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【その188】某月某日 ”皆、元気にみえるんだけど・・・ ”の巻き

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     “皆、元気に見えるんだけど”の巻き

あけおめ、ことよろ。さてさて、今年はどんな年になるんだろう。お願いだから、“今年は世界も日本も、まずまずな年だったね”で、終わらせてよ。ほんとに頼むよん。って、無理な話?少なくとも、昨年よりは公私ともに穏やかな一年であってほしいわ。公はわかるけど、私はなんだったのって?いや、たいしたことありゃしまへん。多分、普通の人が普通に経験することざんす。

で、ささやかな新年会を1人で、もとい3人で、心斎橋界隈で催しましたんでございますが、外国人観光客の多いことったら。右見ても左見ても上見ても下見ても(右左だけです!)、元気な観光客らしき人たちが。ほとんどがアジア系の人たちで、欧米人とくらべて日本には馴染んだ顔つきだけれど、やっぱ違うのよね。どこがどうといわれても難しいわ。そうそう、話している言葉が違うからわかる。それって当たり前だろう!スミマセン。正月早々、海外旅行できていいな、とウラヤマシイですわ。精一杯、楽しんでおくれやす。

新年会はわりと有名な焼き鳥店で、店はほどなく満席状態。まずまずの価格帯の店なのに、若い客が多いことったら。びっくりぽんよ。でも見れば、女性同士か男女カップルが多くて、男性同士はそのときは見られなかったわ。女性は味にうるさく、美味しい店をよく知っているんだなと、再認識した次第。横席の4人女性グループは、元気いっぱいに高額そうなワインをぐびぐびと。すごい。我々は焼酎のお湯わりをちびちびと。この差はなんなん?はい、ほかの人たちは皆、金持ちだってことが分かりましたよ。焼き鳥は評判にたがわず美味しゅうございました。もう一回、行きたい。勝手に行けって?行きますとも。お小遣いためて。今年も、美味しい料理にお会いしたい。なんと小さな希望でしょう。もっと知的かつ複眼的、かつ大局的な希望をもつべき!はあ、がんばりますぅ。

・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ169(自給体制の確立は急務)

      顧客満足の複雑さ169「自給体制の確立は急務」  

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

やはり新年のごあいさつとしては、ほかの文言がみつからない。乱れる世界情勢の中で、この言葉を発することができる国に生きていることに感謝したい。どうか今年はコロナの5類化への移行に伴い、平常な生活が戻りますように。そしてウクライナの人々が暖かい備えで、厳しい冬の生活を迎えられますように。 

さて、ウクライナ危機は周辺国のみならず、多くの国に危機意識を共有させた。日本でもウクライナ危機をきっかけに食料や肥料の多くを輸入に頼るリスクが表面化したという。笑わせないでほしい。食料の自給は、何かをきっかけにその重要性に気づくような問題ではない。国の根幹を支える最重要課題のひとつであり、平時から死に物狂いの政策・対策が必要なのに、具体的に何をしてきたのか。国民に“米を食べましょう“と呼びかければ、それで自給率があがると本気で思っているのかにわかには信じがたい。多分、有益な方策はわかっているのだろう。でも実施できていない。反対を恐れ、抵抗を恐れ、メディアを恐れ、これといった手を打てないままに、米を食べなくなった国民のせいにする?自給できているのは米飯だけで、他はオールアウトだ。大豆の自給率は全体で6%。食品用に限っていえば20%前後。大豆から豆腐、味噌、醤油が作られる。まさに日本の食卓には欠かせない大切な食材がわずか20%の自給率でまかなわれているのだ。ただジャガイモに関しては日本は健闘しているらしい。北海道での大規模生産が功を奏して、世界でも上位の生産額を誇っている。そういうことで、農業はもはや大規模化と機械化の両輪なくして、成り立たないということだ。 

一定の規模以上での農地に限って税の優遇措置が施されるべきで、あまりに小規模な農地は家庭菜園並みに扱うことで、生産可能土地の集約化を図らねばならない。零細農家を弱者扱いして助成し続けることが、日本の農業を発展させ得るだろうか。企業化による生産能力の向上や働く人の待遇改善を図る以外に、日本の食料自給率の向上は期待できない。経済的有利さで不足分は他国から買えばいい、で通用する時代は過ぎた。有事となればどの国も自国第一だ。他国に回すものは無いといわれれば、それで万事休す。半導体の国内回帰も極めて重要な政策であるが、食料自給率が無残に低い状態が、いかに国の脆弱化を如実に表しているかの危機感があまりに少ない。 

と、ここで新年の悪夢から目が覚めた。テレビはどの局も数時間もの録画番組を流し続け、NHKのBSで毎朝放送されていた海外ニュース速報もお休みだ。そうなのだ、ただのニュースなのだから、年末年始は社員は休暇を取らねばならない。で、思い出した。コロナ禍真っ最中のとき、民放テレビ局の社員が大宴会を催し、二階から女性が転落した不祥事を。それに関して上層部からの事情説明は聞いたことが無い。もしこれが政治家の集まりであったのなら、メディアからどんな罵詈雑言が聞けたことだろう。MCやコメンテーターたちの顔をゆがめての、罵りぶりを想像するだけで楽しい。            2023年1月1日 間島

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食文化の豆知識189 食文化の現状168(値上げラッシュの中の工夫)

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食文化の豆知識189 食文化の現状168(値上げラッシュの中の工夫)

 値上げラッシュが続いています。お茶、野菜類、調味料、料理油、麺類etcほとんどの商品が値上がりしました。原因は原材料費と光熱費の高騰。それを受けて今度は飲食店メニューの値上がりです。行きつけのランチ利用の店が軒並み10%以上値上がりしました。こうなると知恵をめぐらすしかありません。とても簡単。外食を控えるか、値上がりしていない優等生食材を使用する料理を開発するか。または使用量を控えるか。ただ、食は命の源なので、むやみやたらに、節約するのも難しい。で、料理種を変えてみる。以前は油をたっぷり使った揚げ物を結構作っていたのが、炒め物に変える。我が家では値上がりする前に、自宅で揚げ物をする機会を減らしていました。なので、油の高騰はあまり影響はありません。揚げ物が食べたくなった時は、たまにですが、とんかつ屋さんに足を伸ばしたり、近くの店で天ぷらそばをいただきます。油は高騰したのに、なぜかバターの価格は今のところ一定です。元々、安いものではないのですが、炒め物などにバターを少し加えると、とてもおいしくなります。野菜類も旬のものを食べる。旬のものは、栄養も値段もハッピーゾーンです。まだまだ工夫でこの値上げラッシュの影響を回避できそうです。光熱費の値上げは世界に広まり、海外ニュースをみると、日本はましのような気もします。

幸運にも、冬野菜が豊富に出回り、安くなりました。大根、キャベツ、白菜などの鍋野菜は本当に使い勝手が良いものです。栄養も豊富。農家さんに感謝しきりです。しかしながら、輸入魚介類は値上げが続いています。相手国の事情に加えて、運ぶ燃料代も値上がりして、高嶺の花的な価格になっています。こんなときこそ、日本中の漁師さんたちにがんばっていただきたい。獲った魚の販売方法や養殖の拡大など、行政も巻き込んで日本の漁獲量を増やしてほしいものです。商社は、全世界から食材を国民に届けましたが、日本の農業や漁業の力をそいできたのも事実です。今こそ、自給自足への官民一体となった動きが望まれます。

食生活アドバイザー 間島万梨子

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【その187】某月某日 ”やっぱ、寒いのは辛いよね・・・ ”の巻き

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     “やっぱ、寒いのは辛いよね”の巻き

12月になったら、急に寒くなっちゃって。ブルっ。日本は夏ばかり、と思ってたけど、冬は来るんですね。はい、来ますよ。寒いのは大丈夫!と思ってたけど、やっぱ寒いわ。で、ゴソゴソと冬物を出して寒さをしのいでるの。電気代があがって、何もかもあがって、血圧もあがりそう。これ以上電気代が上がったら、もう庭の木を燃やして暖をとるしかないわ。燃やしません。でもウクライナでは停電というか、暖房が効かない状態らしく、大変よね。寒さ厳しい国で、暖房が切れたらどうするの?頭が回りません。学生時代、北海道出身の友達が京都に下宿してたんだけど、寒い寒いと泣いておりましたわ。京都は美観考慮もあって、家自体が寒いものね。なんでも北海道の自宅では、冬でもティーシャツ一枚で、クマと走り回ってたらしい。多分ウソ。でも鉄筋コンクリートで完全暖房は確かね。通常のウクライナの冬もそんな感じだったんだと思う。頑張ってね。言葉では簡単だけど・・・。

でもさ、うちの周りでも太陽光発電が増えてるのよね。あれ、こんなところにも、という感じで増えてるわ。それぞれの自宅の屋根に設置するのは良いと思うけど、田畑をつぶして、どんどん増えてる。商売人ね。なのに電気代には何の役にも立ってないの?これだけ増えりゃ、電気代も安くならなきゃオカシくない?頭が単純だから、わからんわ。要は、あれは供給電力が少ないのね。結構大規模な太陽光発電設備を取材していた番組で、合計200所帯の電気をまかなえます!って自慢気に宣伝してたけど、たった200?耳を疑ったわ。2万の間違いとちゃうんかい、ってな感じね。こりゃあかんわ。と思いました。

で、日本でも節電節電号令がかかってます。関電も節電状態に応じてポイントをくれるらしい。節電して風邪ひいたらどうしてくれる。どうもしてくれません。ならば、今年の冬は湯たんぽフル活用ね。あと4~5個買って、両手両足と背中と頭を暖めます。お腹もね。これって暖かいと思うわ。さあ、関電さん、いくらポイントくれるのかな。

・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ168(食品偽装犯罪のスケール)

      顧客満足の複雑さ168「食品偽装犯罪のスケール」  

先日テレビで、フランスのドキュメント番組を放映していた。番組名は「偽装大国ヨーロッパ」。そういえば日本でも食品偽装が2013年に社会問題化したことがあった。大手ホテルを皮切りに出るわ出るわ、一流ホテルやレストランが軒並みに摘発された。主に産地や原材料の偽装で、バナメイエビを芝エビに、牛脂注入混合肉を牛肉に、ブラックタイガーを車エビに、カナダ産ボタンエビを北海道産に、即席パンを自家製パンに偽って販売した。全国各地で偽装が発覚し連日紙面をにぎわしたことが、まだ脳裏に新しい。その前の2007年には期限切れ商品の偽装が続発。製菓会社や伊勢の銘菓、洋菓子店など、消費期限や賞味期限の偽装が相次いだ。極めつけは、老舗料亭の産地偽装と客の食べ残し再提供事件だろうか。テレビで面白おかしく報道され、いささか気の毒に思えたほどの大騒ぎぶりではあった。その時点で各社各店大きなお灸をすえられたはずだが、のど元過ぎればで、またいつ起こっても不思議ではない犯罪の罠が、食品偽装にはある。 

で、「偽装大国ヨーロッパ」を興味深く観たのだが、そのスケールの大きさは驚愕ものだった。馬肉を牛肉に混ぜての偽装販売がアイルランドで見つかったのを皮切りに、シンガポール・香港でも発覚。この世界的規模の偽装はオランダが舞台で、1年で200万ユーロの取引が行われたという。またフランスではポーランド産の牛肉を材料として使用したハンバーグに偽装が発覚。安価なポーランド産牛肉には、病気で死んだ牛など質の悪い牛肉を加工して高く売るのが常態化していた。この会社の売り上げは2021年度で60億ユーロに達していた。低価格の偽装牛肉を全ヨーロッパに拠出していたのだ。イタリアではオリーブオイルの偽装が後を絶たず、質の悪いオイルがエキストラバージンオイルとして稼ぎ出す額は年間12億ユーロにのぼるという。偽装オイルのメーカーはゆうれい企業で、2年間の調査の結果、トルコから菜種油を輸入し、オリーブオイル製造時に混入させていたことが判明したらしい。

ユーロポール(欧州刑事警察機構)も手をこまねいているわけでもなく摘発に熱心だが、ヨーロッパの食品偽装にはマフィアも参入して大陸全体を相手に商売している上に、摘発されても食品偽装は刑罰が軽いので、まさにもぐらたたき状態だという。食品偽装は儲かるのだ。なんだか、日本の偽装事件がかわいく思えてきた。問題なのは健康被害をもたらすケースだろう。スペインで摘発された、マグロに硝酸塩を注入し赤くする偽装犯罪では、2017年に4000件の健康被害が出た。産地を偽ったものを食べても健康を害することはまず無いだろうが、偽装手口がエスカレートすると、危険性も増す。さてはて、どうすれば防御できるのか、答えは出にくい。食べてすぐにわかるようでは、偽装犯罪は成立しない。商取引は信頼が基本だ。その点でいえば、果樹園や農地から果実や農作物を大量に盗んで知らぬ顔で市場に販売する犯罪は、最も卑しい犯罪のひとつといえるだろう。そのスケールも大きくなっているのが気になる。 

2022年12月1日 間島

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食文化の豆知識188 食文化の現状167(健康の元は?)

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食文化の豆知識188 食文化の現状167(健康の元は? )

世に健康本があふれています。週刊誌にも必ずと言っていいほどに、健康問題が扱われています。不病本と言い変えてもいいでしょうか。それぞれ視点を変え、言い方を変え、医学面から心理面から人生面からアドバイスされている。一方、残念ながら病を得た人用にも、様々なアドバイス本が出ています。果たしてどれほど売れているのか、余計なことを考えてしまいますが、多分本当に役立つものもあって、取捨選択が難しそうです。

健康本の基本内容は、似たり寄ったりです。要は、病気にならずに健康でいるためには、適正な食事と適正な運動、それに前向きで明るい性格。これに集約されるようですが、人生、どんなに努力しても病からは逃れられません。一日かかさず1万歩を歩けば病気にならないわけでもなく、体に良いといわれている食べ物だけを食べても永遠の保証はない。程度の差はあれ、やがて命は尽きていきます。だからこそ、それまでは健康でいたい?なんだか、禅問答のようになってきました。 

ただ“食べる”ことの重要性は確かなようです。人間は口に入れるものによって生きているのですから、体が喜ぶものを選んで食べたほうが、元気でいられる時期は長そうです。食品に関しては、添加物の是非や肉食の是非、調味料の是非など、様々な視点から問題提起されています。でも一人の食生活を総人生にわたって調査した結果など聞いたことがありません。毎日同じものを数十年食べ続けた結果、体をこわした、などという例も聞いたこともありません。人間はそれほど単純にはできていません。肉嫌いの人も魚嫌いの人もいる。野菜好きも野菜が苦手な人もいる。海草が食べられない人もいる。豆腐嫌いの人もいるのです。でもそれが理由で早死にした、という話も聞いたことがない。だから結局は、自分が好きなものを楽しんで食べる生活、でいいのでしょう。もしかすると人間は自分の寿命遺伝子には逆らえないのではないかと思うことがあります。捨て鉢ではなく、長生きしている人の食生活を身近にみて、そんなことも考えました。

              食生活アドバイザー 間島万梨子

 

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【その186】某月某日 ”もっと、使いやすくしてよ・・・ ”の巻き

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OL N子の勝手リサーチ 186 “もっと、使いやすくしてよ”の巻き

コロナ第8波襲来?インフルエンザ急増?海外訪日客無制限OK?全国旅行支援?これって聞くと、頭が混乱するよね。矛盾に満ちてない?満ちていないのですよ。最初の2点はただの予想。それもメディアがあおっているのね。でもあとの2点は事実。もうコロナはワクチンをせっせと打って、マスクして、インフルもできればワクチン打って、しのぐしかない。街に出れば人多し。ゴルフ場にもギャラリー多し。オーストラリア近辺を就航中の4600人を乗せた大型クルーズ船内で800人!のコロナ陽性者が出たので、州政府が陽性者の下船を認めたんだって。でもほとんどが軽症か無症状で、5日間だけ隔離状態でいるようにとのお達し。船はそのまま就航を続けるんだって。陽性者をおろしてさっさと去っていったらしい。2020年7月に横浜港に寄港した外国のクルーズ船でのコロナ発生時の大騒ぎとくらべると、月とすっぽん。本当にあの時は日本は苦労しましたねぇ。メディアの騒ぎようは、今でもよく覚えていますよ。とばっちりを受けた日本の打つ手を非難ばかりしてたよね。忘れませんわ。

で、12月末までの旅行支援。10月のお墓参りで宿泊した京都北部の旅館からもらったクーポン。ありがたく使わせてもらいましたわ。京都府内に限るけど、制約も少なく簡単に金券として使えたので、ありがたかったわ。ところが!大阪府が発行しているクーポンは、使えるところがとても限られている。しかも、そのままの紙クーポンで使えないところが多く、自分でアプリを入手して電子クーポン化する必要があるのが、本当に面倒くさい。というか、電子クーポン化できません!なんどもチャレンジしたけどできません!特にアンドロイドでは、できにくいらしい。グーグルで、たくさん困った人の声が載ってるわ。まだ入手する可能性があるので、何とかしたいけど、どうすればいんじゃろ?せっかくのクーポンを、なぜこんなに使いにくくしたんだろう。大阪の役人ははっきり言ってバカです。はい、言わせてもらいます。バカです。自分たちが頭が良いと、思い込みたいのね。こんなことしてたら、暴動起きるよ。起きません。でも、やっぱ、もっと簡単に使えるクーポンでないと価値が無いわよ。

                   ・・・・続く。某月某日

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顧客満足の複雑さ167(宿泊施設経営の複雑性)

      顧客満足の複雑さ167「宿泊施設経営の複雑性」  

Go To トラベルの再開は見送られたが、全国旅行支援が10月11日より実施された。宿泊は40%オフ(上限を交通付き宿泊で一人8千円、その他は5千円)とし、それにともなって一人平日3千円、休日は1千円の地域クーポンの配布を決定した。前回のGo To トラベルが高額施設優遇策ではないかと批判されたことを受け、今回は比較的低価格帯の施設に手厚い支援となっている。加えて、平日への旅行需要分散を狙ってクーポンを休日と平日に差をつけた。なかなかよく練られた支援策だと思う。さらに、支援を受けるには3回目のワクチン接種証明書かコロナ陰性証明が必要で、感染拡大を防ぐ手当がなされている。破格の優遇策だった前回と比較すると、堅実策に落ち着いた、ということか。それでも旅行関連業界にとっては、待ちに待った朗報となった。支援は12月下旬までではあるが、その間の旅行支出増加は4,464億円に達するとみられている。10月下旬に京都府北部を訪問したが、各観光スポットは他県ナンバーの車であふれていた。やはり人が動くことで経済は活況化する。泊まって食べて買ってくれるからだ。 

さて支援策のメイン対象となる宿泊施設だが、厳しい経営を強いられる業界ではあると思う。厳しいというより、手がかかると言い換えてもよい。飲食店であれば一定時に食事を提供することで完結する。勿論、そこには料理・価格・サービス・雰囲気への細かい戦略は必要だが、時間にすれば2時間前後までの勝負だ。一方宿泊施設は平均18時間前後、客をもてなすことになる。夕食、風呂、睡眠、朝食のすべてで客とかかわるという、複雑な対応をせまられる。自宅にいても手を取られる作業を代替しながら、なおかつその結果に満足してもらわなければならない。なんと多くの設備や備品、そして接遇が必要だろうか。ひと昔前と異なり、快適な自宅に住み、快適な睡眠環境で生活している人も多い。そんな人たちに満足してもらう設備を、どう提供すればよいのか。結局のところ、自宅より何らかの優れた魅力がひとつでもなければ、その施設の将来性は危うい、といわざるを得ない。自然環境なのか、特化した料理なのか、ラグジュアリーな部屋空間なのか、ゆったりとした温泉施設なのか、手厚い接客なのか。それらすべてを満たすのは至難の業だ。客は常に自宅と比較している。自宅では得難い環境を求めている。勿論、観光が目的なので施設は寝るだけで十分だという人もいるが、やはり日本人は非日常感のある宿泊施設にこだわる。どんな環境や料理、設備で客を満足させ得ているか、させ得たいか、そしてそれらの結果としての客単価を理路整然と組み立てていくことが求められる。そこには理工系の発想も必要になりそうだ。 

2022年11月1日 間島

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【その185】某月某日 ”お持ち帰りどうぞ、ってうれしい・・・ ”の巻き

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     “お持ち帰りどうぞ、ってうれしい”の巻き

先週に訪問した中国料理店で、コース料理をいただきました。久々の中華だ!と喜んでたら、出るわ出るわ、いやお化けじゃなくて、料理がこれでもか、と出てきたの。品数の多さに加えて1皿の量がはんぱじゃなくて、5品目となると皆、お腹いっぱい胸いっぱい。美味しい料理だったんだけど、もう一口も入りません状態。で、店の人に“これってお持ち帰りできます?”と恐る恐る聞いてみたら“箱代だけは頂戴しますが、大丈夫。お詰めします”と涙無くしては聞けない優しいお言葉。3種類ほどを3箱にきれいに詰めていただいて、同席した中では一番若い女性に押し付けOK。明日も中華だ!と喜んで持って帰ってくれましたわ。無駄にならずに済んだ。食材ロスを防げた。バンザイバンザイ!店の雰囲気から、多分、大陸出身のオーナーみたいでしたわ。だからでしょうか、とにかく1品の量が半端じゃない多さ。おおらかというか、足らない状態、というのは避けたいのだろうな、と拝察いたしましたわ。でも気分よく、お持ち帰りできてよかったわ。

で、数年前のこと思い出したの。母と訪問した大阪で有名な航空系ホテルのイタリアンカフェでのこと。ピザ2枚とパスタを頼んだ際、予想以上のボリュームで食べきれなかったので、持ち帰りたいと言ったら、言下に拒否されましたわ。お持ち帰りはできません!って。自分が支払ったものを自分が持って帰って、警察が来るんかい。それも生ものではなくて、ピザですよ。3日以上は持ちそうな顔してたわ。でもだめだった。要するに、あとで食中毒になった。どうしてくれる?状態が怖かったのでしょうか。おおらかでないというか、臆病というか、気が小さいというか、ホント、バカバカしくなって、ピザをあちこち齧って、使いまわしできないようにして失礼しましたわ。こちらも大人げないことをしましたわ。そのころ、使いまわし事件が多発していたから、ついネ。でも、徐々に日本のレストランでも、持ち帰りOKのところが増えてきたみたいね。そう、生もの以外であれば、自己責任でどうぞ、ということね。あまり規則に縛られると、魅力のない面白くない国民と国になるよん。           ・・・・続く。某月某日

 

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食文化の豆知識187 食文化の現状166(値上げラッシュ)

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食文化の豆知識187 食文化の現状166(値上げラッシュ) 

世界的に物価上昇の波が止まりません。きっかけはロシアによるウクライナ侵攻でしょうか。世界経済を握っているのはやはり“油”なのだと思い知らされますが、かつてのオイルショックともまた異なった現象が起こっているようです。とくに日本の場合、物資不足による物価高というより、電気代や原材料費の高騰を受けて、各分野で値上げ現象が起きています。世界での大雨や干ばつも、それに輪をかけました。円安も値上げの要因でしょう。ただ実質的な値上げの兆候は以前から見られました。例えばテイッシュペーパーなど以前と比べると枚数が減っています。実質上の値上げです。トイレットペーパーしかり。量を減らして値段は据え置き式で、影響を抑えてきましたが、今や、堂々の値上げです。近隣の飲食店も軒並み、値上げとなりました。例外なく「諸経費と光熱費の高騰によりやむなく値上げさせていただきます」の断り書きが。そしてビールも値上げ?なかなか厳しい流れになりそうです。

 そんな中、時々利用しているスーパーマーケットの一角にあった百均コーナーがしばらくの閉鎖後、リニューアルオープンしました。以前と比べてほぼ2倍の面積を有し、取扱商品もそれに伴い多くなりました。特殊商品を除いて、百円です。名のあるメーカー品も量を調整して出店しています。生鮮品を除いて、日常の必要品はほぼまかなえる。不思議な気持ちになりました。ひと昔前なら、500円はしてたであろう日用品が百円で買える。あれもこれも・・・。売る企業も大変だろうなと思いつつ、時を忘れて大量買いです。得をしたのか損をしたのわかりませんが、とにかく消費者の味方ではあります。高価格化と低価格化。この現象がまるで当たり前のように生活圏にあるので、お金の値打ちが、混乱しそうですが、根幹となる電気代やガソリン代の高騰は、間違いなく生活を直撃します。さて、どうやって自衛すればよいのか、暑がり寒がりで郊外に住む身としては、解決策が見当たりません。百均で喜んでいる場合でもなさそうです。

                                                                     食生活アドバイザー 間島万梨子

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