食文化の豆知識」カテゴリーアーカイブ

P&Cネットワークの間島万梨子がお届けする、食文化や食の安全をめぐる連載レポート。
旬の話題を含めて、食の大切さを綴ってまいります。

食文化の豆知識181 食文化の現状160(食の魅力はどこにでも)

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食文化の豆知識181 食文化の現状160(食の魅力はどこにでも)

スーパーの野菜や果物の陳列が微妙に変わってきました。季節の変わり目と言うのでしょうか。つい先日まで山のように積み上げられていたトウモロコシがどの店に行っても見つかりません。好物で今夏は毎日のように、ゆでトウモロコシにかぶりついておりました。来年までお預けでしょうか。代わりに、と言ってはなんですが、栗や松茸が・・・。栗はともかく、松茸は高くて手が出ません。果物は、百花繚乱のごとく、にぎやかです。梨、柿、ぶどう、りんご、みかんが、美味しそうに顔を並べています。一年中で、今が最も種類が豊富のようで、まさに味覚の秋、の面目躍如です。あと二カ月もすれば、みかんが主役の座に座り、りんごといちごが脇を固めます。いずれにしても、売り場はすっきりとシンプルになります。こちらも迷わずに済みそうですが、みかんの種類が多くて、またまた迷いそうです。

コロナ禍で内食の機会が増え、お取り寄せ食材や高価な食材の売れ行きが良いようです。高い牛肉も結構、売れていくとか。外で食べたと思えば、安いもの?ということで、高価格食材を自宅で楽しむ人が増えている。飲食店は、場所を提供し、接客をし、調理をして、代金をいただいています。より快適か、より丁寧な接遇か、より高級食材か、によって、価格差も生まれます。それと比べれば、原材料だけで済む内食は、実を取るには最適です。でも、やはり外で飲むお酒は美味しいし、プロの料理も楽しめます。これからは、うまく使い分けをするひとが増えてくるでしょう。食べる楽しみの機会は増えた方がうれしい。成熟した食生活、の幕開けかもしれません。 

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識180 食文化の現状159(誇れる食)

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食文化の豆知識180 食文化の現状159(誇れる食) 

日本選手たちのめざましい活躍を残して、東京オリンピックが閉会しました。無観客の淋しさを埋めるに充分な熱気が伝わってくる試合の数々でした。振り返れば、従来であれば、つまりコロナ禍の状態でなければ、開会式は全く異なったものになっていたでしょう。日本の誇る大花火や各地の華やかな伝統色のあるお祭りなどが、絢爛豪華に会場を圧倒していたと思います。でも世界中が苦しんでいる状況下でのオリンピック開催、その開会式として精一杯の創意工夫があったと感じています。ドローンによる神秘的な地球や、自在に変化するピクトグラムも斬新でした。まさにテレビ観賞向けの演出でした。 

そして何といっても、選手たちに食を提供する選手村のレストランが、大活躍だったようです。24時間オープンで、700種類ものメニューを用意し、1日4万5千食を提供したとか。各国の料理に加え、べジタリアン食やハラル食などを揃え、選手たちを支えました。かなり好評だったようで、関係者の方々の努力が報われたのではないでしょうか。美味しそうなお菓子を大きな手で、どっさりと掴んでいくほほえましい映像も流れていました。フルーツもアイスクリームも食べ放題。訪問してみたかった夢のレストランです。事業を請け負ったのは、企業向けの食堂運営を展開する、ケータリングでは最大手の会社だとか。豊富な経験と実績がオリンピックというビッグなイベントでも充分に発揮されたのでしょう。繰り返しますが、この目でずらりと並ぶ料理の数々を見てみたかった。そして味わってみたかった。食い意地が張っております。 

日本が誇れる食文化を、世界へもっと発信してほしい。また国内においても、今回のオリンピックのスケール並のレストランイベントを開催してほしいと思いました。規模の大きさから、大都市での開催が望まれるでしょうが、チケット制にして、フリースタイルで食を味わい尽くす?そうなると、1日では限界があります。何日かかるでしょう。はてさて、かなわぬ夢となりそうです。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識179 食文化の現状158(多作による質の低下)

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食文化の豆知識179 食文化の現状158(多作による質の低下)

季節ごとに出回る果物をいただくのが大好きです。外国でも果物は人気のある食材でしょうが、日本のように生のままで食すのではなく、ジャムに加工したり、ケーキに入れ込んだり、また料理に使うことが多いようです。なので、甘さや見映えにはあまり重きを置きません。外国で食べた果物は、パイナップルやマンゴーのような南国のものを除いては、苺もリンゴも葡萄も桃も、日本以上に美味しいものに出会ったことはありません。それはもう段違いの差異があります。日本の果物は素晴らしい。ただ残念なのは総じて値がかさばります。高いのです。それだけ手がかかるということなのでしょうか。美しい形で、甘さを蓄えた状態での収穫は、多くの手間と努力の結晶です。でも高い・・。日本に住む外国人留学生が、テレビの一場面で日本での食事風景を語っていましたが、果物は一切でてきませんでした。本人曰く“高くて食べられません”

それでも旬の頃には、手ごろな価格になっていることもあり、思い切り味わえるのが待ち遠しい。また品種改良というか、新しい味わいの果実も出現し、果樹農園の方々の努力にあたまが下がる思いです。ただ、ある果物が消費者の人気を集めたとなると、他の生産者もどんどん参入してきて、結果として全体の味と質が落ちてしまう、というケースもあるようです。もう数年以上もまえのことですが、初めて清見蜜柑を食べたときの衝撃は忘れられません。それはもう甘くてジューシーで、ほっぺたが落ちるほどでした。すっかりファンになりました。そして何年か後には市場に清見蜜柑があふれ、中にはこれが清見?と思うようなものも出回り、かつての人気はありません。他に、美味な蜜柑が多種出てきたことも一因でしょうが、清見ファンとしては残念なことです。ある種がヒットすれば、我も我もと生産量が増え、結果として価値を低めてしまう。これを防ぐには、やはり種の保護が必要なのです。品種を名乗る条件を厳格にもうけ、一定水準をクリアすることを義務付ける。そのことによってブランド力が守られるわけです。小玉スイカもそうです。食べやすさと保管の便利さ、それに抜群の甘さで、よく購入していました。今ではスイカ売り場のほとんどが小玉スイカで占められています。良く売れるからでしょう。でも以前と比べ、甘さが物足りなく感じるのは、気のせいでしょうか?このままでは魅力が低下しそうです。品種の開発はたゆまぬ努力のたまものです。それを守る規則がないと、ヒットすればすぐに同じ名前で市場に出てしまう。日本の素晴らしい食を守る意味でも、ブランドのハードルはきちんと守って、価値と質を下げない工夫も必要です。それは世界市場でも求められるでしょう。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識178 食文化の現状157(コロナ禍の特異性)

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食文化の豆知識178 食文化の現状157(コロナ禍の特異性) 

5月にして、早くも梅雨入りです。早く始まったからといって、早く終わるわけでもないようで、いささかうんざりします。宣言後一週間ほど律儀に雨の日が続きましたが、その後、晴れ渡る日も結構あり、その貴重さが身に沁みます。早すぎる梅雨入りが作物の収穫に影響を及ぼさないか気になるところです。

さて、コロナ禍での食事情はいたるところで変化しています。当然に自宅での食事回数が増えました。で、外食に費やしていた予算が食材購入費に割り当てられる。贅沢な食材や食事をやはりたまには味わいたい、という要望に対応すべく、高級食材の宅配やレストランの味の宅配などが、活発化しています。外食関連の取引が激減した漁師さんが、鯛一尾まるごとの個人宅配を始めたところ、コロナ前よりもむしろ多くの売上げを確保した、という事例もあるようです。確かに、店舗数より個人客数の方が数的には多いのだから、直接取引のシステムさえ構築できれば、新たなビジネスが始まるわけです。この消費者への直接取引のスタイルはコロナが収束しても、ひとつのビジネスとしての地位を確立していくでしょう。 

世界で多くの感染者数を出し、亡くなられた人数も尋常ではないコロナ危機ですが、戦争と違うところは、土地家屋を崩壊させないということでしょうか。農業や酪農、水産業も、人的問題はあるでしょうが、根本的な災厄に襲われることはありません。一番の問題は、人が動かないことによる弊害です。国同士もさることながら、航空・鉄道・バス・旅館・ホテル・旅行業・飲食店・コンサート会場・遊興施設などが被った売上減被害は甚大なもので、そこに携わる人達が当然に被害を受けるわけです。一方で、家具什器・家電・食品・日用品・ゲーム関連・衛生用品などは、過去最高益を出したところも少なくありません。戦争と言っても、サイバー戦や経済戦争などは、また異なった被害状況をだすので、一概に国土そのものの疲弊にはつながらないのかもしれませんが、このコロナの、近代国家の隙をついた攻撃力は、グローバル化のもろさを露呈させました。収束後、果たして人類は、より英知が高まっているでしょうか。        食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識177 食文化の現状156(季節の先取りも歓迎?)

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食文化の豆知識177 食文化の現状156(季節の先取りも歓迎?) 

毎年、季節の収穫が早まっているような気がします。温室栽培の普及なのか、“走り”の高価値をねらってのことなのか。いずれにしても、あれ?もう出回ってるの?と驚いてしまうことが多くなりました。例えばソラマメ。収穫は5月頃からのはずが、ここ数年、3月頃には市場に出回ります。ほとんどが鹿児島産で、 有難く頂いています。やはり暖かい土地なので、早目の春の恵みが育つのでしょうか。4月下旬になって地場産も並びだしましたが、それにしても早い。蕗もそうです。すでに愛知産のものが3月から出ています。これもせっせと購入して、煮物で楽しんでいますが、従来は4月下旬頃から収穫できる野菜です。果物も早くも小玉スイカが売られていました。高価なので手は出ません。新玉ねぎも、以前は春の野菜でしたが、2月下旬には棚に並んでいました。驚きです。地球温暖化の影響というより、いち早く季節先取りで売れる商品を出したい、ということだと思います。9月から!おせち商戦が始まるのと似ています。それもこれも競争社会を生き抜くための戦略なのでしょう。

早目の実りを楽しむ贅沢は、昔からありました。まだだれも口に出来ない食材をいち早く味わう。その幸せは充分に分かりますが、やはり季節感のめりはりは、大切にしたいものです。野菜果実は、旬でこそ味わいも栄養も深くなります。自然の恵みを人間がコントロールできるはずもないのです。今、安価で出回っている野菜なども、今後、大雨による日照時間不足が起きれば何倍にも価格が跳ね上がることでしょう。現状の市場原理では、いたしかたの無いことです。自然を支配できるほど、人間の力は強くありません。分散収穫や分散消費でしのぐしか無いのです。何だか、サプライチェーンの分散化に通じるような気もしてきました。危機に対して、出来るだけその影響を薄くするための分散化は常に考慮に入れておく必要があります。それを考えれば、春野菜をいち早く食べられるときにいただく、というのも、ひとつの知恵なのかもしれません。

食生活アドバイザー 間島万梨子

 

 

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食文化の豆知識176 食文化の現状155(取捨選択が必要)

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食文化の豆知識176 食文化の現状155(取捨選択が必要) 

今冬から春にかけて天候に恵まれたため野菜類が豊作であったようで、店頭に買い求めやすい価格で並んでいます。大根80円、白菜一個150円、キャベツ一個120円!冷害で超高値で売られていた時と比べ、有難いやら申し訳ないやら。でもこの際、野菜の大量消費にチャレンジです。はてさて、どうやって頂きましょう。で、ふと見つけたのがユーチューブの料理バージョンです。探すとあるわあるわ、キャベツの食べ方、白菜の大量消費方法、大根まるごと料理などなど、百花繚乱で目移りがしてしまいます。総じてよく出来た内容に仕上がっています。動画での調理画面が主流なので、分かりやすい。料理本が売れなくなるわけです。何度か、参考にさせてもらいました。で思ったのが、料理の味は好みがあるのだな、ということです。当然と言えば当然のことです。美味しそうな映像を見てその通り作っても、ちょっと好みでは無い味になってしまう。他方、とても美味しく仕上がったものもあり。ただ、根が面倒くさがりなので、あれやこれやの画面は参考にみても、ひとつのユーチューブを追っかける気力?がありません。ほんとに不真面目な視聴者です。でも、画面ひとつ作るのにも努力がいるのだろうとは理解できるので感心しています。

今は、だれでもが発信できる時代です。情報があふれています。この傾向はますます加速するでしょう。とても便利でもあり、情報処理能力も問われます。ある種のこわさも感じます。ブログは文章が主流ですが、ユーチューブは動画主流です。テレビの個人版といっていいでしょう。広告収入もユーチューブがテレビを抜いたとか、まだ抜いていないとか、かまびすしい。今後、どういう経緯をたどるのか分かりませんが、映像の文明が変化していくのは確かです。ますます、映像発信の手段と内容は重層的に進化していくと思われます。利用者も感度を研ぎ澄ませて、自分に必要な映像を取捨選択せざるを得なくなるでしょう。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識175 食文化の現状154(期待高まる冷凍食品)

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食文化の豆知識175 食文化の現状154(期待高まる冷凍食品)

コロナは、社会状況を変えています。ビジネスのオンライン化をはじめ、食品を始めとする様々な商品のネット販売の増大など、人の動きの変化に応じてビジネスの形態も変わりました。これらの新しい動きがコロナが収まったあとも定着するのか、また元に戻るのか、予想がつきませんが、その中で確実に成長していくと思われるのが、冷凍技術でしょう。いかに鮮度を保ったままで市場に、そして各家庭の食卓に乗るのか、の技術が開発されているのです。これは期待が高まります。零下30度以上で、食品の組織を全く痛めることなく急速冷凍された食品・食材は、解凍後にもそのままフレッシュの状態を保ちます。生の食材は勿論、天ぷらでもカツでも、揚げたばかりの食感を提供できる技術が開発されています。

スーパーの冷凍棚を見て、いささかの物足りなさを感じている身にとって、まさに朗報です。若干、冷凍食品もグレードが上がってきたと思えるものの、原材料は安い外国産のものが多く、種類も限定的です。今まで冷凍食品を買って満足したものは、本当に一部商品のみでした。それが最新の冷凍技術では、刺身もお寿司も天ぷらも、まさに出来立ての食感が味わえるというのです。夢のようなお話です。いや、お話では無く、近いうちにスーパーの冷凍コーナーに、今までとは全く異にする食材や食品が並ぶことでしょう。まさに革命です。楽しみに待つとしましょう。 

ただ懸念もあります。自宅でも、ゆで野菜などは冷凍して保存することもありますが、家庭用の冷凍庫はせいぜいマイナス20度前後です。どうしても解凍後の食感が水っぽくなってしまう。天ぷらなどは冷凍したこともありませんが、解凍後の味わいは予測がつきます。で、素晴らしい冷凍技術の開発。ただそれらが市場で買えるようになったとき、自宅の冷凍庫に移すと、質が劣化してしまうに違いありません。買って解凍して、すぐに食べなければ味が落ちそうです。さてはて、素晴らしい冷凍技術で生み出された食品たちを、各家庭でどのように食べてもらうのか、楽しみはあと少し、先なのかもしれません。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識174 食文化の現状153(自国ならではの歳時記)

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食文化の豆知識174 食文化の現状153(自国ならではの歳時記)

新しい年を迎えてすっきり、というわけにもいかないようです。気温と湿度が低い冬になればウイルスが浮遊しやすくなり感染力が増す、のは古来から変わりません。近いどこかで、感染者数が高止まりして、その後徐々に減少してくれればいいのですが。さて、15日は、氏神さまがこられることを願いつつ年末にお飾りした玄関のしめ飾りを、はずしました。7日にはすでに鏡餅も片づけています。今年のしめ飾りは時相を反映して、“あまびえ”を中にあしらったものを選びました。厄病除けとして急に人気が高まっているとか。効果のほどは不明ですが、魔除けと聞いて、飾らしていただきました。ただ、“あまびえ”を“あまえび”と長く間違って呼んでいたこともあり、ご利益は期待できそうもありません。

日本の最大行事であるお正月は、そこで飾るもの、食べるものに意味がきちんとあって、一種、清々しさも感じます。おせち料理もそれぞれにめでたさがあり、それらが受け継がれていることに喜びを感じます。他国でも宗教ごとの独自の祝い事や祈祷があります。日本では、それらの深い意味が分からずとも、他国の行事や習慣が楽しみとして定着している行事もあり、それはそれで景気浮揚につながっているのでしょう。でもそれらは多分、徐々にすたれていく。歴史といわれが無いものは根付きにくいものです。バレンタインデイにしても、かつての勢いはありません。ただその時期、様々な魅力的なチョコレートが飽きることなく市場に溢れ、食欲を刺激するといった感じでしょうか。ハローウィンも尻すぼみになりそうな予感がします。企業側がまた別の他国の行事を取りいれてイベント化しそうですね。はてさて、次はどんな騒ぎを仕掛けるのでしょうか。唯一、クリスマスの力?は受け継がれそうですが、それとても街にジングルベルの音が流れ、とんがり帽子をかぶって、クリスマスケーキをぶら下げている人を見かける機会は激減しました。でも、その時期の街のイルミネーションはとても心華やぐものがあって、大歓迎です。

今回のコロナ禍で、グローバル化の波が一気に消え去りました。世界は一つではないのです。どこも自国第一。自国がすべてという、いわばむき出しの本能が勝っています。無理もありません。まずは自国民を救わずして、何のための国策でしょうか。それほどにコロナ禍はすさまじい災厄を世界にふりまきました。収束後は、かつての世界に戻るのか、それとも別の風景が表れているのか、分かりません。今は日本にいて、日本の伝統を守って、日本らしさを生活に浸させたいと思いました。

             食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識173 食文化の現状152(状況に変化は無い)

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食文化の豆知識173 食文化の現状152(状況に変化はない)

 今年も残すところ、わずかになりました。今年一年をどう表現すればよいのか答えが見つかりません。3密に始まり、色々な言葉はあふれているのですが、適格なものは見つからない。コロナ終結後にこの一年を表わす言葉が残されるのかもしれません。ただ個人的には“怖れ”が支配した一年であろうかと思います。その怖れは、情報がもたらしたものであって、情報が乏しい時代では、これほどの騒ぎにはなっていないでしょう。日本では、知人や家族、近隣の人々がばたばたと倒れていくという状況ではありません。通年のインフルエンザよりはるかに少ない患者数にもかかわらず、人の動きをストップせざるを得ないのは、ひとえに欧米各国の惨状が逐一、情報として伝達されるからです。確かにアメリカ、南米、ヨーロッパ、そしてインドでの感染者数と死者数は尋常ではありません。日本におけるウイルスとは種を異にするという専門家もいます。その他、BCG接種の是非とか遺伝子の違いなどなど、色々な説が耳に入ってきますが、これといった決め手はないのが、またまた不安と怖れを増幅させる。また、マスコミ報道が輪をかけて恐怖をあおっています。冬になれば、ウイルスが強さを増すのは常識的に予想されることです。指定感染症という位置づけがある限り、医療関係者の逼迫は緩和されないでしょう。

GO TO キャンペーンは良い方策だったのではないでしょうか。反論はあるでしょうが、感染源はほかにあるように思います。ある新聞の投稿欄に、GO TO トラベルの中止で、楽しみにしていた旅行をキャンセルした、といった歎きの文がありました。え?なんで?と疑問が湧きました。補助金は出せません、という意味でのGO TO トラベルの中止なのであって、旅行はしないでください、といった強制ではないのです。多分、この年末年始、多くの方が旅行されるでしょう。宿でゆっくりと温泉につかり、美味しい料理を食べて、くつろぐ、といった魅力にあらがえるわけはありません。うらやましい限りです。会食も、4人以下で静かな会話を楽しんでの感染リスクはかなり低い。もっとも危険なのは、大人数による大声での飲食と集団生活です。小人数であっても大声での会話は、他客の感染リスクを高めます。しかし、それらは無くなりません。どこにも必ず、そういう人達はいるのです。そして他の人に感染を広めてしまう。誤解を恐れずに言えば、高齢者施設の集団感染の元は、スタッフである可能性が高い。入院している高齢者は動きません。介護施設に通っている高齢者も他の場所を動き回りません。

結局、一人一人の行動様式にかかっているという状況は変わりがないのです。テレビで街の人が、“早く感染者数を減らしてほしい”と発言していました。国にお願いしているのです。吃驚しました。“早く感染者数が減ればよいのに”の聞き間違いであることを祈るばかりです。    

食生活アドバイザー 間島万梨子

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食文化の豆知識172 食文化の現状151(発想の転換こそが大切)

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食文化の豆知識172 食文化の現状151(発想の転換こそが大切) 

関西電力が海老の養殖に乗り出しました。同社の水質改善技術を海老の養殖生産に役立たせようというもので、静岡にバナメイエビの養殖工場を作り、令和4年1月からの市場への出荷を目指すとか。これは水産分野における久々の朗報だと思います。何だか愉快で楽しい。バナメイエビは車エビに匹敵する旨みを持つとされ、現在はほとんどが輸入に頼っています。すでに「幸エビ」のブランド名も決まっているとか。出荷時にはさぞかし話題を集めることでしょう。四方を海に囲まれている島国日本。でも年々、漁獲量は減少し、スーパーの棚を多くの輸入物、それも養殖ものが飾っているのが現状です。これを機会に、優秀な技術を駆使し、国産養殖魚を食卓に届けてほしいものです。 

関西電力の例を見るように、これからは益々、他事業への参画が加速されていくものと思われます。加速されなければ日本の将来の発展は危うい。すでにフイルム会社の医療機器や化粧品への参入など、持っている技術を生かしての異なった分野への挑戦は見られますが、大体が想像範囲内のことでした。これからは柔軟な発想で、自社の技術を生かした全くの異業種へのチャレンジが続々と出てくれば、日本の経済の支えになることでしょう。 

野菜の生産も他企業参入のチャンスが大いにある分野です。生育が天候に左右されるという常識を打ち破るしか、将来の安定供給はあり得ません。野菜工場の登場です。初期投資をどのくらいで回収できるのか、が大きな問題点でしょうが、利益がでるシステム構築は可能です。天候を気にせずに安定供給できるとなれば、出資を募る方法もあるし、直接売買契約の方法もあります。日本では生育しにくい野菜・果物の供給が成功すれば高値販売への道も開けます。すでに葉物の一部を野菜工場で生育していますが、市場からすればごくわずかです。農薬を使用しない野菜の大量安定生産をビルインで可能にする。初夢にはまだ早いですが、愉快な夢は膨らみます。 

    食生活アドバイザー 間島万梨子

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