【第39回】 [ 食環境の現状(18) ]

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またも愚かしくもいやしい犯罪が発生しました。何らかの汚染によって工業用への

転化が義務付けられた輸入米が、一業者によって全国に食用に転売され、ばらまか

れました。大きな利ざやを稼いでいたのです。まさに濡れ手に粟とはこのこと。

この事件は偽装ではなく、犯罪そのものです。

 

転売米の最終使用業者、つまり市場での末端の食品製造業者は今のところ被害者で

はあるものの、事の内実を本当に知らなかったのか否かが、厳しく問われるでしょう。

また、万が一、農水省サイドの“見て見ぬふり”姿勢が露見するようなことになれば、

国を揺るがす一大事です。そこに癒着やなれ合いがなかったのか、金銭の見返りの

有無等、徹底した捜査が望まれます。

食品関連業者の企業倫理の遵守と、それをチェックする行政の矜持ある姿勢が、仕

組みの中に普通に循環する体制作りに期待するほかありません。

 

それにしても、米の最低輸入義務を課せられ、年間70~80万トンを中国などか

ら輸入せざるを得ないウルグアイ・ラウンド合意なるものの摩訶不思議さは、筆者

の頭では理解不能です。加えて、その中の汚染米を返却しない、という現状も納得

できません。国と国との貿易も一種のビジネスであるなら、粗悪品は相手国着信払

いでさっさと返品するのが常識ではなかろうかと。農業政策の弱腰外交が透かし見

えます。

 

食料自給率向上政策の為に、少なからぬ予算が農水省に回っているとか。メデアあ

げての危機感発信も、消費者に危機感をつのらせるに充分な効果を上げています。

国民に国内食料の需要を勧める前に、やるべきことは山ほどあると思うのですが。

近所のあちらこちらに点在する小さな農地と、同じ規模での休耕田を見るにつけ、

日本の農業の行く末が真剣に案じられるのです。この国は、本当に世界第二位の先

進国なのですか。

 

平成20年9月24日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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