顧客満足の複雑さ 213「メニュー作りが飲食店の原点」
飲食店の長期安定の要は「売れるメニュー作り」である。浮き沈みの激しい飲食店業界と言われるが、確かにデータからみても、飲食店の閉店率は1年以内が30%。3年以内が50~70%。10年続くのは10~30%未満。ことほどさように飲食店の現状は浮き沈みが激しい。だから、というわけでもないが、望むべき集客に至る可能性が高い大手スーパーマーケット、いわゆるハイパーマーケット内の出店希望が後を絶たないといわれる所以だ。ファミリー層向けのメニュー作りが成否のカギを握ってはいるが、人は集まってくる。それでも数年内には店の入れ替わりが生じる。
単独店、または飲食店ビル内の出店、となると、さらに厳しさを増す。ただ、その中で継続してお客の支持を集めている店は、“料理が単純に美味しくて飽きが来ない”という点で共通している。それが「売れるメニュー作り」といえる。より詳しく言うと、メニュー力とは・他店に無いオリジナル料理・口込みを期待できる話題性が高い・ほとんどの人が美味しいと感じる・継続的に供給できる・楽しい・コストパフォーマンスが納得できる、に尽きるだろうか。その中でも、ほとんどの人が美味しいと感じて、しかもコストパフォーマンスが納得できるメニューの提供が、最強と言えよう。今まで経験してきた中で、これらの要素を保ちつつ、閉店に至った店をまだ知らない。
加えて、メニュー作りには、提供方法も影響力が高い。例えば、今や、多くの店がコース料理を用意している。客にとっても便利なシステムではあるが、もろ手を挙げてウエルカム、というわけでもない。まず、客サイドからみると・メニュー選びをする手間が省ける・たぶん単独で注文するより安い・多くの場合、飲み放題とセットなのでお得、のメリットがある。デメリットとしては、・無駄な料理がある・好みでないものがある・料理を出すタイミングが早すぎる・量的に重い、だろうか。逆に店側としては・客単価が保証される・食材ロスを少なくできる・調理的に便利・時間制限が設けられる、のほかに、サービスがしやすい、などの多くの利点がある。逆にマイナス面は極めて少ない。つまるところコース料理は、ほとんどが店の都合で設けられる、といっても過言ではない。それでもお客が満足してくれれば双方OKということになるが、客の満足度を真に満たしているか、の是非は、来店頻度や客数の増減でしか、はかれない。
望むべき店の方針としては“お好みのものを好きなように召し上がれ”。これができるかどうかどうか、にかかっていると思う。長く愛される店は、必ずこの原点を守っている。個人的には、コース料理で満足した経験は少ない。
2026年 9月1日 間島