【第154回】 食環境の現状(133)(やはり旬まで待つのが正解) 

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食文化の豆知識154 食文化の現状133(やはり旬まで待つのが正解) 

果物売り場の店頭が、この一カ月、賑わいを見せています。年初からミカンとリンゴでほぼ店頭を埋めていたのが、彩りも華やかになりました。夏向け蜜柑類をはじめ、メロンにスイカ、桃にブドウ、ビワと豊富な品揃えで、目で遊ばせてもらっています。というのも、桃やブドウなど、いわゆる“走り”ものは、かなり値が張るので、今のところ、目の保養のみです。一方、スイカやメロンは最盛期を迎え、価格もかなりお安くなって、日常の食卓を賑わせてくれています。旬ならではの味の良さです。スイカなどは、出はじめは高くて甘さも今一つでしたが、今は天候にも恵まれ、とても美味しい。メロンも一玉400円前後と求めやすくなって、しかも甘い。果物好きには、これからが幸せ一杯というところでしょうか。毎朝食に日常使用しているリンゴが高くなったのが辛いところですが、文句は言えません。 

何でも、やはり旬にこそ、味わいが深く、値段も安くなるものです。それまでガマンできるかどうかが、勝負の別れどころ。今まで、何度か失敗したから言えることですが、出はじめは高くて味も今一。これは事実です。新玉ねぎや枝豆は、国内産より前に外国産が店頭に出ました。久しぶり!といううれしさで購入しそうになりましたが、ガマンガマン。今は豊富に国内産が出回っています。店もなかなかに商売上手です。初物好きの客の心理をとらえています。初物を食べると寿命が延びる、と言いますが、旬になって多く出回る時期の方が、味の完成度は高いのは確か。で、先日も巨峰を見かけて、思わず手が出そうになりましたが、しばし待つことにしました。盛夏になれば、ブドウも桃も、今よりは買いやすい値段になっているはずです。 

魚も旬の方が、脂も乗って美味しい。季節もののカツオや秋刀魚、鮎なども出はじめは値も高くて味も浅いですが、旬を迎えると段々、味も濃くなって旨みが増します。何物にも食べ時期があるのでしょう。それを見極めて、賢い?消費者になりたいものです。

         6月15日  間島万梨子 食生活アドバイザー

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