑いです。日本の夏って、こんなに暑かったっけ?子どもの頃の夏は日中は海や山を遊び
回り、疲れたらお昼寝をして、夕方には涼を運ぶ夕立が降って、夜は蚊帳の中でひとはし
ゃぎをして深い眠りにつく。暑いことは暑いけれど、それなりに楽しく夏を過ごしていた
ような。でも今は・・・。夏は嫌じゃ! しんどい! どこへも行きたくない!エアコン
の効いた自宅か車の中が一番ざんす。のはずだったのが、ひょんなことで夏の真っ盛りに、
一泊旅行をすることに。“一面にゆりが美しく咲き誇る草原”のキャッチフレーズが、ゆり
好きにはたまらない誘惑となって、行ってきました。広告用のパンフレット写真はプロが
最高のアングルで撮っているので、実際はちと印象が異なるものだと覚悟してたけれど、
なんのなんの、期待以上に豪華絢爛に色とりどりのゆりが咲き誇っておりました。標高は
余り高くないので、暑かったけどね。ゆりの芳香が立ちこめて、まさ桃源郷ならぬ、ゆり
源郷でごじゃりました。暑くて行き倒れるかと思ったけど、よかった。よかった。
で、お泊まりは、そこから車で1時間ほどでいける、湖のほとりにある旅館。なんでも古
民家を移築したらしく、何だか懐かしいような、それでいて独特の格式があって、今時に
は珍しい雰囲気に満ちておりました。でもネ、やはり寝泊まりするってことは、それなり
の快適さが求められるのよね。だって1人1万6千円だもの。まずまずのお値段でしょ?
時代に即して水回りは改装されて、ウオシュレットトイレだったのはほっとしたけれど、
全体に古さが残りすぎという印象だったわ。部屋にカーテンがないので朝4時から明るく
て寝苦しかったし、畳みも古かったし、窓の外は蜘蛛の巣が張ってたし。古色豊かである
ことと快適さは、同居できるはずなんだけれど、少しその辺の努力が足りないかなと思い
ました。肝心の料理は新鮮な魚介類のオンパレードでそれなりに美味しく頂きました。
働く人達も、優しくていい人ばかりなんだけれど、皆さん、古色豊か。で、ご飯茶碗はひ
っくり返すわ、お茶はこぼすわ、コーヒーはこぼすわで、見ててひやひやもの。都会なら、
愛嬌ですまんだろうな、ってレベルだった。そういうところが素朴でいいと言う人がいて、
成り立ってるのかもね。
そう考えると、古民家をレストランにして営業している飲食店などはたいしたものだと、
あらためて感心した次第です。古いのに清潔。古いのに快適。古いのに接客は上質。なか
なかに努力のいるものですね。
2012年8月6日 ・・・続く。