食文化の豆知識 66 [食環境の現状 45]
クリスマス商戦から始まった歳末の喧噪が終わったかと思えば、早くも百貨店やスーパ
ーマーケットの初売りの声が鳴り響いています。その逞しさと熱心さには、正直頭が下
がります。正月といっても休んでなどおられない、といったところでしょうか。
初詣に出掛けた2日、好天気に恵まれたこともあって、それほどメジャーな神社でもな
いのに駐車場まで長い渋滞の列ができていました。やっとのこと神社で新年の参拝を済
ませた頃には昼どきとなっており、お腹が空いてきました。で、車を少し走らせた場所
にある回転寿司店に入りました。幸いにも営業している風でしたし、なかなかに美味し
い寿司を食べさせてくれるので、ときどき利用していた店です。12時を少し回ってい
たのですが、カウンターが少々空いており、我々3人はスムーズに席に座ることができ
ました。中の従業員たちは元気が良く、とても活気に満ちています。寿司もさらにバー
ジョンアップしたような印象で、幸せな気持ちでいただきました。驚いたのは、私たち
が入店してすぐに、お客がどんどん入ってきて、またたく間にウエイティング客であふ
れかえったことです。少しの時間差で席を取れてラッキーでした。満足して店を出る頃
には、40分待ちの案内が出ていました。回転寿司といっても激安価格では無い店で、
新年2日でこの状況です。この分なら、今年もこの店は大丈夫でしょう。ほっとすると
同時に、不況といっても他国から見れば日本はまだまだ強いのかもしれないと、少し安
心感を覚えた次第です。
そう言えば、年末に訪れた店はどこもお客で賑わっていました。どの店も、気持ちがい
い接客で、まさにホスピタリティがあふれていました。幸運としか言いようがない。
でも考えてみると、一度訪問して、少しでも不満が残った店には行かないのですから
(この店はダメだと自分で結論づけた店には、二度とは行きません。妥協はしません)、
行きたい店は、残った数少ない店?なので、相性が良く楽しめるということです。当然
といえば当然なのですね。二度と行かなくなった店には、同じ特長があります。料理に
ばらつきがあり(日によって出来不出来が顕著)、店で働く人が元気でないことです。
客に喜んでもらいたい、という思いが全く伝わってこない。そんな店が結構あるのです。
つまり経営姿勢が信用できない。多くは客数がじり貧になっているようです。結局、ほ
かのお客さんも支持していない。自分の選択眼が特別でもなんでもないことに気づき、
安心するかたわら、少し謙虚にもなりました。
23年1月3日 P&Cネットワーク 間島万梨子 食生活アドバイザー