食文化の豆知識149 食文化の現状128(食品ロスの軽減)
まだ正月気分が抜けきれない時期で、雑煮が食卓にのぼっている家も多いことでしょう。お餅に加えて、鶏肉やブリ、大根、ニンジン、春菊、シイタケなど、色々な食材が取れるので、昼食には重宝します。お正月のごちそうに飽きたお腹も大歓迎です。白みそ仕立てでも、澄まし仕立てでも、どちらも美味しい。
さて、正月後は、各家庭から大量のごみが出されたようです。ゴミ収集車が年末年始、休みだったことを差し引いても、日常以上の量が回収されていました。我が家でも、結局おせちは食べ切れず、勿体ないと思いながらも廃棄しました。一年一回の祝い膳と思えば、やはり相応のものを食卓に載せたいので、毎年同じことが起こります。いい方法があれば教えてほしいものです。
この時期だけではなく、食品ロスは大きな問題です。世界の年間食料廃棄量は13億トンになるとか。気の遠くなる量です。これは全世界の生産量の約3分の1、特に先進国の食品ロスは、一人当たり年間280~300キロです。この事態を受けて、フランスでは食料廃棄禁止法が成立しました。売り場面積400㎡以上のスーパーマーケットは、売れ残った食品を寄付するために一つ以上の慈善団体と契約することを義務つけ、さらにまだ食べられる食品を廃棄した場合は、3750ユーロ(約49万円)の罰金が課せられるというものです。この法律は、食品ロスの低減に実数で貢献しているものの、法規制の対象は大型店舗に限られ、また消費者サイドからの食品ロスには無力です。
店舗に並ぶ豊富な食材、何種類もの牛乳やジュース類、数十種のヨーグルト、おびただしい数の調味料類、そして多くの売り場を占める菓子類、これらは本当に消費者が望んだ結果なのでしょうか。豊富さを求める声もあるでしょうが、多くは企業側が、これでもかと生産・販売した結果です。本当に欲しいものはごくわずか、買ったことの無い商品は、他の消費者が買っているのでしょうか。それとも廃棄処分になっている?食品ロスの問題は、簡単には解決できそうにありません。でもいつか今までのツケが回ってくるような気もします。要は、一人一人の意志なのかもしれません。
1月7日 間島万梨子 食生活アドバイザー