【第59回】 [ 食環境の現状(38) ]

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食文化の豆知識  59 [食環境の現状 38] 

 

自宅で食事を取る機会が増えると、たまの外食時には、家では作りにくいもの、また

作りたくないものを選びがちになります。例えば、焼肉、寿司、天ぷら、串カツの類

です。これらは、料理の後始末が大変であったり、材料を揃えるのに無理があったり

するので、外食ならではの値打ちがあると思うのです。ところが、家で自分で料理を

作らない人は、この限りではないようです。

 

ある会合に参加しました。会合といっても、気楽に酒を飲み交わそうという会合です。

いつもは決まったレストランが会場になるのですが、時に違った店が会場となる場合が

あります。選ぶのは幹事なのですが、なかなか面白い店が選ばれます。良い悪いでは

なく、自分で料理を作る人なら、選ばないだろうな、という店です。ずばり、家庭料理

を標榜する店。切り干し大根やコロッケ、いわしのショウガ煮、豆腐と豆の煮込みなど

など。会員の大半は中年の男性で、幹事も勿論男性です。リタイア後の人も多い会です。

出された切り干し大根に目を細めて喜こび、豆腐の煮込みに舌鼓みを打って、満足気で

す。つい最近も家でそれらの料理を作った身としては複雑な思いでした。

 

環境が違えば、欲する外食も違って当然なのだということに、一種、驚いたのです。

みんながみんな、同じ料理種を望んでいるわけではないからこそ、色々な業種の外食

店が成り立つわけです。その店の料理は、なかなかに美味しかったのですが、プロの

料理とは言い難い。やはり個人的には、外では家のそれとはまた違った料理を味わい

たい。それと、男女にかかわらず、台所に立って、料理を作ってみるべきだと思いま

した。毎日、自分の口に入れる食べ物を、人にまかせっきりでは勿体ない。自分で

色々な家庭料理と言われるものを作ってみる。簡単です。簡単にできるから家庭料理

なのです。

 

 

22年6月4日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

 

 

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