【第114回】 食環境の現状(93)生鮮品の価格

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 食文化の豆知識 114 [食文化の現状93]

年末年始は、モノの値段が高めになります。需要が供給を上回るのに加え、やはりこの時期は、贅沢志向で消費者の財布がゆるくなるのを見越してのことでしょう。特に肉、魚、加工品などは正月用の高級品が店頭を飾り、それはそれでひとつの風景として華やかさを提供していますが、中身は全く変わらない野

菜もかなりの高め推移で売られているのには苦笑を禁じえません。時期柄、供給量が需要に追い付かないからか、多少値上げしても買ってもらえるはずという思惑からか、日常の1,5倍から2倍の値段で売られています。かまぼこや肉類、魚が見るからにいつもより上質で豪華なのに対して野菜は普段と全く同じ顔なのにと思いますが、これもご祝儀のひとつなのかもしれません。

 

さて、ここ何か月かの間に、食品の値上げが目につきはじめました。特にバターやチーズなどの乳製品の値上げラッシュはすさまじい。小麦粉を原料とする食材もじわりじわりと値を上げています。これらは円安がストップすれば価格が戻るのか、値上げのままに定着してしまうのか、さっぱり予想がつきません

が、これからは家計防衛の知恵が特に必要になりそうです。そこで、乾物料理のおすすめです。切干大根や高野豆腐やはるさめは、安定価格の優等生です。これらを煮つけたり、あえものにすると立派な1品です。また缶詰めも調理の仕方で、なかなかに美味しい1皿になります。豆腐や厚揚げも家計の味方にし

て、栄養があり旨みのある食材です。それら優等生食材を取り入れる頻度を増やして、値上げラッシュに備えたいものです。

 

本当に、生鮮品の値段は上がったり下がったりで、落ち着くことが少ないモノのひとつです。それが自由市場主義の特質と言われれば、納得せざるを得ないのでしょうが、昨今の衣類や家電の安定した低価格とは対極にある動きです。やはり、来るべき消費税増税にあたっては、生鮮品などへの軽減税率を是非と

も導入してほしいものです。

 

  平成27年1月7日  間島万梨子 食生活アドバイザー

 

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