食文化の豆知識 53 [食環境の現状 32]
某ハイパーマーケット・レジ係さんの挨拶マニュアルがまた変わりました。これで三回
目の変更となります。最初の「マイバッグをお持ちですか?」から始まり、「レジ袋ご入
り要ですか?」と続き、「レジ袋、お入れしてよろしいでしょうか」となりました。ご丁
寧なお言葉だこと。これが最終となるのでしょうか。これほどの変遷は珍しいことです。
クレームが出たのかもしれません。前にも指摘したように、エコバッグを持参している
人はざっと見る限り1割程度で、少量を購入する買い物客です。まとめ買いをするには、
マイバッグは適しません。で、ほとんどの客に「いいえ」と言わせて平然という姿勢に
驚きましたが、比較的短期間でめまぐるしく対応が変わりました。ばかばかしい。ここ
はシンプルに商品量に応じてレジ袋を入れればいい。不要な人はその旨、きちんと告げ
てくれるはずです。レジ係さんも指示がめまぐるしく変わって大変でしょう。お疲れさ
まです。上層部に、エコの最先端を走っているとの大層な自負がおありなのでしょうか。
この店に行く目的は、主にPB商品の購入です。価格的には確かに安いし、内容も納得
できる質です。でもふと考えてしまいます。各メーカーが安価なPB用に身を削って商
品を製造する代わりに、商品棚に陳列してもらっているのだな。小売りの力は益々強く
なるのだろうな。メーカーの悲鳴が聞こえてきそうです。ごめんなさい。買わせていた
だきます。
レジ係といえば、近くのスーパーマーケットに、素晴らしく有能な方がおられます。ま
ず必ずお客の顔を見ての「いつもありがとうございます」の挨拶のあと、実にスピーデ
イーな、そして丁寧な精算が始まります。冷蔵品と野菜、乾きものをかごの中で整理し
ながら納めていくのです。買う時も、一応は分けてかごに入れるのですが、どうしても
商品は混在してしまいます。それを彼女は見事に仕分けてくれるのです。おかげで、と
ても袋に入れやすい。同質のもの同士にきちんと分けて収まっているのを、各袋にスム
ーズに入れていけばいい。プロの仕業を見せてくれます。少し混んでいても、彼女のレ
ジに並びます。結果として早く精算がすむからです。まさに“いい仕事してますねえ”
の言葉を借りたい。どのような仕事でも知恵と技を働かせることが大切なのだ教えられ
ます。
平成21年12月2日 P&Cネットワーク 間島万梨子 食生活アドバイザー