食文化の豆知識 104 [食文化の現状83]
最近は日本でも、禁煙限定の店が増えてきました。今、飲食店はスモーキングに関して三
種に分けられます。店内タバコオールOKの店。分煙式を取っている店。それと全席禁煙
の店です。また、昼夜で別のシステムの店もあって、ランチ時間に限って禁煙、という店
にも出会います。それはランチは客の回転率を高めたいので、タバコをのんびりと吸われ
ると困る、といった理由も無くはないと思われます。分煙式はきちんと換気システムを構
築しないと、煙が流れてくる場合もあります。
やはり日本でも大きな流れは、店内禁煙に向かっているのでしょうか。10年以上も前で
すが、タバコを吸っていた身としては、少々複雑な思いもあります。でも、タバコOKの
店は入るとすぐに分かります。タバコ臭が漂っているからです。ビジネスホテルでも、禁
煙ルームが空いてなく、やむなく喫煙ルームになることがありますが、部屋全体が臭くて
眠れませんでした。吸っていたときは何とも無かったのに、いやはや勝手なものです。
居酒屋やバーを禁煙にするのは難しいでしょう。紫煙の全く漂っていないバーはバーじゃ
ない?愛煙家の言葉が聞こえるようです。仕事のあとの一杯を楽しむ居酒屋も、タバコOK
の店が殆どです。一方、新しい商業施設のレストラン街は終日禁煙の店が目立ちます。そ
の代わりというか、フロアーには、喫煙場所が設けられています。レストランに限らず、
電車のホームからも灰皿が消えました。飛行機は今や、すべて禁煙です。
ファミリーレストランのロイヤルホストが、実験的に全席禁煙の店を広げているようです。
禁煙にして後の一ヶ月で30%減った売り上げが、三ヶ月でもどり、その後は禁煙前を5%
ほど上回るそうです。客層も女性や家族連れに変わり、客単価もあがったとか。これはチ
ェーン店の中の成功例のひとつでしょう。ただ今まで喫煙OKだった飲食店が禁煙に踏み
切るのは容易いことではありません。でも新しく出店した店は分煙か禁煙のケースが多く
なり、徐々に店内禁煙の店が占める割合が増えるものと思われます。時代は逆行しないも
のです。
平成26年3月9日 間島万梨子 食生活アドバイザー