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【第167回】 食環境の現状(146)(無断キャンセルの予防)

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食文化の豆知識167 食文化の現状146(無断キャンセルの予防)  

予約客の当日無断キャンセル・ノーショーは、ホテルや航空会社にとって頭の痛い災厄ですが、現実にもっとも無断キャンセルが多いのは飲食店で、予約客全体の1%にのぼるともいわれています。特にグループ予約の無断キャンセルは、売り上げを圧迫し店に大きなダメージを与えます。食材のロスや席の無価値化など、被害の大きさは計り知れません。店側の当事者になってその場面を想像すると、胃が痛くなってしまいそうです。飲食店の無断キャンセルが増えたのは、ネット予約が一般化したことも理由のひとつでしょう。声が聞けない、顔が見えない状況での予約は、あくまで機械的で責任感を持ちにくいのかもしれません。経験から言えば、店に直接に電話して人数やら料理の相談をしたうえでの予約は、そこから店とのつながりが出来るように思います。だから何らかの変更もまた、必ず連絡を入れる。何故なら、予約時の声が記憶に残り、その声の主を裏切ることの罪深さを感じるからです。大げさではなく、人と人との関係はそういうものではないでしょうか。

無断キャンセルによるロス対策としては、キャンセル料の徴収や食材の有効利用、または保険での充当まで出てきました。ただいずれも手間とストレスがついてきます。やはり無断キャンセルをあらかじめ阻止するのが一番です。あくまで個人的な意見ですが、思い切ってネット予約は受け付けないことです。もしくはネット予約時には店側から電話確認を入れて初めて予約成立の形をとるようにするのも一策です。また4名以上の場合の予約はネットであれ電話であれ、当日の前日までに最終確認の電話を入れてもらうことを義務づけるのです。そのくらいの要望はしていいと思います。お客様は神様ではないのです。これは、正式なビジネス取引なのです。店側は客に相応の料理とサービスを提供し、利用者はそれに対してお金を支払う。これが取引で無くて、何が取引だというのでしょう。突発的な事故・事件による不可抗力な無断キャンセルもあり得るので一方的に弾劾はできませんが、飲食店で増えている現実を踏まえると、予防策は念入りに講じすぎるくらいで、ちょうどいいように思います。

      食生活アドバイザー 間島万梨子

 

 

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【その160】某月某日 ”さっさと大規模リニューアルしてほしいわ・・・・ ”の巻き

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某月某日“さっさと、大規模リニューアルしてほしいわ”の巻き

今年は、とても穏やかな年明けでした。たいして寒くもなく、暑くもなく(当たり前じゃん)凌ぎやすかったわ。あ、ゴメン、寒波が来て大雪のところもあったんだよね。どうも、ぼーとした気候のところに住んでると、頭もぼーとしてきて、南北に細長い日本の、特に北方面の冬の厳しさに鈍感で。ハワイに住んでるのかって?いいえの、大阪のど田舎でございますわ。

気を取り直して、今年もキビチイ眼で、店リサーチをしてまいります。というと、エラソウだけど、本当はとても寛大というか、どうでもいいのよね。自分の店でもあるまいし、繁盛しようがどっつぶれようが、好きになされ、ってこと。でも期待はあるのよ。自宅からほぼ同距離くらいに、同じ系列の大型ショッピングセンターが二か所もあるので、どちらにも一応、まずまずの気に入りの飲食店があるんだけど、片一方のところはそろそろ入れ替えしてほしいんだわ。というのは、一方のところはオープン10年後くらいに、飲食店が半分以上入れ替わって、質の底上げがあったのよね。でも、もう一方のセンターはまだオープンして数年だから、当分は現状維持ってことよね。それが、並みいる飲食店群の中で、まずまず気に入っている店は2店舗しかない。他の店にも一応行ってみたんだけど、焼肉店は肉がゴムみたいな店だったし、お子ちゃま用のイタリアン風の店がやけに多いし、どうも個人的に見て、ぱっとしない店群なのよね。土日は知らないけど、平日はどこもガラガラ状態。そうそう、気に入っている店以外はね。エヘヘ、見る目あるでしょ、もとい、いい舌してるでしょ。ほんま、他の店は全部、もっと魅力的な店に入れ替わってほしいわ。なんで美味しい焼肉店、オイシイ串揚げ店、おいしいそば店、goodテイストなパスタ専門店が無いんだろう。それもリーズナブルなお値段で。

ま、大幅リニューアルは、簡単には実施できないけど、いつかはあると思うわ。名に知れた、厳しい大家みたいだから。でも今年は、去年、町中のロード際で新たに訪問した2店舗がまずまずのレベル(値段・味・品揃え・雰囲気ネ)だったので、選択肢が広がってウレピー状態。でもまだまだ増えてほしいわ。ド田舎でも、結構外食ニーズは高いと見えて、バランスは取れてるな、と思った店は、とても繁盛してるので、昼間などは空席が無いこともあるの。だから、そこらじゅうに、いっぱいこっぱいある空き地に、新しい飲食店を出してちょうだい。責任は取らんけど、食べに行くからさあ。ただしレベル(得段・味・品揃え・雰囲気)が、今一だったら、一度切り、ということでスミマセン。                 2020年1月5日・・・続く

 

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【第166回】 食環境の現状(145)(災害への対応の発想)

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食文化の豆知識166 食文化の現状145(災害への対応の発想) 

今年も、災害が日本を襲いました。昨年は主に西日本が地震や豪雨や猛烈台風に見舞われましたが、今年は東日本に上陸した台風による大雨で、多くの河川が氾濫し、多数の尊い命が失われました。関西に住んでいる身としては、昨年の台風21号は記憶に残るすさまじさでしたが、その前の西日本豪雨では100名を超える方々が犠牲になりました。そして今年。東日本への台風19号などの上陸がもたらした被害は甚大におよび、まだまだ復旧は完全ではありません。巨大地震はもちろん致命的な被害をもたらしますが、山国日本では、豪雨による川の氾濫・決壊が人命を奪ってしまうケースが、とても多いように思います。 

この河川の氾濫を完全に防ぐのは不可能なのでしょうか。勿論、危険度の高さに応じて、どの川も防災工事を施し、氾濫予防に努めていますが、予想をはるかに超える雨量によって水位が急上昇し、氾濫にいたってしまう。このような被害が繰り返し発生しているのが現状で、となると抜本的に発想を変えるしかないでしょう。河川から数キロ範囲内には住宅を構えない、というシステムです。狭い日本なのでそれは無理、と諦めないで、モデル地区を作ってみることです。河川近くから数キロの緩衝地帯に徐々に斜度をつけ、その先の住宅地で20メートル程度の高さに及べば、まずは水害は免れます。勿論、数値的な精査は必要ですが、要はやる気があるかどうかです。日本では業者優先の傾向があり、鉄道でも河川でも、ほんの至近距離で宅地開発が進みます。JR福知山線脱線事故も、仮定の話になりますが、電車が突っ込んだあのマンションが無ければ、被害はより少なかったかもしれません。あのマンションはどう見てもカーブする線路から近すぎる場所にありました。

狭い日本。でも人口は減っていきいます。住宅も余ってくる。被害者救済は勿論必要ですが、被害の減少への投資に目をむける発想を持てば、住む場所の選定の規則もそろそろ必要になってくるような気がします。数十年以上、もしくは百年以上の成果期待になりますが、災害は揺るぎがないほどに、間違いなく、そして繰り返し襲ってきます。東日本大震災での津波被害地区の再生形は、大きな悲しみを抱えながらも、来る日本のモデル都市になるでしょうか。

            食生活アドバイザー 間島万梨子

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 顧客満足の複雑さ131「広報の意義と実行」

      顧客満足の複雑さ131「広報の意義と実行」 

ある程度の規模を備える企業なら、業種業態を問わず広報部門があって、対外の関係者および不特定多数に向けて自社のPR業務を行っている。広報とは“一般に広く知らせること”を原則としながら、目的は自社のファン作りであり、社内の一丸化である。各社によって、具体的実施方法の差異はあるが大体が似通った広報活動となっている。宿泊業界や飲食店業界も同様である。ただ、それが成功しているかどうかの判断は難しく、直接売り上げに即、結びつくものもあれば、効果に時間がかかる活動もあり、一概にこの方法が正しい、と言えるものでもない。広報活動が似通ったものになる所以でもある。しかし、情報化社会において、広報の意義は大きく、決してないがしろに考えてはならないと思う。そして、中小企業ほど広報が必要なのに、実際に力を入れているのは、大体が大企業ないし有名企業という現状がある。

広報というと、部門を作り専門人員で組織化し経費もかける、との認識から、中小企業ではとてもそこまで手が回らない、との反論がありそうだが、多種多様な広報活動は大小にかかわらず企業にとって必須であるという意識の転換が必要だろう。まず自社・自店の存在を知ってもらい、何をどのように売っているのか、そこにどのような魅力が付加されているのかを知らしめずして、どんな将来図を描けるのだろう。一般消費者向けのビジネスではなくても、チャンスは意外なところからやってくるものだ。一人一人の背景には、また異なる人がいて、さらに異なる環境が広がっていく。一例として、車での移動中、前の車の後部や側面に会社名が記載されているのを良く目にする。社用車だろうが、会社名のみなので一体何の商売をしているのか分からないケースが殆どだ。もしそこに、取扱い商品や何のビジネスかが分かる見やすい文面があれば、頭の一隅に残る。ひょっとすると探している分野かもしれないし、知人が関連している分野かもしれない。ひとりの人間はひとりではないのだ。広告の場を自ら閉ざしているようなもので、車体広告費が発生してもテレビなどとはまた異なる効果も期待できよう。

有名企業であろうと、広報活動を怠ると必ずしっぺ返しは来る。人は忘れやすいし、自社名は思うほど浸透してもいない。あるテレビ番組で、出演している芸能人の名前を街の人に尋ねる、という企画があった。大物芸人と自負していそうな出演者たちが正確な芸名を呼んでもらえずに次々と討ち死に?していた。世間とはそんなものなのだ。ショック度が大きすぎたせいなのかは不明だが、その番組企画はすぐに姿を消した。広報の真髄は、謙虚さと一生懸命さに尽きる。繰り返し自社・自店を思い出してもらう、という活動は無駄に見えても、ボディブローのように効いてくる。最近、自宅近隣の飲食店が閉店した。割烹か小料理店の店構えで、気にはなっていたのだが、とうとう行かずじまいだった。その店からの広告パンフなどは届いたことはなかった。閉店の理由が定かではないので決めつけることはできないが、徒歩圏内にある住民に対して何の熱意もPRもなかったのは確かだ。経費をさほどかけずに実施出来る広報はいくらでもある。やってみることの大切さが広報の意義と、言えなくもない。                         2019年11月1日

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 顧客満足の複雑さ130「接客の形の変化と不変」

   顧客満足の複雑さ130「接客の形の変化と不変」 

時折ランチで利用する二つの飲食店が、タッチパネル式での注文に変わっていた。今までも、良く利用する回転寿司店ではタッチパネル式オーダーが主流だったので、別段、驚愕することもないのだが、この傾向はどの業種業態にまで浸透していくのか、興味をそそられた。店側の目的は、人手不足に対応するための接客時間の減少とオーダー受けミスの減少の両方取りなのだろうが、タッチパネルでの取り扱いに戸惑いを隠せない客への操作説明にスタッフがつきっきりの場面があちらこちらで見受けられた。客が慣れるまで相当の時間がかかりそうだが、いずれスムーズに当たり前の形として、この店では機械相手の注文が日常化していくのだろう。そこでどれだけの人手不足解消効果等が出るのか、実数として知りたい気はする。

コンビニエンスストアでは、24時間営業の是非が問題化しているが、一部の店では実験的に夜間無人化営業に踏み切ったという。入店するには何通りかの方法があり、客はどれかを選んで入店し、買物をして、自動レジで支払を済ませる。これも慣れない客の不平の声も聞かれているが、次第に、本当に深夜に買い物をしたい客だけが上手に利用していくのだろう。人間は慣れてくるものだ。機械相手の接客は今に始まったことでもなく、銀行のATMの歴史は古いし、駅の改札自動化も当初は画期的なものだった。無人化対象が広がっていくという流れは、社会構造の変化からみても止むことはないと思われる。その内、銀行の窓口が姿を消し、コンビニも昼間であっても、自動レジ化が進むのは充分に考えられる。

そうなると、未来に見えるのは縮小社会に他ならない。人口が少なくなれば機械ができる仕事は機械にまかせるのは当然の帰結で、その傾向は一層加速していくに違いない。いささか無味乾燥的な社会を連想してしまうが、都会は相変わらず人であふれ、人に酔うほどだ。利用者とサービス提供者の数的バランスが崩れ始めているのかもしれない。縮小社会への予感は、色々なところで見られる。もう今以上に、人口が増える時代はやってこないと覚悟すべきであって、そうなると売り上げを増やすのは困難で、経費削減に注力した方が得策だ、ということになる。その状態は悪いことばかりでもない。すさまじいまでのフードロスも見直しが進んでいる。一例だが、作りすぎて毎年売れ残り在庫を廃棄せざる得なかったXmasケーキを完全予約制に移行した店もある。これも一種の縮小経済だ。ただいつの時代でも、交流が大きな魅力となり、武器ともなっている業種業態は歴然と存在する。何十年も地域に根差している喫茶店や飲食店、そして人が安らぎと気分転換を満たしに訪れる宿泊施設などは一線を越えての無人化は難しい。刻々と変化していく社会で、接客の形も変化せざるを得ないが、不変性をどこにどうやって残していくのかの見極めが、ことさらに重要になってくる時代が来ようとしている。                       2019年10月1日

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 顧客満足の複雑さ129「リスク管理が重要」

      顧客満足の複雑さ129「リスク管理が重要」

すこぶる好調に推移していた韓国人訪日観光客が激減しているらしい。言うまでもなく日韓関係悪化が原因だが、日本の受け入れ側業者の中には、危機的状態と憂う声が聞かれる。今まで何もせずとも、旅行業者が送り込んでくれていた顧客がばったりと途絶えたら、それはやはり商売あがったりで死活問題には違いないが、今のところ、7月単体で7.6%減で、約56万人の韓国人観光客が訪日している。日本から韓国への月平均観光客数25万人前後と比べても、倍近い。ただ今後の減少は加速すると見る向きもある。それでなくても、韓国経済そのものの悪化は以前から指摘されており、訪日客数は今回のように極端ではなくても、徐々に減少していっただろうと思われる。

ビジネスは甘くはない。いつなんどき、上顧客を失うことがあっても不思議ではないのだ。そんな例は、飲食店をはじめ枚挙にいとまはない。そのようなときにビジネスの危機を最小限にとどめるのは、日ごろからのリスク管理に他ならない。ある特定の顧客層に頼りすぎないこと。これに尽きる。大阪の中心地に、目立つ看板で有名なカニの飲食店がある。自身も数年前までは、年に何度か訪問していたが、今は行かなくなった。中国と韓国からの観光客で店は占められ、日本人客が入る余地は無い、という噂が広がったからだ。事実、店の前を通ると、エントランスは観光客であふれ、日本人ならちょっと二の足を踏むだろう。これからもこの店は、外国人観光客だけで、充分に儲けられるのだろうか。 

違う例もある。市内で何軒か飲食店を経営している知人は、外国人客の受け入れは店のキャパシティーの2割以下に抑えている、という。外国人団体客の申し込みは激増しているが、どんな時でも、つまり空席が多い時でも、2割以下に限定していると。でないと、本来の日本人客が来なくなってしまうからだという。客同士、国籍を超えて仲良くグローバルに楽しめばいいのに、と性善説的な呑気なことを言えるのは、店の未来には責任のひとかけらも無い人達だ。知人の方策は賢明だと思う。リスクの分散はビジネスの基本であって、それを怠ったがために撤去を余儀なくされた例はいくらでもある。旅行業者が送り込む団体客に頼り切っていた巨大旅館は、ことごとくつぶれた。個人客の開拓などする気も起らないほどに、大量の団体客でうるおった時期は、それほど長くは続かなかったということだ。 

韓国人観光客の減少は、地方の施設にとっては辛いものだと思う。もともと日本人客でうるおっていたわけでもなかったのが、ここ2~3年、吃驚するほどの外国人観光客が来てくれて、ほっと一息ついた矢先のことで混乱状態にあるだろう。ただこういうことは、いつでも起こりうる。リスク管理の重要性は、時代を超えて、また業種業態を超えて不変であって、今からでも異なる販路拡大に経営者自ら走り回る覚悟で臨めば、また道は思いがけない形で開けるものと信じたい。 

                   2019年9月1日

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【その159】某月某日 ”すべて日本で食べよう・・・・ ”の巻き

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某月某日  “すべて、日本で食べよう”の巻き

日本での外食では、色々な国の料理が食べられて、うれしいというか、便利というか、変?というか。良く言えば、バラエティあふれているんだけれど、悪く言えばいい加減、ってな気もしないではないわ。例えば、中華料理を看板にしていても、店によって月とスッポンほどの違いがある。一応、料理種は揃ってはいても、誰もが知っているメニューしかなく、しかも味付けが殆ど同じ!ってな中華料理店が多い。それがある程度の高級中華になると、まるで別物の料理が出てくるので、これらが同じ中華料理店とひっくるめていいんかいな、と思ってしまうわ。イタリア料理でもそう。チェーン展開しているような店の料理は、パスタとピザあたりで、凝った1品料理などは望めないけれど、イタリアンの名店を気取る店のメニューはお値段もさることながら、品揃えも豊富で美味なる1品料理が楽しめる。これがフレンチとなると、さすがにチェーン店は見当たらず、お高い専門料理店のみ、ってことになるのかな。そもそも、フランス料理とはなんなん?って人が多く、中華やイタリアンみたいに、日常化しにくいからかもしれない。いいことですわ。                                               

他にも、インド料理店、ギリシャ料理店、ロシア料理店などがあるけど、希少派になる。この中でもインド料理店は結構、見かけるし、人気もあるようね。あのカレー味、スパイス味、ナンetc、日本人の口にあうみたいで、ワタシも好きざんす。これがギリシャ料理となると、タコかイカ料理かい?くらいの知識だし、ロシア料理はピロシキしか知らなあい。ま、少数派ってとこね。多分、本国の人からすれば、自国の料理はこんなんじゃない!って立腹するかもしれないけど、多分自国より美味しいと思う。中華にしても、イタリアンにしてもフレンチにしてもギリシャ料理、スペイン料理にしても、ある程度高級店であれば、日本で食べる料理が一番おいしいと思う。これって結構、独断と偏見だけれど、世界を飛び回っているご夫婦が、太鼓判を押していました。まあ、どこも日本人の舌に合わせているから、の結果かもしれない。でもやはり、日本人が作るイタリア料理の方が、本場より美味しいかも。フレンチしかり、中華しかり。日本人料理人は真面目なのです。一生懸命、勉強して、手抜きをせず、本場を上回るレベルのものを作ってしまうのですわ。これが外国での日本料理店と違うところかも。以前、カナダで食べた日本料理店の料理は、日本料理ではないことが、我々日本人にはすぐわかったわ。外国人の料理人が作った 日本料理もどき。日本人をそんな店に連れてくるなよ!って、旅行業者に怒鳴りたかった。黙ってたけど・・。メチャまずかった。

こうなると、すべての国の食文化を日本が一切合切引き受けて、食の殿堂・日本!という生き方もあると思うわ。美味しいものを食べたければ、日本にいらっしゃい、ということね。世界の美食を集めた国・日本。どうかしら。

            2019年12月1日・・・続く

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【第165回】 食環境の現状(144)(度を過ぎる親切さ)

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食文化の豆知識165 食文化の現状144(度を過ぎる親切さ)  

何らかの理由で日本に来たいと切望する外国人を、日本に招くTV番組があります。現地で日本に興味ある人を募って、その中からひとりに来てもらい、日本での数日間を追うという、いわばドキュメント番組なのですが、日本に来たい理由が千差万別で、興味をそそられる内容のときもあります、ただ単に日本の文化が好きというだけの人もあれば、実際に日本のある分野に精通して本物を知りたいという勉強家もいて、やはり番組的には後者の方が充実感はあります。日本人よりも日本のある分野に詳しい人もおり、その殆どがネットを通じて知識を深めたと言います。あらためてネットの威力に感心することしきりです。日本での滞在中、本人が来たい理由に関わりのある日本人が、さらなる知識や技術を本人に伝授して交友を深めるという構成になっており、最後は決まって涙の別れが待っています。

 その中で必ず登場するのが、受け入れ側の日本人が家族ともども、本人を夕食に招く場面です。双方、食卓を囲んでなごやかに歓談する情景はなかなかに見ていても楽しいのですが、決まって精一杯の心づくしの豪華な料理が並びます。食卓いっぱいに、お母さんの数々の手作り料理やお寿司の大皿などが供され、いくらテレビカメラが入るとはいえ、準備に大変だったろうなと思ってしまいます。客を食事に招く場合の国民性が出ているのでしょう。欧米であれば、フレンドリーさはあっても料理はかなりシンプルだし、アジアなどでも4~5種類の料理が殆どです。日本はこれでもか、というおもてなしが満ち溢れた賑やかな食卓で、招かれた外国人の吃驚する顔が見られます。それと、これもパターン化された場面なのですが、別れの時にお土産が交換されます。本人からは国のワインかお菓子類が一般的で、一見してささやかな可愛い土産品です。ところが、日本側からは、本人が日本に行きたい理由となった技術や芸術に関連する貴重なグッズが決まって送られる。それも買えば数万円する逸品が殆どで、あるとき、立派なお琴が送られた時には吃驚しました。本人の驚きようも尋常ではありませんでした。安いものでも20万円ほどで、100万円を超すものもあり、送られたものは一見して高価なものでした。たぶん、本人の住む本国ではあり得ないプレゼントなのでしょう。 

そこで、少し複雑な気分になりました。果たしてそれらがプレゼントとして適切であったのかと。送る方の勝手だろう、と言われればそれまでですが、受け取り側にとって身に余る接待や土産が本当に、その人のためになるのだろうかと。確かに送る側の勝手です。気持ちが込められているのでしょう。でも相応というバランス感覚がそこには見られませんでした。日本に立ち込めている、”おもてなし”が、度を過ぎたものになっては双方にとって、良い結果を生むとはどうしても思えません。そんな余計なことを考えてしまいました。

   10月13日  食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その158】某月某日 ”外食の深い理由・・・・ ”の巻き

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某月某日  “外食の深い理由”の巻き

人間って、1日3回食べて生命をつないでいるんだよね。1日2食の人もいるけど、とにかく口から食べものを入れなければ、普通には生きていけない。なんて不便なんだろうって、時々思うわけ。変なこと、考えてるって?そうだよね。ありとあらゆる動物も、結局は食べることと生殖、この二つが行動を支配している。それと比べれば、色々な食べものが選べる人間は、まだマシか、となるんだけれど、面倒くさくなるのよね、これが。子供の頃からおもっていたこと。一週間のうち半分くらいは、1日一錠飲めば、完全栄養が取れて、充分元気に生きていける錠剤があれば楽なのになあって。別にその頃から、料理をしていたわけではないのに、食べることが面倒だった。まして大人になって、料理を作る側になると、なおさらのこと、そんな錠剤が欲しい。そんなだから人生、ずっと痩身です。食べることは好きなんだけれど、のべつまくなしに食べるなんて、考えられない。だから食べることは戦いなの。料理を作るのも戦いね。ほんと、腕のいい料理人を雇える大金持ちになりたかったと、思うわ。

私に何千億以上もの資産があれば、プロの料理人を雇って、毎日素朴な家庭料理やイタリアンや中華料理やたまには会席料理を作ってもらいたい。そんなプロはいないか。となると、外食ってことになるのよね。日本では、余程の金持ちでも、プロの料理人を雇っている家って少なそうね。外国では、当然だろうな、と思う。家の造りも違うし、感覚も違うのかな。ある金持ちの外国人の家で料理人兼家政婦の仕事をしている人の本を読んだことがあるけれど、そのお屋敷には、使用人専用のバス・トイレ、ミニキッチン付きの広い部屋が用意されているんだって。そんな家が日本にあるかいなってことね。

話が長くなったけど、外食は、人はさまざまな理由で利用しているのだってこと。家で作るのが面倒、家で作れないものを食べたい、仲間と会食したい、また、家で作れないから、お金を払って外食をする。さて、飲食店はそのさまざまな理由での利用に真摯に応えているかな?人間が口に入れるものを提供していることを分かっているのかい?と質問したくなる店もあるし、また来たいなと思ってもらえる料理を提供しているかい?と尋ねたくなる店もある。かと思えば、自分の店の立ち位置をきちんと把握して、誇りの持てる商売をしている店もある。ほんと、もう一度、外食の意味を真摯に取らえて、何をどういう風に提供して喜んでもらいたいのか、見つめなおしてほしいと思うわん。はい、今日はとてもマジメなお話でした。

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 顧客満足の複雑さ128「ホームページの再チェック」

      顧客満足の複雑さ128「ホームページの再チェック」

今や、内容の充実度の差異はあるものの、自社のホームページを持たない宿泊施設は皆無と言っても過言ではないだろう。ネットで検索して出てこないと、途端にその施設への信用度はゼロに近くなる。それほどまでに、ネットの存在は大きくなった。これもほんの20年ほどである。かつてはゆっくりと文明は進化していき、20年の差は、変化の流れを把握できる期間だったが、ネットの普及は確実に、文明のというより、情報の伝達速度を変えた。今後、どのような進化を遂げるのか、空恐ろしささえ感じる。然しながら、人間が人間として生きるには、快食快眠快便が基本であるのは、どの時代にあっても変わることはなく、それを考えると、少しほっとしてしまう。

さて、宿泊施設のホームページだが、利用者側から見れば、親切度というか、充実度は大きく異なる。ネット検索者の検索理由は様々である。最初から宿泊を決めて空き室チェックなり、料理選別なりをする人もあれば、どこか適切な施設を探して観にきている人もいる。そのいずれにも、完璧に対応しなければ、ホームページの意味がない。まず後者にとっては、魅力をいかにアピールできているかの是非である。平面画面のみが何ページか続いておわり、という極めて面白みのないのもあるが、やはり画面は立体的で流動的でなければ興味を惹きつけられない。自店の売りは、どこなのか、温泉施設なのか、料理なのか、眺望なのか、部屋なのか、自慢できるところを集中してアピールすべきであるし、料理などはファミリー層向け、高齢者層向け、また大食漢向け、いいもの少し派向け、豪華好き向け等、選択肢は多い方が時代に即応している。部屋もしかり、温泉もしかりである。加えて周辺の観光スポットをうまく情報として取りいれた、観て楽しいホームページが望ましい。せっかく作成しても、動きの無いペラペラ感がある画面では、客を取りこむことは難しいだろう。今一度、自店のホームページの見直しをはかるべきだと思う。

前者の、宿泊を決めて検索してくる人への配慮は、とにかく画面を動かしやすいこと、これにつきる。そして宿泊日にどのようなプランが用意されているか、選択肢を広げる親切さも必要だ。この一連のながれも、不便さが無いかどうか、常に客の立場にたって、再チェックする必要がある。

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