【第158回】 食環境の現状(137)(国内消費と人口比) 

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食文化の豆知識158 食文化の現状137(国内消費と人口比)  

気候が落ち着いても、トマトやきゅうり、白菜などの葉物は高値安定のままです。昨年のことはすっかりと忘れていますが、野菜類がこれほど高かったという記憶はありません。それほど台風の影響がすさまじかったのでしょうか。この価格に慣れてしまうのも怖い気がします。ガソリン価格と同様に、こんなものか、の諦めは家計に重くのしかかり、ひいては内需の縮小につながります。 

なんやかやと大騒ぎなのにアメリカの経済が強いのは、内需が強いこと。つまり国民の消費力が旺盛なのです。一方、日本はなかなか内需が拡大しない。それは将来を見越して消費に慎重になっているのか、日本人の性格からなのか、理由がはっきりしません。アルバイト代も上がっているし、給料も順調に伸びているのに、何故、国内消費が伸びないのでしょう。日本独特の労働生産性の低さは、GDPの数値には結びつきますが、消費の増減には直接、かかわりは無いはずです。なのに、いつまで待っても、国内消費が思うように伸びません。株価は3年前と比べて倍近くになっているというのに。度重なる災害が、財布のひもを固くし、娯楽を慎む方向へ誘導したとするなら、本当に切ないことです。飲食店などへの影響も少なくないでしょう。 

もしかすると、消費の伸びの鈍化は、年齢人口比がその一因なのかもしれません。だとするならばここは悠然と構えて、数十年後を待つ?という政策もありかなと。二十年も待てば、経済状況は必ず変わります。人口が減っても日本は大丈夫。人口比も変わるからです。隅々にまでよく整った国だと思います。なのでこの良さを保ち続けてほしいものです。日本国民が健全でいる限り、この国はだめにはならない。今、何かと騒がしい出入国管理法改正案の内容を熟知もせずに、こんなのんびりとした考えでいいのかなとも思いますが、世界を見て、お手本になる国が見当たらないのだから、日本は日本のままでいてほしいものです。

      11月22日 間島万梨子 食生活アドバイザー

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