【第15回】 [ 食育の重要性 (1) ]

食文化の豆知識
 
【第15回】 [ 食育の重要性 (1) ]
 
人間の歯は上下で28本(親知らずをのぞいて)。3歳前後になると乳歯が20本生え揃い、6歳頃から順次、永久歯とはえかわります。中学生くらいになって完成するのが通常です。その永久歯が欠落している子供が増えているとの名古屋の歯科医師の調査結果が、以前に新聞に掲載されていたことがありました。
 
一般的に永久歯の欠落は千人に一人の割合で先天的に起こりますが、調査結果では、永久歯が1,2本不足している子供が平均7%前後存在しているとか。
明確な理由は分かりませんが、除草剤が影響しているとの見方があるのです。植物の成長を促す遺伝子を阻害する、グリホサートという成分を含む除草剤が、人体にも悪影響を及ぼしているのではないかというのです。
 
子供の病気には、栄養のバランスのくずれによる他、農薬や食品添加物が原因となっているとの、様々な指摘、警告がなされています。永久歯の欠落についても、可能性が無いとは言い切れません。人間が豊かにいっぱい食べることを 欲し、その欲求に応えようとすれば、大量効率農法、すなわち農薬や除草剤に頼らざるを得ず、結果として人体への様々な影響を及ぼす可能性が出てきたのは皮肉としか言いようがありません。
 
image人間は、食べないと生きていけません。点滴だけでも命は保つことはできますが、口から食べて、内臓で消化して栄養を吸収し、エネルギーに変えることでこそ、人間らしく活動していけるのです。生きるための、もっとも大切な作業? ともいうべき”食べる”ことの重要性は非常に強いはずです。それには子供の頃から、本物の食べ物に出会い、本物を見る目を養っていくことが望まれます。 大人であっても、今からでも遅くありません。”食育”は、子供の食教育にとどまらず、私たち大人も関心を高め、豊かな食生活を目指すための活動として、 真剣に考えていかなければならない”育”なのです。現在の様々な食事情の流れ、子供の食の現状などの中から、食育の重要性を考えていきたいと思います。

 

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