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顧客満足の複雑さ 123 「プラスティックゴミの憂鬱」

量販店でのㇾジ袋の有料化が加速している。プラスティック海洋ゴミによる環境汚染が問題化し、その対策のひとつとして先進国間で取り入れられており、日本でも早晩レジ袋有料化の義務づけが実施されると思われる。しかし、レジ袋有料化が、プラスティックゴミの減量にどれだけの効果をもたらすかは、はなはだ疑問でもある。何故なら、レジ袋は大方の家庭でゴミ袋として有効利用されているからだ。我が家でもしかり、生ゴミなどは必ずレジ袋相応の袋に小分けしたうえで、大袋に入れて出しているので、配布されなければ買うことになる。よって、使用する全体数が変わることは無い。ゴミ袋有料化による変化と言えば、月に80円ほどの家計負担がふえることと、無駄なゴミ量は若干抑えられるかもしれない。ただ、プラスティックゴミ量を減らすことは難しい。生ゴミと異なり、消費者だけの努力でゴミ量を減らせるものでもないからだ。殆どの商品がプラスティックゴミを連れてくる。 

最も問題化しているプラスティックゴミによる海への環境汚染だが、2050年にはプラスティックゴミ量が魚を上回るだろうという説もある。海洋ゴミを多く排出している発展途上国にまで、その危険性の意識が浸透するには気が遠くなる時間がかかりそうだ。となるとやはり喫緊の解決策は、発生させないこと、に尽きる。ペットボトルが一応、リサイクルゴミとしてかろうじて還元できているとするなら、すべての包装にプラスティック材の使用を禁止すれば、一気にプラスティックゴミ問題は解消する。無いものからは、問題は発生しない。ただ、一時的でも経済は後退するだろう。取扱い企業の混乱とダメージは予想を超えて大きいと思われる。また、プラスティック製品の世界規格を建てようと模索する欧米企業に、日本はうまく連携が取れないままに、後追い型になってしまう恐れもある。先進国では、プラスティック材の生産~消費を規制する動きが現実化している。 

プラスティックゴミ問題の解決は簡単ではない。国同士の攻めぎあいもあるだろうし、何より企業と消費者の責任所在の着地点もまだ見いだせていない。消費者としての小さな対策としては、詰め替えタイプの商品を買う、ばら売りの野菜や果物を買う、などがあるが、スーパーの売り場を見るとめまいがしてくる。ずらりと並んだ即席麺コーナーはプラスティックのオンパレードだし、対面のお菓子・コーヒー売り場も、プラスティック包装が殆どを占める。加えて、野菜や果物、魚・肉類までも、廃棄するしかないプラスティック材に大切に包まれている。日本はプラスティック天国だ。消費者が出来ることは限られており、これらのゴミ化防止への道は容易ではない。ただ世界の、特に先進国での動きは過激かつスピーディで、日本も現在の企業寄りの消極的な姿勢から脱する、有効な対策を世界に示す必要がある。プラスティック素材に代わる、自然回帰型の画期的な技術が日本から生まれる可能性を信じたい。今をときめくIT関連のGAFAより、地球そのものの存続に貢献できるのは確かだ。                       2019年3月1日  間島   

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【第162回】 食環境の現状(141)(食材のブランド力には努力が要る) 

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食文化の豆知識162 食文化の現状141(食材のブランド力には努力が要る)  

久々に、淡路島に行ってきました。目的は3年トラフグ。従来、養殖フグは2年ほどで出荷されるのに対し、淡路島では3年間養殖に踏み切りました。結果として、2年物に対して大振りに育ったフグが、出荷できます。それは淡路島3年フグとして、1年のロスを回収できるほどのブランド力を持つにいたりました。我慢が産んだ淡路島の立派な観光資源の登場です。この島で生産される玉ねぎも、有力な淡路島ブランドとして、経済に貢献しています。道の駅やマルシェには、玉ねぎそのものは言うに及ばず、ドレッシングやスープ、菓子類、スナックに至るまで、玉ねぎを使用したオリジナル商品が溢れています。観光客に人気の高い商品群です。今や、淡路島玉ねぎは、その味の良さが料理人からも認められる優秀ブランドになりました。これだけにかぎらず、淡路島では、難しいとされたサクラマスの養殖にも成功し、3年フグに次ぐブランド魚になる勢いです。 

その土地ならではの野菜や魚介類、肉類がブランドとして次々に名乗りを上げ、今や、日本中、ブランドもので溢れています。それらすべてが、成功しているわけではありません。ブランド化を確立させるには、それ相応の努力の積み重ねがあることも忘れてはならないでしょう。やはり質的内容が伴わないと、いつか廃れるでしょうし、持続供給力も必至です。値打ちを高めるための数量制限も高度なテクニックを必要とします。そう、努力なしのブランド化はあり得ません。ただそこで採れるものにブランドとしての付加価値をプラスする方法もありますが、やはり育て上げるという努力が無いと、採れなくなれば終わってしまいます。かつての北海道のニシンがいい例です。人気の関サバも豊後水道をサバが通ってくれなければ、供給できません。 

世界に目をやれば、ブランド化された商品や農作物が市場を席巻しています。フランスのシャンパンしかり、イギリスのスコッチウイスキーしかり、ドイツのソーセージしかり。イタリアではピザ、スペインはパエリア。日本に目をやれば、国あげての努力というより、各地域の努力に頼っている感がします。先の淡路島もそうですが、京都などは最も成功しているエリアです。豊かな歴史は勿論ですが、京都ブランドの発信力は感心するほどです。それも努力の賜物に違いないのです。淡路島の3年フグやサクラマス養殖も、実を結ぶまで数年以上かかったと聞きます。ですから、他エリアのブランドをうらやむのではなく、官民あげてのブランド創出の努力で、各地域の人気商品を作ってほしいと思います。

2019年 3月17日  食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その153】某月某日 ”ドリンクの出し方は大事・・・・ ”の巻き

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某月某日  “ドリンクの出し方は大事・・・”の巻き

飲食店が繁盛するポイントは、やはりリピート客をいかに掴めるか、に尽きると思うわ。ウチは不特定多数の客で充分に儲かってマスと言える、特別な立地(駅やターミナルにあって、フリの新規客がどんどん入ってくる場所。まずい店も結構あるのよね)を除いては、一度来店した客がリピートしてくれるか否かが、店の命運を握るといってもいいくらい。でも、もう一度是非行きたい!と感じる店って、それほど多くは無いのが現実かな。理由はいろいろ。思ったよりも高かった。雰囲気がいまいち。接客が雑。肝心の料理が口に合わなかったetcネ。勿論、訪問する際には、一応、値段体系とか、料理内容とか、店内の雰囲気に規模とかは、チェックしていくんだけど、行ってみなきゃ分からん!ことがあるざんすわ。

まず接客は、心が感じる分野だし、相性もあるので、現場に行かなきゃ好感度の微妙さは分かりません。それと意外に、ドリンク類が、行ってみなきゃ分からないことが多いのよね。まず生ビール。入れ方も大切だけど、グラスの大きさや格好良さも行ってみたときのポイントになるわ。そして最も提供の仕方に差が出るのは、日本酒。最近の日本酒人気もあって、和食の店は特に品を揃えているところも多いんだけれど、ええ?うそでしょ?ってなる店もあるのよね。値段はそこそこ取るのに、グラスに半分ほどしか入れてくれない。多分、三尺ほどだと思うわ。これは、がっかりします。怒ります(顔で笑って心で怒る)。二度と頼みません。だって、三口くらいで飲んじゃうのよ。一方、グラスは同じくらいの大きさでも、綺麗な受け皿がついて、そこにこぼれるほどたっぷりと注いでくれる店もある。これはうれしい。はい、笑顔いっぱいで追加オーダー!となります。また来るわ!単純やなあ。要は、お客さんに出来る限り、喜んでもらおうという気配りがあるかないかの差であって、先の三口スタイルの店はオーナーが全くの下戸か、めちゃケチか、のいずれかだと思う。お酒の出し方は、本当に気を付けないと、客がつきませんよ。

2019年3月10日・・続く

 

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顧客満足の複雑さ 122 「飲み放題の質」

      顧客満足の複雑さ122「飲み放題の質」 

東京で焼肉食べ放題の店を訪問した欧米系観光客の男性が、テレビの取材で放った一言が、耳に残った。“こんな店、僕の国にあったなら、一週間でつぶれてしまうよ!”他国でも、ホテル内朝食のビュッフェスタイルなどは根付いているが、日本のように、○○食べ放題や飲み放題、を看板に掲げている一般店は少ない。このシステムは、食事量の上限を想定して、なおかつ儲けが出る計画に基づかないと成立しない。つまり日本人の平均的食事量が基礎となって生み出されたヒット作戦なのだ。先の欧米系男性の国で、もしこのような店があれば、想定した上限を遙かに超えた需要で、たちまち店の経営収支は成り立たなくなってしまう、ということだろう。 

飲み放題も同じく、日本でしか通用しない飲食店の経営方法だ。和製英語のフリードリンクは、むしろ食べ放題システムよりもよく目にする。コース料理とセットされていることが多く、いくらかの上積みでドリンク類は飲みたいだけどうぞ、の誘惑はなかなかに強い。どの店もビール、赤白ワイン、日本酒、焼酎、ウイスキーにソフトドリンク類ははずせない定番としてメニューに入れている。ただ、この飲み放題システムの質的内容は、店によってかなりの差異があり、トータルでその店の価値を左右する力を持っていると思う。まずビールだ。飲み放題では、瓶ビール指定の場合が多い。生ビール提供の手間を惜しんでのことだろうが(たまに、客自身がサーバーを使えるところもある)、ここで魅力が半減する。生ビールのフレッシュな味わいを飲食店の魅力のひとつにあげる人も多い。それに瓶ビールについて回る、注ぎ注がれる、という行動が、今や面倒がられる時代だ。極めつけはワインで、飲み放題で用意されるのは、安っぽいグラスでのまずいワインかデカンタで、まれにボトルで供されても、残り物をつぎ足した感が否めないほどのレベルだ。紹興酒を6分ほどに減った状態で出した店もある。日本酒も純米吟醸などは期待できない。 

そして今、レベルアップしたフリードリンクが登場し、飲み放題の差別化が浸透しだした。ビールは洒落たグラスでの生ビールOK。ワインは重厚なグラスに、本格的レベルのものを注いで出してくれる。勿論、飲み切った上での追加オーダーになるが、飲んでいて気分が良いのは確かだ。食べ放題でも、飲み放題でも、一般化すればするほど、質の上昇による差別化が始まっていく。高級店やホテル内レストランでも飲み放題を導入するところが増えていくと思われる。日本に来る外国人観光客にとっては、まるで奇跡のようなサービスと映るに違いないが、質の良いフリードリンクシステムは、集客における強い誘引力になるだろう。ドリンク類の利益率の高さは周知の事実なので、質を高めることで出る不利益よりも、集客力アップによる利益を期待する方が効率が良さそうだ。                            2019年2月1日  間島   

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ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラン トピックス 2019年3月1日 

発信 間島 万梨子

  • ザ・シロヤマテラス津山別邸 オープン  ホテルニューアワジグループは、岡山県津山市にKOKUSAI SQUARE GARDEN「ザ・シロヤマテラス 津山別邸」を2019年2月27日に開業しました。1974年に開業した「津山国際ホテル」の老朽化に伴い、2017年より工事がスタート。“別邸に集う”をキャッチフレーズに、新しいエリア(ホテル・グランドバンケット・みまさかマルシェ)が誕生しました。
  •                                           主な施設概要

1階  ロビーフロント、ガーデンラウンジ、地産レストラ    ン“みまさかキッチン” 地産ショップ“みまさかマルシェ”ほか

2階  グランドバンケット

3階  レギュラーフロア 客室18室

4階  ドッグフレンドリーフロア5室、レギュラーフロア客 室18室

5階  コンフォートフロア 三休 客室15室

6階  特別フロア 湯楼 客室9室

7階  シェフズダイニング “咲楽”さくら

8階  温浴施設・津山温泉 “城見SPA”

9階  展望テラスラウンジ(特別フロア、コンフォートフロア、ドッグフレンドリーフロアの宿泊客対象エリア) 

予約・問い合わせは 0868-24-2111

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【第161回】 食環境の現状(140)(商品のおびただしい多さ) 

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食文化の豆知識161 食文化の現状140(商品のおびただしい多さ)  

また某週刊誌に、この食品が危ない、というテーマで、食品添加物多使用食品一覧が公表されています。読者が注目しそうな題材です。口に入れる食材は、直接的に人体に影響を与えそうで、確かに気を付けねばならないでしょう。その週刊誌を読んでまず驚いたのは、食品添加物の多さよりむしろ、商品の多さでした。見たことも買ったことも無い商品がずらりと並んでいました。例えばパスタソース。スーパーマーケットに陳列されてはいますが、誌面に列記されると、こんなに種類があるんだと吃驚しました。ピザしかり、菓子パンしかり、これほど多くの食品が出回って、果たして望ましい数量が売れているのかと。多分、現れては消え、消えてはまた違う商品が現れるという、繰り返しなのでしょう。加工食品の数の多さと種類の多さは、少し病的にも思えるほどです。それほどに、企業は新製品を開発しなければならないのかと。 

最近ノルウェーに行った人の話が、新聞に載っていました。まず店の少なさ、商品の少なさに驚いたと。ノルウェーはほぼ日本と同じ広さに、約526万人が住んでいます。日本は1億2700万人!消費力が大きく異なるのは当然かもしれません。ただ経済は、産油国なので堅調に推移し、安定しています。店は土日はほとんどが休み、日本のような巨大ショッピングモールなどは見かけないとか。遊興娯楽の提供が極端に少ないが、国民はそれぞれに地味に?生活を楽しんでいる風だ、と記事は語っていました。ある種の憧憬も感じられる文章でした。日本における大量供給と大量消費、どちらが市場をリードしているか、なかなか難しいですが、大量多種類商品供給となると、それは企業側の動きによるものです。醤油でも、お菓子でも、その他加工品でも、買ったことも無い商品が何と多いことでしょう。まさに蕩尽、という言葉が、浮かんできます。それは日用品でも同じです。化粧品、入浴剤、洗髪剤、etc、選ぶ気力も萎えるほどの品揃えです。

期待ほど売れずに、市場から消える商品の行く末は、回収しかありません。一体、どれほどの商品が廃棄されているのか。たしかに、選択が出来る、というのは消費者にとって大きな魅力ですが、足るを知る、への路線に企業と消費者双方ともに、軌道修正していく時期なのかもしれません。人口は確実に減っていきます。経済のあり方も、小さいことから変わっていかざるを得ないのだと思います。

 2019年2月10日  食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その152】某月某日 ”客離れはスグそこに・・・・ ”の巻き

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某月某日  “客離れは、スグそこに・・・”の巻き

飲食店って、名の通り、食べるものを売る商売なので、固形物、つまり衣服とか日用品を売るのとは違って、気が抜けなくて大変だろうなぁ、とは認識しております。でもでもさ、だからといってその都度、味などが変わっていいわけはないよね。お客は、その店のそれはどんな味でどんな量で、いくらなのかを分かって注文するの。それが取引ってわけ。そう立派な商取引ざんすのよ。ところが、約束されたものを売ってお金を得る、という基本的な取引を忘れている店が、結構あるのよね。信頼の喪失ネ。こわいぞおお。

実は、以前は足しげく通っていた、おうどん屋さんから、少し足が遠のいてるの。そこは、本場さぬきの味さながらのシコシコうどんが、手軽に食べられる人気店で、いつも昼時は長い列が出来るほど。ところが、あるとき、うどんが冷めていて、当然に味わいが悪かったわ。でも気を取り直して再度訪問したら今度は、だしというか、つゆの味が変わっていたの。微妙にね。わかるんだなあ。いつも食べてたから。薄くぼんやりとした味になって。で、この何カ月か行ってません。確かにその頃からお昼時でも列が出来なくなっていたような。外から見る限り、まだまだ客は来てそうだけれど、ここらへんで立て直しをした方がいいと思う。やはり人の再教育しかないわ。

お客って、特に日本のお客さんは自分も含めて、直接クレームはつけないで、そのうち来なくなる。店の経営側が、なんでかな?このところ客足が悪いやんか?と気づいたときは、時すでに遅し。じり貧の道をまっしぐら。ぎゃあ!って、脅すわけじゃないけれど、質の均一化と確保は飲食店の基本中の基本。それを軽くみると、痛い目にあうよおぉん。お客さんは神様、なんて思わないけれど、商取引を一方的に破ってはいけません。客はお金を必ず払うのだから、それにいつもの質と味で応えなくては、商売は成り立ちません。早く気付いてね。温度は一定。味も一定よ!

            2019年2月10日・・続く

 

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顧客満足の複雑さ 121 「日本を守り抜く覚悟」

   顧客満足の複雑さ121「日本を守り抜く覚悟」 

昨年は、様々な災害が日本を襲い、わが身に照らしても台風21号の洗礼を受けたが、清水寺恒例の一年を表わす一字に「災」を使われると、いささか、げんなり感が否めない。何故なら、日本の地政学的宿命とでもいおうか、何も無かった年をあげるのも難しく、被害規模の差はあれど、なにがしかの自然災害はどこかで必ず起こり得る。なので、ここは「克」とか「翔」、また「守」とかにしてほしかったと心から思う。 

自然災害だけではなく、一年間という時間は、政治・経済・外交でも変化と達成と混乱などが入り混じり、どういう年であったと一口で表わしにくい長さを持っている。だから日本が日本のままであり続けている限り、その年はまあ、よしとせねばなるまい。それほど、世界では自国が自国で無くなったことで、悲惨な目に会っている人達が多いのが現実で、その結果が大量移民へとつながっていく。その意味では、成立に反対の多かった出入国管理法改正案は、確かに移民対策では無い。が、しかし、自国に人種の異なる人間が観光以外に多く入ってくる状態が簡単に出来上がるという構図は、社会に良く似た結果をもたらす。成立してしまったので、しばらくは様子を見るしかないのだが、歓迎できない法案だった。 

一方、立法関連ではないが、朗報も結構あった。大阪万博開催決定もそうだし、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効も、快挙だと思う。万博開催は長きに渡って大阪府のお荷物だった広大な夢洲が生き返るチャンスで、IR誘致が決定すれば、万博以後も生き長らえることが出来るだろう。TPPは、米国が離脱した後をよくまとめたものだと思う。関税引き下げは、輸入面では幅広い食品の値下げで、消費者が恩恵を受けることが期待されるし、輸出面では企業にとって追い風になりそうだ。色々な問題はその都度、解決していくことになるだろう。 

外交は益々、混乱していきそうだ。激動とまではいかないにしても、世界の潮流の変化は避けられそうもない。その中で、日本が盤石であり続けるためには、好き嫌い・支持不支持が当然あるものの、長期政権がもたらす安定感は確かにある。この一年、しっかりと日本を守り抜く覚悟が、一人一人に必要になると思う。国家といっても、基盤は一人一人なのだから、それさえ崩れなければ日本は大丈夫だと信じたい。企業も個人事業も、背骨の補強がますます求められる年になりそうだ。年末には、心地よい一字を聞けることを祈りたい。                               2019年1月4日  間島   

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【第160回】 食環境の現状(139)(野菜・果物は本当に身近?) 

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食文化の豆知識160 食文化の現状139(野菜・果物は本当に身近?)  

昨年の晩秋から年末年始にかけて穏やかな天候に恵まれたおかげで、ようやく冬野菜が求めやすい価格に落ち着いています。ただ夏場から秋口にかけてあまりに高い価格を見慣れてしまったので、ことさら安く感じるのかもしれません。その中でも、夏野菜は相変わらず驚愕価格です。一本100円の値が付いた、しなしなのきゅうりを見ると、“もう売らなければいいいのに。夏に元気になってまた顔を見せてね“と言いたくもなります。旬の野菜を食べるに限ると言うことでしょうか。

日本に二か月間滞在していた欧米人男性の日常の食生活が新聞で紹介されていましたが、滞在中、野菜と果物は殆ど食べなかったそうです。理由はずばり“高すぎるから”。この言葉は、日本の若年層にもあてはまります。もっとも野菜・果物を食べない層で、厚労省の提唱する、1日350gの野菜・果物摂取量にはるかに届かない層です。マクドナルドでの最安値のハンバーガー・マックダブルなら190円で食べられます。一方、りんご一個が158円、トマト一個が140円。お腹が空いている若い人がどちらを選ぶか、言わずもがなです。この現状を厚労省は農林水産省と協力して、分析~解決すべきでしょう。言うだけならだれでも出来ます。それを可能な状態にもって行ってこその、行政力です。 

事実、先進国の中では、日本人の野菜摂取量はかなり低い水準です。ヘルシーと自慢する和食に野菜が多使用されているかは、答えは簡単には見つかりません。野菜料理は数々あれど、単品で食する習慣が根付いているので、どうしても肉・魚がメイン料理になってしまいます。豪華さを誇る旅館の料理も当然に、肉・魚料理がメインです。また、日本人が大好きな麺料理も使用食材はかなり偏っています。特に外食でのそれには、申し訳程度の野菜しか入っていません。アジアでの麺料理の方が、多くの野菜が入っています。また、煮込み料理の多い諸外国でも、大量の野菜を使用しています。イタリアでは、尋常ならざるトマトの消費量を誇ります。ほかの国でも、安価な野菜をぶちこんだ煮込み料理がとても多い。見映えにはほぼ無関心ながら、確かに栄養はたっぷりのような気がします。なので、家でも野菜摂取が足りないと感じたらクリームシチュウなどを作ります。大量の身近な野菜を使用できるからです。本当に、思い込みと事実の剥離現象は、あちらこちらにころがっています。

 2019年1月13日  食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その151】某月某日 ”今年も辛口で・・ ”の巻き

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某月某日  “今年も辛口で・・”の巻き

もう一月も中旬。大騒ぎの正月もはるか昔のことのようで。はい、少し飲みすぎて、喉に祟りが~~。そう、喉荒れですね。やっと治りかけだけど、お酒はほどほどに!という教訓を胸に深く刻んで、この一年、ゆらゆらと過ごして参ります。

元旦からの三が日でも昔と違って最近は、大きなスーパーや繁華街の店は営業してるのよね。まさに年中無休。子供の頃はどの店も閉まっているので、三が日はおせち漬けの日々だったけど、いまは二日目からトースト食べてるわ。オイチかった。人間、贅沢になったというか、堪え性が無くなったというか。心斎橋あたりは正月はスゴイ人出だったと、知人が言ってました。人気の飲食店は長蛇の列だったらしい。皆、元気なのねえ。というか、正月の雰囲気も、時代と共に変わってきて当然なのかも。今は玄関にしめ縄を飾っている家は、半分も無いし、まして愛車の鼻ずらに、しめ縄を結んでいるのなんて、見たことも無いわ。一昔前に多くの車が誇らしげにしめ飾りをつけて走ってたのが、妙に懐かしいわ。なんてエラそうに言ってるけど、ワタシも正月休みを利用して、近い海外や国内の温泉で過ごしたこともあって、そんなときは、家ではしめ飾りや鏡餅なんて正月らしいことは何もしなかったデス。ま、人それぞれってことね。住みやすい国だと思うわ。

で、今年はどんないい店に出会えるか、とても楽しみ。ホント、飲食店の数は多いけれど、気に入る店ってそんなにないのよね。やはり値段と料理とサービス、それに雰囲気の四拍子揃った店って少ない。お金に糸目を付けなければ、素晴らしい店があるんだろうけど、気楽に訪れて、バランスよく楽しめるのが大事。ということで、今年も辛口で、リサーチしてまいります!

             2019年1月12日・・続く

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