【第14回】 [ 食の安全意識の高まり(8) ]

食文化の豆知識
 
【第14回】 [ 食の安全意識の高まり(8) ]
 
安全な食材供給のための方策は、かつてになく行政も力を入れはじめています。これも、消費者の安全への要求の高まりあってのことでしょう。
そして、安全な野菜や果物を供給すべく〔ポジティブリスト制度〕が5月からスタートしました。野菜や果物に残っている農薬の規制を厳しくしましょうというものです。
 
どう、厳しくなったのでしょうか。従来は、数ある多くの農薬のうち、残ってはいけないものとして283種類(農薬250、動物用医薬品など33)の使用基準が決められており、それを守っていれば良かったのです。しかし新しい制度では、原則としてすべての農薬を対象にして許容基準値を設定。基準値以上の農薬が残留していた場合は、店での販売が禁止されます。
 

詳しく言えば、世界中で使用されている農薬のうち、799種を選び基準値を設け、それ以外のものについては、0.01ppm以上残留してはいけなくなりました。これは、かなり高い安全度だと思われます。増えた指定農薬の基準値は、〔コーデックス委員会〕(世界中で食べられている食品の安全についての規格を決定する委員会)の基準などを参考にして決められました。

 
4年前の中国産の冷凍ホウレンソウから基準値を大きく超えた農薬が検出されたことや、消費者の不安感が広まったことが、この新制度の発足につながったとも言えます。生産する側も、今後ますます厳しい対応を迫られることになりますが、やはり、人間の口に入るものです。赤ちゃんからお年寄りまで野菜や果物を安心して食べられるのは、何ものにもかえがたいのではないでしょうか。

 

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