顧客満足の複雑さ144「正確な情報解析を」
コロナ感染者数が増大している。1日当たりで過去最大数を記録した地域も多い。それを受けて、Go To キャンペーンが見直されることになった。地域別対応となるが、かなり見直されることは確かだ。10月に利用させてもらったホテルの、涙ぐましいまでのコロナ対策を思い出すにつけ、やるせない気持ちになる。検温は勿論のこと、シールド式のチェックイン・チェックアウト、什器備品の消毒の徹底、等々、出来うる限りの予防策は取っていたように思う。キャンペーン効果で利用者が増え、宿泊施設も一息つけたGo To トラベルが一部中止に追い込まれるのは残念なことだ。コロナはどういったケースがもっとも危険なのか、考えれば分かる。要するにマスク無しで大声で何人かが会話をして、手などで接触するのが最も危険なのであって、それはもう、個々人の行動様式による。リスクの高い大人数による会食やカラオケ、密な接客などを避けるのは当然の使命だと思う。
欧米すべてとは言わないが、画像で見る限り、大勢の人達がマスクもつけずに集合している。観光地などは特に人が集まっている。もとより声の大きい元気な人達だ。リスキーなのは見ていても分かる。反面、日本ではほどほどに大人しい。先の利用したホテルでも、一様に客は静かであった。そもそも、一体、どういう傾向のもとで感染が広まっているのかの情報が不足している。飲食店での感染が多くなっているといっても、全体の何%になるのか、まして宿泊での感染はどの程度になるのか、外国人の感染割合はどう動いているのか、道を歩いているだけで感染するのか。また感染した人達の中での死亡者の生活環境はどうだったのか、等々、プライバシーをそこねなくても情報として細かく分析することはできるはずだ。それが、まだ感染していない人達への行動アドバイスと、安心感になろう。でないと、飲食店や宿泊施設、鉄道、航空などが、苦しむだけの政策になってしまう。そしてまたまた補助金の出番だ。徹底的に感染者を減らしたいなら法律を変えて、とにかく行動規制を厳しく取ってみることも不可能ではないが、現在の感染者発生状況では、現実的ではない。欧米や南米の状態をみると恐怖を覚えるのも無理はないが、どれだけ重症者数と死亡者数を減らせるかが要で、いまのところ日本はそれらの国と比べても、桁違いに少ない。
今冬は、インフルエンザ患者が例年と比べ、圧倒的に少ない。ちなみに2019年12月23日から12月29日の一週間でのインフルエンザ感染者数は88万人だったが、2020年11月9日から15日の一週間のインフルエンザ感染者数は全国で23人しか出ていない。同月同日比ではないので単純に比較しにくいものの、激減しているのは疑いようがない。今、政府がやるべきことは、コロナを指定感染症としての2類相当の位置付けから、新型インフルエンザに分類することだと思う。そうなれば、入院は肺疾患が出た人が対象となるだろう。中程度の症状の人までが入院する必要は無くなることで、随分と医療施設のひっ迫は緩和される。今は医療の崩壊と風評被害が一番怖い。 2020年12月8日