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【その139】某月某日 ”お気に入り店は自分の判断で・・・の巻き “

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某月某日  “お気に入り店は、自分の判断で・・”の巻き

巷には、飲食店はいっぱいあるというのに、馴染というか、お気に入というか、リピーターになりたい、ってな店は意外と少ないわ。ま、場所や予算で、行きたくても行けない店ってのは、やまほどあるので、自分なりの条件下で可能で、しかも主に味がまずまず満足できる店となると、数えるほどになってしまうのよね。手と足を総動員して20箇所。ワタシの行動範囲はそんなもんだわ。サビチイ。でも口はひとつだし、時間も限られているので、それで充分かもしれない。特にランチは、場所が限られるときが多いから、何軒かを順番に回るケース。値段がそこそこ、味がまずまず、雰囲気がそこそこ、サービスもまずまず(そこそことまずまずでOK!!)な店で充分だわ。でも、夜となると、ずっと行動範囲は広がります。ニューヨークから上海、トルコまでは、無理としても、大阪の北と南くらいは行きまっせ(狭!)

で、最近話題になってることで、何でもある議員さんが自分のツイッター?で、気に入らなかった店をぼろかすに非難したところ、まもなくその店は閉店に追い込まれたんだって。ネット上でもエライ騒ぎになっているらしい。その議員さんは平謝りしたみたいだけど、果たしてどうなることやら。そうだよね。自分が気に入らないからと言って、公職にあるものが名指しで一般の店を非難してはダメだわ。インタビューでは、“いい店だったのに・・”って言ってる人も多かったみたい。でも、考えれば変な話よね。もし私なら、自分が気に入っている店が、そんな政治家の一人にぼろくそに批評されても、行かなくなることは無いわ。だって、そこの料理やサービスなどに、自分がそこそこ満足しているから利用しているので、他人さまがなんと言おうと関係ないわ。逆に返って、同情して行ってあげるかもしれない。だから、分からん話よね。新規の客が減ったのかな?ま、世の中には分からんことはいっぱいあるからいいんだけど、最近の謎の出来事だわ。

              2017年12月10日・・・続く

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【第147回】 食環境の現状(126) (寿司学校の目的)

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食文化の豆知識147 食文化の現状126(寿司学校の目的) 

世界で人気の寿司。でも実際に海外での寿司店が提供しているのは、日本での寿司とは異なるものも多いようです。いわゆる裏巻きのカリフォルニア巻きや、チリソース味の豆が入ったものなど、自由な発想で寿司もどきなるものが産まれています。それはそれでいいのではないかと思います。目くじらを立てるものでもない。我々日本人も、本場にはない中華料理を編み出してきましたし、フレンチでも日本ならではの料理を提供しています。ただ、生魚を出す寿司店の場合、衛生管理が行き届いていることは、必至条件です。 

今、世界で急増する寿司店では、いわゆる、きちんとした寿司職人を必要とするところが多くなってきました。本物の日本人職人を。それだけ、寿司もどきを売る店が多くなったということでしょう。以前カナダツアーに行ったとき、日本料理店でのランチが組み込まれていましたが、すぐに日本人による店ではないと分かりました。料理はもとより、食器が違う、そして料理人の対応と印象が日本人のそれではありませんでした。すべてに不満でした。でも外国人客には日本人かどうかわからないでしょう。大手旅行代理店企画のツアーで、それはないだろうと思いました。だから、海外の寿司店で日本人の職人が望まれるのは、うれしい限りです。 

「飯炊き3年、握り8年」が一人前の寿司職人への道だと言われてきました。そのような常識を打ち破るような、寿司学校が各地で人気だそうです。3カ月でプロの出来あがりを目指して、独特のカリキュラムを組んでいます。鮮度を見極める力や、下処理、さばき方に始まって、握り技術の習得に、大切な衛生管理に至るまで、厳しい指導がなされ、一人前の寿司職人を送り出すのです。海外の日本食店で、実際に日本人が関わる店は1割に満たないとか。日本人が握る寿司、は需要が多いのです。寿司学校は日本人のほか、アジア、ヨーロッパにわたる受講者も勉強しています。それも歓迎です。頑張って、日本の寿司の真髄を、海外で披露してほしいと思います。 

           11月9日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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【その138】某月某日 ”ファストフード店ではない証拠ネ・・・の巻き “

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某月某日  “ファストフード店ではない証拠ネ・・・”の巻き

昔、外食産業に詳しい人から聞いたことがあるんだけど、いわゆるファストフード業界(ハンバーガー店など)に入社するのは、人文系ではなくて理数系が多いんだって。つまりサービス業ではなくて、食品製造販売業ということね。いかに早く、いかに一定温度で、いかに均質なものを提供するかが要で、接客も完全マニュアルに基づいているから、化学の分野に入るんだって。聞いたときは、そういうものかいなと思ったけど、なるほどと思い当たることもあるわ。

今、人気のうどん店は、○○製麺と銘打って、安い、旨い、早いの三本立てで頑張ってるみたい。ワタシもときどき、利用させてもらってるの。コシがあって、値段も安いし。でも先日、注文したうどんが、冷めていたので吃驚したわ。ぬるい、って感じね。今までそこでは熱々のうどんしか、食べたことが無かったので、ぬるいうどんって、こんなにまずいの?って思ったわ。で、分かったの。ここは表向きはファストフード店的だけど、人のさい配というか、作り加減が大切な一般的な飲食店だってことね。ファストフード店では、一定温度の提供は必須条件で、運ばれたものが冷めていることは、起こり得ないはずだもの。このうどんチェーン店は、見た目は完全マニュアル化してるようだけど、人の技、さじ加減が大切な要素だったんだ、と逆に、見直したというか、もっと頑張ってよね、と励ましたくなったわ。
でも、今度行って、またぬるかったら、もう行かないからね!

                         2017年11月9日・・・続く

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顧客満足の複雑さ 107 「画期的な商品開発と発想力」

顧客満足の複雑さ 107「画期的な商品開発と発想力」飲食担当 間島 

技術や文明がある程度成熟した先進国家においては、各企業はさらなる高付加価値の製品開発に余念が無い。日々、開発に明け暮れているといっても、いいかもしれない。この時代、人をあっと言わせる商品を開発できれば、それこそあっという間に世界市場を席巻できる。薬品業界、自動車業界、IT関連業界などは特に魅力的な新商品が企業の発展を約束するので、多くの力と金を注ぎ込んでいるはずだ。消費者の販売意欲を刺激する新商品が出れば、景気も上向く。 

現実に、画期的なものの萌芽はある。人類の今後を左右するであろうiPS細胞における最新再生医療をピンとすれば、様々な分野での小ヒット商品は出てきている。低価格の電気自動車やより便利な携帯電話、アイロボットに象徴される家電業界の進化etc、これでもかと思えるほどに、企業の開発努力は続く。新商品が出ると、企業側の発想力と実現力に感心することが多いが、やっと出てきたか、と思うこともある。それは多分、背景に消費者のニーズをすくい取る姿勢があったのに違いない。 

飲食店や宿泊業界、それに交通関連業界は、身近な例として生活に密着している。フェリーやバスの高級化はまさに消費者のニーズが生んだ世情だと思うが、ここにきて驚いたのは、アメリカのロスアンゼルスからサンフランシスコへの長距離バスに、約20の二段式完全寝台型が登場したことだ。寝具や環境に快適な寝心地を約束している。夜11時に出発して明朝の7時に着く。約1万3000円だから、1万円を切る飛行機と比べても結構な価格になるが、夜間睡眠時の有効利用と乗降車の簡便さが受けて、人気と話題を集めているらしい。飛行時間が1時間30分でも、前後の煩雑な飛行諸手続きを嫌う人のニーズに合った新商品だと言える。さて、飛行機の二段式完全寝台型は、不可能という3字で無視されるのだろうか。 

世の中には、今まで考えられないようなサービスや新商品がまだまだ待機していると思うと、楽しくなる。想像を超える商品もあれば、消費者のニーズをうまくすくい取ったものもあるだろう。固定観念を超えた自由な発想が必要だ。かつて日本が先導した家電やIT関連が、アメリカなどの後塵を拝しているのはとても残念でならない。日本初の画期的な新商品が出てきて、世界が追随する日が来るのを夢見ている。

             

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ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラントピックス

ホテル&レストラン トピックス 2017年11月9日 

発信 間島 万梨子

  • 「海のホテル 島花」に、ドッグフレンドリーヴィラ オープン

株式会社ホテルニューアワジ(兵庫県洲本市)では、「海のホテル 島花」に、専有露天風呂付ドッグフレンドリーヴィラを、11月2日にオープンしました。海辺のオーベルジュとして2010年にオープンした「海のホテル 島花」は、開業当初から愛犬と泊まれる宿として人気を集めてきました。今回、新たにオープンしたのは、広いリビングをはじめ、和室にツインベッドルーム、専有露天風呂付テラスを備えた、151㎡1室と96㎡の2室の、ゆったりとした空間のラグジュアリースイートヴィラです。 

概要

所在地   兵庫県洲本市小路谷1277-5
定員    TYPE A 151,3㎡  最大定員6名
      TYPE B 96,6㎡   最大定員5名
料金    TYPE A 一人¥41,040~(2名1室の場合・一泊夕朝食付)
       TYPE B 一人¥32,400~(2名1室の場合・一泊夕朝食付)

※宿泊可能な犬の大きさは、室内犬(柴犬程度まで)
※ 室内にはケージやドッグマット、フードボウルなどの愛犬用グッズも
 そろっています。 

          予約・問い合わせは 0799-22-2521

 

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顧客満足の複雑さ 106 「野菜摂取量の是非」

顧客満足の複雑さ 106「野菜摂取量の是非」 間島 

昼食は外で取ることが結構多い。大体が麺類中心なので栄養のバランスは余り良いとは言えないが、高い頻度で利用しているチャンポン店では優秀な栄養満点のメニューをいただくことが出来る。麺の上に乗っかっている野菜や豚肉のボリュームは、一日の摂取推奨野菜量350g超大盛りに始まって、やや大盛り、並盛りの3種が用意され、350g盛りのチャンポンは食べ切れないほどだ。よって、やや大盛りが注文時の定番だが、それでも野菜と豚肉で200gほどはあるので、昼食としては十分な野菜摂取量だ。なかなか外食で充分な野菜を取る機会は難しい中で、このチャンポン店の存在は有難い。 

平成28年度の「国民健康・栄養調査」(厚生労働省公表)によると、同年の日本人の一日の平均野菜摂取量が276.5gと前年より17.1g減り、この10年で最低になったという。ちなみに、日本では国が勧める世界基準の一日野菜摂取量350gを今まで一度もクリアしたこともないし、摂取量は米国や中国にはるかに及ばない。理由としては、食べ切れないから、調理に手間がかかるから、値段が高いから、外食が多いからの4つが上位を占めているらしい。それぞれもっともな理由だと感心してしまう。手間がかかるのは、日本の野菜料理は酢の物や煮物、炒め物などと調理方法が多彩だからで、大量に野菜を投入する煮込み料理を主とする国では一気に野菜不足は解消できそうだ。値段が高いから、はその通りで、何故日本では野菜がべらぼうに高いのだろう。きゅうり一本が70円、トマト一個が150円、ほうれん草一束が200円と聞けば、市民が卒倒してしまう他国も多いはずだ。 

そしてまさに、食べ切れない、が推奨野菜摂取量に届かない肝心な理由だと思われる。日本人の一日平均摂取カロリーは2500前後キロカロリーで、米国人の3500超キロカロリーには1000キロカロリーも少ない。つまり分母がこれだけ異なるのに、分子である野菜を同じ量の350g摂取しなさいというのも無理というものだろう。体が違うのだ。日本人の摂取カロリーは先進国群では最低ラインで、開発途上国並みだが、肥満度は低く、世界有数の長寿国だ。自慢していい。そろそろ厚労省も世界基準数値とやらにとらわれず、我が国独自の基準値をどうどうと打ち立てればいい。我が国民は小食につき、推奨野菜摂取量も我が国独自の数値で行きます、と主張してほしい。そうすれば野菜摂取量が目標に届かないと毎年やきもきすることもなくなるだろう。ただ、もう少し野菜の価格が低くなる手立てはないものだろうかと思う。ある特定地域では休耕田を野菜農場に転換して、その収穫野菜を野菜加工企業に売ることで収入を劇的にあげたと聞くが、日本全体で農地の集約化と効率化を図り、野菜価格を下げようとのビジョンはまだ見えてこない。

                         2017年10月1日

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【第146回】 食環境の現状(125) (良質なHMRを)

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食文化の豆知識146 食文化の現状125(良質なHMRを) 

HMRとは、ホームミールリプレースメントの略で“家庭の食事に代わるもの”という意味です。アメリカ初のMS(ミールソレーション・食事の問題を解決する)とほぼ同様の位置付けでしょうか。要するに、惣菜のことです。女性の社会進出や高齢者世帯の増加を受けて、近年、その市場は大きく広がってきました。スーパーやデパ地下でも、惣菜売り場がかなりの面積を占めています。それだけ需要があるということです。スーパーマーケットのすぐれたマーケティング戦略でもあります。 

HMRと一口に言っても、様々な種類があります。献立に合わせた材料がセットされたもの(鍋用のセットなどです)。冷凍加工品(お好み焼き、たこ焼き、弁当用おかずなど)。調理済みでそのまま食べられるもの(寿司、サンドイッチ、揚げ物、サラダなど)が主な種類です。最近は本当に便利なものが出てきて、鍋用の出汁など、家ではなかなか作れない味わいのものがあり、重宝しています。まさに食のお助けマン、といったところでしょうか。しかし、本来の意味、すなわち、家庭での食作りの負担を軽減するために、食材や味にこだわった良質の食事を提供すること、を第一義としたMSとは言えないのではないか、と思われる惣菜があふれています。かなり質が悪い惣菜も、大きな顔で売られています。 

家で作る料理に、とって代わろうというにはおこがましいレベルのものが氾濫しています。衣だらけの揚げ物、中身スカスカのイカリングフライ、輸入野菜オンパレードの煮物、後味の悪いサンドウイッチ、合成着色料まみれの巻きずしetc。これらは確かに求めやすい価格で売られていますが、その目的は前述の、家事を補助するための良質な食の提供、というよりは、売れ残りを防ぐための食材の有効利用、すなわち賞味期限ぎりぎりになった食材に手を入れることで、ロスを防ごうという意味合いの方が大きいのではないでしょうか。家で料理を作り切れないときや忙しいとき、元気の無いときなど、惣菜に頼るのは当たり前のことですが、もう少し良質の惣菜が出回ってもいい。先の鍋用スープなどは、大ヒット商品になりました。要はアイデア力です。いつまでも店頭に、質の悪い揚げ物を並べて置かないでほしい。妙に甘すぎる煮物も撤退してほしい。残り物有効利用の発想ではなく、真に家庭の食事に代わる良質のものを開発販売してこそ、厳しい市場を生き残ることが出来るでしょう。 

           10月8日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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【その137】某月某日 ”久々の大外れ・・・の巻き “ 

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某月某日  “久々の大外れ・・・”の巻き

10月になっても、少し動けば汗ばむほどで、ホント、日本は夏か冬かの二極化が進んでると思うわ。だって、多分この気温では、北欧あたりではランニングシャツとホットパンツどころか、公園では男女とも上半身裸で寝転んでると思う。行きたあい!この目で見たことは無いけど、日本の今は、彼らにとっては立派な夏にちがいないわ。で、日本ではこれから急に寒い冬がやってくるのよね。フトコロもちゃむい。

気を取り直して、近くに出来た道の駅のレストランに行ってきました。中にある農産物&魚介類販売の店には何度か足を運んでるけど、レストランは初体験。どれどれ?まず入り口のカウンターで先払いで注文するのね。選ぶと言ってもメニューは4品ほどで、ここは手堅くお勧めのラーメン(一番でかい写真だった)をオーダー。店内はやけに広く、雰囲気はまるで学校の食堂そのものね。味もそっけもなく、インテリアと呼べるレベルでもない。完全セルフサービスで、お水とお茶を自分で注いで、出来上がった料理を盆に入れて、テーブルへ。別にセルフサービスでも全く構わないのよ。料理が美味しければね。で、食べ終わって、即結論。もう二度と来ません。これほどはっきりとした結論も珍しい。値段は高い(ゆで卵半分、小さいチャーシュー2切れ、かまぼこ一切だけのただのラーメンで880円だよん)、味はいまいち、中身は貧相、そして器もうどん用を使用。時折利用している、他のラーメン店と比べてはるかに低レベルでした。いまどき、こんな形態で営業しようという勇気?には感心しました。

近所の人に、感想を言ったら、“みんな、まずいと言ってたよ。先に聞いてよ”と言われてしまった。せっかく、鳴り物入りでオープンした道の駅なのに、勿体ない。美味しければ、いい意味での循環が始まり、にぎわうだろうに。ま、一年ももたないと思うけど(だって、地元客のリピートが望めない)、残念至極。素人でも、もっといい店を作るよ。ワタシにまかせればよかったのに。一カ月も、もたんだろうって? 
一カ月もつやろか。

                      2017年10月8日・・・続く

 

 

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【第145回】 食環境の現状(124) (情報の進化)

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食文化の豆知識145 食文化の現状124(情報の進化) 

海外に住んだことが無いので断定はできませんが、日本ほど食に関するテレビ番組が多い国は無いのではと思うほどに、いつもどこかのチャンネルで、食事風景が流れています。実際に店を訪問して料理を食べていたり、生産農家を訪ねて食材を調理したものを食べていたり、ドラマ仕立てで出演者が食べていたり、とにかく食の場面がいつも流れています。いささか飽食気味ながら、食べるという営みの原点に訴えてくるので、興味をそそられることが多いのも確かです。人は毎日、何かを食べなければ生きていけないわけですから、食べるのに飽きないようにしたい。その意味では、手を変え品を変え、食風景を流す番組は、食欲増進に役に立っているのかもしれません。 

生活範囲のエリアにある飲食店にランキングを付けて、人気度を競い合う番組のなかで、特に人気度が高かった店を実際に訪問したところ、期待を裏切らない美味しさでした。お笑い系芸人が主体なので、おふざけ傾向が前面に出ている番組ですが、少し見直したい気分になりました。インターネットでも飲食店の情報は豊富です。専門サイトは言うに及ばず、個人発信のおすすめ店など、まさに百花繚乱。大いに参考になります。そこで、思い出しました。20年ほど前のことです。私たちはチームを組んで、旅館や飲食店を対象に“ホームページを作りませんか“の提案をしていました。反応は弱く、ホームページなど要らない、との返答が殆どで、そのプロジェクトは立ち消えになりました。方法と手段が力不足だったのだと思いますが、今や、何らかの形でもホームページを持たない飲食店は皆無に近くなりました。逆に、ネットで探せない店は信用出来ないといった雰囲気です。たかが20年で情報伝達がここまで進化したということは、この先20年で、どんなことが起きるのか予想もつきません。今が、飽和状態なのでしょうか。それとも? 

             9月10日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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顧客満足の複雑さ 105 「様々な世論調査」

顧客満足の複雑さ 105「様々な世論調査」飲食担当 間島 

内閣府が昭和32年度からほぼ毎年実施している「国民生活に関する世論調査」が8月に公表された。それによると、現在の生活に満足していると回答した率が、過去最高の73.9%となったという。「所得・収入」「資産・貯蓄」「食生活」「住生活」「自己啓発」「レジャー・余暇生活」のすべての項目で、各満足度が過去最高を記録した。内閣府は景気の緩やかな回復が原因と分析している。この結果をにわかに信じがたい向きも多いと思われるが、世論調査そのものが氾濫している昨今では、それぞれの受け取り方があっていいのだと思う。ことにこの結果は、“国民すべてが現状の生活に不満を抱いているに違いない“との認識に偏りがちなメディアにとっては見たくない数字であっただろうと思うと、いささか愉快でもある。 

確かに、求人率は上昇し、アルバイト時給は過去最高を記録し、今春の大卒就職率も過去最高の97.6%だった。この事実現象を、単に人手不足のもたらした恩恵ではないかと冷たく無視するのも無理筋だろう。企業業績が伸びているのだ。国内消費は期待するほど伸びてはいないらしいが、とにかく景気動向は数字でしか判断できない。国内総生産も予想以上の伸びを示した。そして、前記の内閣府の調査結果も確かな数値なのだろう。特定のメディアの自己陶酔による正義感がいかがわしいものに見えてくる。ただ、この調査における政府への要望では、社会保障の整備や、高齢者社会対策、雇用・労働問題への対応、防衛・安全保障問題、などが上位につらなっており、国民の現実的な賢明さを垣間見ることができる。 

一方、世論調査を含むすべての調査は、設問の内容や回答形式仕様如何によって、調査元が結果を誘導しやすいものだ。飲食店や宿泊施設に用意されているアンケート調査なるものもしかりで、一体何のために実施するのか判断に苦しむ場合もある。つまりどのような結果が出ても、それに対応できる体制がなければ全く意味がない。また適切な結果分析力がなくては、調査そのものが徒労に終わる。それより、長く繁盛している他店を視察する方が余程勉強になる。客が少なく元気のない店を見るのも反面教師となる。クレームはともかくとして、客のご意見を調査で知ろうとするより、自分自身が客となって他店を見ることで、自店がはっきりと見えてくるものだ。世界の飲食店やホテルでは、日本人客は“妖精”といわれているらしい。料理や待遇が気に入らなかったら、何も言わずすっと消えていなくなって二度と来ないからだとか。国民性を良く表しているものだと妙に納得してしまった。

                          2017年9月1日

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