某月某日 “こだわりすぎてもねぇ・・・”の巻き
今、何でもかんでも、“こだわり”が、金科玉条のように、奉られてるよね。奉られてはおりませんが、○○にこだわりのある店とか、○○にこだわってがんばってます、とか、良い意味にとられることが多いわ。飲食店でもやはり店主のこだわりが、店の個性を際立たせていることがあるので、それはそれでいいと思うのでありますが・・・。でもそこまで、こだわらんといて、というケースもあるのが面白い。先日訪問した、イタリアレストランなんだけど、丁寧で優しい味わいの料理群で、なかなかに美味しゅうございました。ところが!!!。はい、!を五つは付けたい、そこまでこだわらんといて、と、全員の意見が一致しましたわ。イタリアンでも和食店でも、“とりあえず最初の一杯は生ビール“という人も多いよね。そう、我々も同じく、まずは生ビール!となったのですが、出てきたのは、デンマーク産の生ビールで、飲んだことのない味わいでした。癖があるのよね。それもきつい香り。なんというか喉にすっと入っていかないフレーバーだった。人気のあるビールらしいけれど、“最初の一杯”にしては日本人には個性が強すぎるかな。その店には国産ビールがおいてないらしい!。何でも店主が、イタリアシチリアで修業した際、惚れこんだビールで、“こだわり”なのです。でもやはり生ビールなどという、万民が好む飲み物(多分)は、馴染のあるものをまずは置いておかなくてはね。それプラス、店主お薦めの外国のものがある、とかね。半分、残した人もいたわ。生ビールを残すなんてあり得ない!!ワタシは頂きましたよ。飲んだことない忘れられん味だったわ。二杯目にはいいかもね。
こだわり、ってとても大切なのは分かるけど、客に選択の余地を残しておくことも大切な手法よ。押しつけになったら、それは逆効果になるかも。個性が強くても本当に売りたいものがあるなら、ごく一般的なものを用意した上に、こだわりのものを上手に勧めることがテクニックかな。 ・・・・続く。