食文化の豆知識 93 [食文化の現状72]
手にした週刊誌の特集記事を読んで愕然としました。中国産食材の汚染度の一覧が掲載さ
れていたのです。魚介類、野菜類、コメ、菓子、加工品に至る多くの食材に、過剰農薬や
大腸菌、人体に危険度の高い化学薬品などの残存が認められるというのです。特に混ぜ合
わせ漬け物類には、まず間違いなく中国産の野菜が混入されているとか、冷凍野菜でも多
くは安価な外食産業に流れているとか。話し半分としても、愉快な記事ではありませんで
した。スーパーマーケットでは国産ものを選ぶようにしていますが、外食の場合には見分
けることは難しい。コンビニエンスの弁当にしても多くの中国産野菜が使用されています。
やはり安価だからです。現実問題として、中国産食材を口に入れないことが困難な状態に
なっているようです。自衛策としては、外食でも市販弁当でも同じものを食べ続けないこ
と、そしてせめて自分で購入する食材は出来る限り国産のものにすることです。
そんな中、すべて国産の野菜を使用していると明言しているのが、外食業社のリンガーハ
ットです。ほかにも、びっくりドンキーとか、バーガーキングなども国産野菜を使用して
いるとか。すべて国産野菜でまかなうのは大変な企業努力が必要だと思いますが、是非こ
のような店が増えていってほしいものです。大手ファミレスも、今後、国産食材の使用割
合の多さが、ステイタスを左右することになるでしょう。
ちなみに、外食で国産野菜使用の割合が比較的多いのは、レタス、トマト、大根、さつま
いも、白菜などで、輸入野菜が多くを占めるのは冷凍物や加工品のかぼちゃやほうれん草、
枝豆、たけのこ、さといも、玉ねぎ、ブロッコリーの類だそうです。それらを食べてすぐ
に体に悪影響が出るとも言い切れませんが、やはり食材は国産のものを食べたい。日本の
農業の大改革は緊急かつ喫緊の課題です。自国民がベーシックに口にする食材くらい国産
で充分にまかなえるようになってほしいと、心から願うばかりです。
25年4月1日 間島万梨子 食生活アドバイザー