【第168回】 食環境の現状(147)(今だからこそ価格安定を)

col_g_pic.gif

食文化の豆知識168 食文化の現状147(今だからこそ価格安定を)

コロナ禍で、家での食事シーンが増えています。不要不急の外出を自粛する中、加えて休業中の飲食店が増えている現状下では、自宅で食事する人が多くなるのは当然のことでしょう。幸い、生鮮品に関しては健全に供給されていますが価格高騰が目立ちはじめました。冬野菜と夏野菜の収穫のはざま期にあるのも大きな原因だとは思いますが、常用する野菜群の価格が跳ね上がるのを見ると、頭が痛くなります。自宅調理が増えて、需要と供給のバランスがくずれるので価格が上がるのは当然だ、というビジネス論理は成り立ちますが、この非常時には、供給側も農協を含めて企業人としての矜持を見せてほしい、とこれは消費者側からの切なる願いです。 

市場の変化には、消費者も知恵を出す必要もあります。安定した価格の生鮮品をフルに使うということです。価格優等生野菜を手を変え品を変え、使いまくる?。一本300円もする大根とは当分さよならです。半分400円!もする白菜やキャベツともお別れです。買いやすい価格の玉ねぎやモヤシ、人参などをフルに使いましょう。いつも疑問に思うのですが、誰も手を出さない高価格野菜は売れずにしなびていきます。キャベツなど、中が黒ずんできてるのが分かります。これらはどうなるのでしょう。結局捨てられるのでしょうか。惣菜ものの材料にとて代わるのでしょうか。天候に左右され相場ものといわれる季節野菜ですが、一年を通しての価格調整への努力を目にしたことはありません。もし、されているとしたら、こちらの気づきの乏しさを恥じ入るばかりですが。 

さて、気を取り直して家での食事を楽しみましょう。出前も気分転換に利用したい。手抜き料理も堂々としていい。昼食はうどん、夕食は焼きそばでおおいに結構。幸い、日本は麺類にご飯もののメニューが豊富にあります。それも肉や野菜をどっさりと使用した栄養満点のものも多いので安心です。何も一汁三菜にこだわることはありません。この事態が収束した後には、プロの料理を味わえるのを楽しみに。

           食生活アドバイザー 間島万梨子

カテゴリー: 食文化の豆知識 パーマリンク