【第18回】 [ 食育の重要性(4) ] |
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今の日本では、体に良いもの、すなわち安全で滋養があって新鮮なもの、を食べることは難しいことではありません。予算に応じて、きちんとした食生活を送ることは、だれもが十分に可能です。大根 1 本と厚揚げが、ファストフードでのハンバーガー&ポテトフライより高いわけではないのです。 予算が潤沢にあれば、新鮮な素材を用いてバラエテイ豊かな料理を食べさせてくれるレストランで、豊かな食事を楽しむことも出来ます。
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生活習慣病としてのメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に、警鐘を鳴らす声がさかんに聞こえてきます。高血圧、中性脂肪、糖過多などは、いずれも喫煙、アルコールとともに、食生活が大きく影響しています。人間のエネルギーの源は“食”なのですから、当然のことでしょう。そして食べることに深く関与している“腸”。その腸は、人間の免疫の60%をしめていると言われます。体に良いもの、体が喜ぶものを食べることで、腸を丈夫にし、強い体を形成していくことはとても大切なのです。
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「ただ、子供の食生活は、自己責任に帰する大人と違って、親を中心とする周りの大人の責任に負うところが大きいのが問題です。甘い炭酸飲料をたっぷりと飲み、コンビニエンスで菓子パンとスナック類を買い食いし、家では肉系の料理ばかりを与えられた子供が、どんな体の大人になるのか、すでに結果が出始めています。子供の体力の低下や若年性糖尿病罹患率の上昇。肥満度も高くなっています。
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早急に求められるのは、どんなものを食べると安全なのか、健康になるにはどんな食べ物が必要なのか、を見極める能力です。望ましい食生活とは、決してストイックなものではありません。“安全で新鮮なものをバランスよく、適量食べる”ことがポイントなのです。
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まず、大人が選食能力を持つことで、おのずと子供の食生活が良い方向へと向かっていきます。ある店で見た光景。親が8種類ものドーナッツをトレーに載せて歩いている後ろから、同じくらい載せてついていく子供。店内での食事です。親子供とも超肥満体型でした。別に人に迷惑をかけているわけでもなし、好きなものを食べて何が悪い。ほっといてくれ?の声も聞こえてきそうですが、やはり、偏った食生活によって生活習慣病になるのは避けたいものです。 健康寿命が伸びてこそ、いきいきと生活できるのではないでしょうか。
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