【第45回】 [ 食環境の現状(24) ]

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メディアが取り上げる食材に関する情報は、主に健康を保持する食生活への提言を

基に組み立てられていることが多いようです。例えば健全に痩せる食材、血圧を下

げる食材、糖尿病予防の食材、便秘に効く食材、お肌に良い食材などなど。その多

くは生活習慣病予防に役立つ食材情報といったところでしょうか。

 

その発信元が新聞である場合、反響は穏やかなものですが、テレビとなると狂乱と

まではいかずとも思いもかけない混乱を招くことが多々あります。紅茶きのこ、コ

コア、マロニー、バナナ。筆者自身はテレビは余り見ないので、現状を目にしてそ

の理由がテレビであることを知るわけです。朝食に欠かせないバナナが売り場から

消えてしまったのは何故?鍋物にいつも入れるマロニーが見あたらない!

 

紹介される食材すべてが自分にかかわることは無いのですが、日常に食している食

材が売り場から消えると、正直あせります。でも、大抵が3~4週間ほどの不便を

がまんすれば元の平穏な状態に戻ります。一体、あの騒ぎは何だったの?という

感じです。食生活は、つまるところ自分自身の習慣が大きく作用するもので、一時

のブームに乗っかっても習慣化しない、ということなのでしょうか。あの美味しい

バナナにしても、テレビのダイエット効果情報に乗って買いあさった人達が飽きて

しまったか、思うような効果が出なかったので購入しなくなったか、多分、後者の

可能性大でしょう。バナナを食べるだけで痩せるはずもないのです。

 

肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病の原因は、食が8割、遺伝的体質が2割く

らいではないかと思います。体質はいかんともしがたいところです。血圧は、同じ

ものを食べても加齢現象や体質によって、高くなってしまう人はいます。肥満も太

りやすい体質は確かにあるようですし、糖尿病も膵臓の能力差によって発症率が影

響されます。ただ発症しやすい体質を、食でカバーすることは充分に可能なのです。

 

体に良い王道的食材も食品もありません。どんなに良い成分が含まれていようとも、

そればかり食べて体にいいはずもありません。結構なうたい文句付きの高価な健康

食品を取るより、多種多様な野菜と良質のタンパク質をほどほどに食べる方が、よ

ほど体が喜ぶというものです。メディアもいい加減に、特定の食材宣伝を辞めて欲

しいものです。

 

平成21年4月12日 P&Cネットワーク 間島万梨子  食生活アドバイザー 

 

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