【第50回】 [ 食環境の現状(29) ]

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食文化の豆知識  50 [食環境の現状 29]

 

ある巨大スーパーのレジでいつも感じる不愉快さが、若干解消されました。受け答えの

フレーズが変わったのです。以前は「マイバッグをお持ちですか?」「いいえ、持ってい

ません」でしたが、「レジ袋ご要り用ですか?」「はい」という問答になりました。これ

だと、少なくとも、否定的な返事をせずにすみます。マニュアルの改善です。

若干解消、と言ったのはこれでもなお、企業側の傲慢さを感じるからです。何故、毎回

そのような問答を繰り返さなければならないのでしょうか。“レジ袋不要の方はお申し出

ください“の表示をすれば済むことです。エコロジカルとやらで、客を啓蒙する前に、

自らがすべきことは山ほどあると思うのですが。

 

それと今ひとつ、解せぬことがあります。夏場は、購入した冷蔵食品を氷で守る必要が

あります。だれもが、30分以内に自宅の冷蔵庫に移せるわけではない。スーパーでは

氷の用意がしてありますが、そこにこのような表示が。“お一人様、氷は一袋でお願いし

ます“ 多くて2袋の表示です。大量のまとめ買いをしても一個だけ? とても足りま

せん。衛生面からも最低3~4袋は必要です。当然、相応の氷をいただきます。“お一人

様、一個限り”の表示が空しく心に響きます。本当に、「お節介でうるさい」。客を幼児

扱いしないでいただきたい。

 

そこで、農業問題です。政府・石破農水相を中心として計画された減反政策見直し案が
頓挫しました。米価維持に執着する農林族議員や農協の猛反発があったのは、自明の理です。

せっかくの、日本の農業再生の芽が摘まれてしまいました。意欲的な農家にとっては、

残念な結果でしょう。生産調整に参加せず、自由にコメを作り、コメの需要を自ら喚起

する能力を持つ農家は、想像を超えてはるかに多いと思うのですが。ここでも、「お節介

でうるさい」、が存在しています。意欲ある農家にこそ、助成金を惜しまずバックアップ

するのが、大人の当たり前の政策です。

テレビで、アメリカのコメ農家を紹介していました。驚きました。広大な農地で何とも

荒っぽい作り方をして、稲も日本のようにきれいに並列していません。でもきちんと実

り、収穫に至っていました。最低限の人手で収穫したアメリカのコメは機械で精米され、

海外に大量に輸出されているのです。価格も割安です。しかもブランド米らしい。取材

者も、そのコメで作ったおにぎりを、美味しいと言って食べていました。

ためいきが出ました。何も、アメリカの真似をする必要はありませんが、このコメの作

り方と生かし方を見て、目からうろこが落ちたのは確かです。

 

平成21年9月6日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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